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追憶令嬢の徒然日記  作者: 夕鈴
番外編 家族の記録

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ティアの日記3

ティアはマートン様に負けないようにお勉強を頑張っています。お勉強は難しいです。

リアムは先生に呼ばれていません。図書室でお勉強しているけどわかりません。

ロキの所に行こかな。いつでもおいでって言ってました。


「ティア?」

「ごきげんよう。エラム様」

「リアムは?」

「先生に呼ばれてます。」

「そうか。勉強、進んでなさそうだな。教えようか?」

「本当ですか?」

「ああ。」


エラム様が教えてくれたおかげで解けました。ティアはリアムと違って頭がよくありません。リアムには授業を聞いてないからと言われます。途中で眠くなるんです。


「エラム様、ありがとうございました。もう大丈夫なのでお勉強してください」

「後輩の面倒を見るのは先輩の務めだから。俺は試験勉強もう終わってるし」


ティアがこんなに頑張ってるのにもう終わってるんですか!?


「全部最優秀ですか?」

「ああ。成績落とすと父上に怒られるからな」


これは、母様が教えてくれた天才というものでしょうか。努力しなくても頭が良い方がいるそうです。ずるいです。


「ティア、なんで怒ってんの?」


気にしてはいけません。ティアはマートン様に勝つためにお勉強するのです。


「ティア、ごめん。待たせた。帰ろうか」


リアムが迎えに来てくれました。天才のエラム様に礼をします。悔しくても睨んではいけません。


「エラム様ありがとうございました」

「ティア、またいつでも」

「失礼します」


リアムに手を引かれて図書室を後にしました。


「リアムはお勉強大丈夫?」

「帰ったらやるよ。ティアは早く寝て授業で寝ないようにね」

「ティア、一番」

「体調管理が大事だよ。朝ごはん食べたら授業までは付き合うから。」


リアムとご飯を食べて寮に帰って眠る支度を整えました。

もう少しだけお勉強します。


「ティア様、休みましょう。もう眠る時間です」

「もうちょっと」


ティアはシエルの言うことを聞きませんでした。気づくと明るくなっていたので、慌てて眠りにつきました。

ティアは教室にいたはずなのに起きると保健室にいました。

隣にはリアムがいました。


「お勉強!!」

「ティア、お勉強は休み。頑張りすぎて倒れたんだ」

「だめ。ティアはマートン様に勝つの」


リアムに頭をポンと叩かれました。


「ティア、わけっこしようか」

「リアム?」

「僕が歴史と薬学でマートンに勝つよ。ティアは他の教科で勝てばいい。二人で全部一番を取ればいい。次回はティアがマートンに全部一人で勝てるようにあらかじめ準備をしよう。倒れたなんて言ったら母様が心配するよ。」


確かに母様が心配で倒れちゃうかもしれません。母様は今は大事な時期なのです。ティアはお姉様として心配をかけるわけにはいきません。


「うん。」


ティアはリアムとシエルの言うことを聞いて、お勉強することにしました。

次の日、母様が作ってくれたお菓子とお手紙をシエルが預かってきてくれました。無理しないで頑張って。体に気をつけてくださいって書いてありました。

母様のお菓子はリアムとシエルとロキと一緒に食べました。

ティアは休養日も学園でお勉強しようと思ったけど、リアムに連れて帰られました。


「おかえりなさい。」

「ただいま帰りました。ティアは勉強する」


母様に心配そうに見つめられます。


「リオにそっくり」

「俺!?根を詰めすぎるのはシアだろう」


「お二人ともかわりませんよ。」


シエルが笑ってます。

「ティア、父様が勉強を見てやるよ。」

「ティアは1番になりたい」

「頼もしいな。」


父様がお勉強を教えてくれました。

ここは絶対に押さえとけという所を教えてくれました。

父様が大事と言ったところが全部試験に出たので驚きました。

休憩も大事と教わり、ティアははじてお菓子を食べながら勉強しました。父様には母様に内緒と言われました。


「リオ、どう?」

「熱中しすぎると、休まずやるな。本に夢中で、倒れたシアとそっくり」

「耳が痛いです。心配です。1番なんて、私はとったことないのに。取ろうともしなかったわ」

「俺も。」

「私も学園に行きたいです」

「駄目だ。シエルとロキがいるから平気だよ」

「それでも心配です。リアムは勉強しなくて、いいのでしょうか。ずっとリーファと遊んでますが」

「リアムは授業中起きてるから大丈夫だと」

「ティアったら・・。」


ティアの様子を母様達が見ていたことは気付きませんでした。

無事に試験が終わりました。

総合順位は2番でした。マートン様は3番だったので勝ちました。悔しそうな顔をするマートン様を見て、ティアは嬉しいです。


「偶然だな」

「負け惜しみ」

「今回は調子が悪かっただけだ」

「ティアの勝ち」

「お前だってリアムに負けただろうが」

「リアムは敵じゃないもん。ティアはマートン様に勝てればいいの」

「次は負けない」

「ティアも負けない」

「もう少し可愛いげを学べ」

「みんな、ティアを可愛いって言うよ。」

「中身の問題だ。淑女じゃないだろうが」

「マートン様も紳士じゃないもん。」


「ティア、」


レシーナ姉様が来たので、マートン様とお話するのはやめました。

レシーナ姉様は優しくて綺麗で、楽器がお上手なんです。寮でもよく話しかけてくれます。


「レシーナ姉様!!」

「試験お疲れ様。これお母様から送られてきたの。ティアにあげるわ。頑張ったご褒美よ。リアムも楽しめるから二人で読んでね。」


本をいただきました。レシーナ姉様の本はいつも楽しいです。レシーナ姉様のお母様のエイミー様からもらった純愛物語も大好きです。なんと純愛物語に続きが出るかもしれないんです。楽しみです。

今度の本は妖精の冒険。表紙を見ただけでも楽しそうでワクワクします。

マートン様のレシーナ姉様を見習えという声は聞こえません。

明日は休養日なので、家に帰ります。試験の結果を伝えたらきっと褒めてくれます。母様にも本を見せてあげます。せっかくなのでリーファに読んであげましょう。


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