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追憶令嬢の徒然日記  作者: 夕鈴
番外編 家族の記録

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ティアの日記1

こんにちは。ティア・ルーンです。10歳です。


ティアの母様はレティシア・ルーン。

母様がルーン公爵令嬢だったことは秘密です。

父様が教えてくれました。母様は魔力が強いので、色んな人に利用されないように昔、姿を消したそうです。

父様が悲しそうな顔できっと母様は狙われたらティア達を守るためにまたいなくなるだろうって。

あんな父様の顔ははじめて見ました。

ティアはリアムと話して決めました。

母様が泣かないように、いなくならないように強くなろうと。

もう少しで弟か妹が産まれます。

二人を守るために強くなろうと思います。

リアムや父様が母様もティアも守るから無理しないでって言うけど嫌です。

二人には負けちゃうけどティアも強くなります。

母様も強いからきっとティアも母様みたいになれます。ティアはお母様の自慢の娘だもん。

父様はリアムばっかりであんまりティアに修行をしてくれません。

今までは母様がティアに修行をつけてくれたのですが、今は駄目です。

ティアの弟か妹のために安静だそうです。母様は大丈夫って笑うけど、母様の大丈夫は信じてはいけないと父様に言われました。

父様が頼りにならないのでティアはエディにお願いしました。エディはティアと同じ水の魔法が得意です。

エディにいっぱいお願いしたら「自衛は大事だよね。協力するよ。ただ厳しいけど覚悟して」って言われました。ティアは頑張ります。いつかリアムと父様より強くなりたいって言ったら応援してくれました。

それからはティアのお婆様のローゼ様が修行をつけてくれるようになりました。お婆様の修行は厳しいけど頑張ります。いつの間にかリアムも一緒に訓練を受けていました。秘密の特訓でしたのに・・。


母様はティアがお婆様に秘密の修行を受けてることを知ったら倒れました。父様が慌ててセリアを呼びにいきました。父様に突然連れてこられたセリアは笑ってました。母様は昔からよく倒れるから気にしなくていいそうです。母様もティアの弟か妹も心配ないそうです。

母様にお婆様との修行は危険だからやめてとお願いされたけど、父様とセリアが説得してくれました。母様に難しい顔をされましたが、母様を守るためです。ティアは絶対譲りません。

セリアが「二人の子供だから頑固よ。言いだしたらきかないわ」と言ったら母様も無理しないでねと応援してくれました。ティアが母様、守るから安心してね。って言ったら抱きしめられました。母様の腕は大好きです。母様を悲しませるのも、この腕をうばわれるのもティアは許しません。


父様に「クロとビアードは敵だから近づくな」と言われました。エイベルのことを思い出すと胸が痛いです。

でもティアは母様が大好きです。母様の敵はティアが許しません。エイベルのことは心がまだ痛いけど母様の腕の中では忘れられます。ティアは母様の自慢の娘だからもっと素敵な人と出会って幸せになれるって母様の言葉を信じます。父様みたいにティアだけを愛して大事にしてくれる人が見つけられるわって綺麗に微笑む母様の娘ですから。



ティアと母様は似ています。

ティアは12歳になったら学園に通うみたいです。強くなるために必要なことみたいです。

ティアはルーン家の血が強いのでルーンの分家の娘として過ごしてほしいみたいです。

書類上ではティアの両親の名前が変わるみたいです。

でも名前だけでエディは今まで通り過ごせばいいって言ってました。

ただリアムと兄妹のことは内緒だそうです。

リアムはお父様に似てるからマール分家の息子として過ごすそうです。

リアムとティアは婚約者になりました。これなら今まで通り一緒に過ごしても大丈夫って。

よくわかりませんが、父様とリアムに任せればいいそうです。

ティアは秘密を守って強くなればいいみたいです。


マール公爵家の本邸に引っ越しました。

ティアのお部屋をもらったけど、一人は寂しくてリアムの部屋で一緒にいます。

時々母様の部屋で一緒に寝ます。

大きい屋敷は寂しいから小さいお家でまた暮らしたいって言ったら、弟か妹が産まれたら離れに引っ越そうって父様が約束してくれました。ただそのためには本邸じゃないと覚えられない作法があるからそれを覚えられたらだそうです。ティアは頑張ります。作法はお婆様、父様の母様のローズ様が教えてくれました。覚えることはいっぱいあるけど頑張りました。ティアは行儀作法もばっちりです。さすが母さまの娘と褒められました。


今日は社交界デビューをするそうです。母様が侍女のふりをして一緒に来ようとしたけど必死で止めました。父様もお顔が真っ青。お婆様達やエディが説得して父様とお留守番をしてくれるそうです。父様がリアムに頼むと言っていました。


外に出たら母様に教わった令嬢モードになります。ティア・ルーンは誇り高い貴族です。どんな時でも優雅にです。リアムは兄ではなく婚約者です。

ここからはリアムとは別行動です。

ティアはエディじゃなくてエドワード様と一緒に行きます。



お城は、はじめて来ました。大きいです。お庭も広いです。


「ティア、馬車を降りたら始まるよ。ティアならできるよ。頑張ってね」


ここからが本番です。深呼吸します。エドワード様のエスコートで進みます。


会場にいくと視線を集めています。母様の言う通りです。視線なんて無視です。優雅に行動すればいいだけです。


国王陛下に挨拶も上手にできました。

国王陛下にじっと見られました。隣に座るクロード殿下が微笑まれました。クロード殿下はクロに似てる気がします。瞳の色が同じだからかな。不思議だったけどエドワード様がよくできたと褒めてくれたので問題ありません。


挨拶が終わって、リアムがカナト様と一緒に近づいてきました。

エドワード様は挨拶があるのでリアムのエスコートに交代です。

カナト様にも挨拶をよくできたと褒めてもらって嬉しいです。

婚約者といればダンスに誘われることはないそうです。

カナト様が離れていったのでリアムと一緒に壁の花になりましょう。


エイベルがいます。エイベル格好いいな。まだ胸が痛い。

「ティア?」

「ごめんなさい。わかってるけどまだ」


リアムが抱きしめてくれるので甘えます。リアムの腕は落ち着きます。


「リアム、どうしよう。やっぱりエイベルのこと諦められない」

「ティア、僕が傍にいるから大丈夫。ずっと一緒だよ」

「リアム大好き」

「僕もティアが大好きだよ」


エイベルは敵。ティアにはリアムがいるから大丈夫。うん。また令嬢モードに戻らないと。

大丈夫だよって笑ってリアムの腕から抜け出す。

誰かが近くにくる。挨拶しないと。あれは・・・。エラム様。


「久しぶりだな」


リアムがティアの前で庇ってくれます。父様にリアムと一緒にいるときはリアムに任せろって言われています。


「お初にお目にかかります」

「は?」

「リアム・マールと申します。彼女は婚約者のティア・ルーンです。初めての社交で緊張しているのでご容赦ください」

「なんで?」

「僕たちはこれで失礼させていただきます。行こうティア」


リアムのエスコートに促され場を離れます。父様がビアード家は敵だから仲良くしなくていいんですって。


「待って、ティア、せっかくだから一曲」


ダンス?


「僕は婚約者が他の男と踊るのを許せるほど心が広くないんです。では。余計なことを騒いだら物理的に落としますのでよく考えてくださいね」


リアムがエラム様と話してますが、リアムに任せましょう。

お話終わったみたいですね。リアムに促され、もう帰ることにしました。

マール公爵邸に帰ると母様が玄関で迎えてくれました。

本当はお外で待ちたかったみたいですが父様が許さなかったみたいです。

母様が心配そうに見つめるので安心できるようににっこり微笑みます。

貴族の顔もたくさん作れるようになったから安心してね。


「リオ、どうしよう。親の欲目だけど、ティアが可愛いです。私に似て平凡な容姿なのに、きっと学園ではモテモテですわ。」

「シア、二人共この上なく可愛いからな。そこは俺がリアムを教育するから安心して」

「僕が母様もティアも守るから安心してください」

「リアムもきっとリオのようにモテモテですわ。私、人気がなかったから群がるファンの方々の対応教えられませんわ。私、男装すれば殿方に見えますかね」

「シア、もう男装は諦めて。無理だから。何をしようとしてるの?」

「ステイ学園の武術講師の助手の空きがあるから応募しようかなって。任期はこの子が産まれた後みたいです」

「絶対許さないよ。」

「でも二人が心配。それともリオが受ける?」

「シアと赤子を残してはいけないよ。また姿を消されても困る」

「そんなことしませんわ」

「信用できない。」

「でもリアムとティアが心配です。この可愛さなら無理やり手籠めや誘拐」

「シア、妄想やめて。顔、真っ青だから落ち着いて。俺が教育するしセリアの道具も持たせるよ」

「セリアの道具は物騒すぎて優しいこの子達は使えませんわ」

「俺たちの子供は優秀だよ。リアム、ティア、もし敵わない相手に出会ったら?」

「「セリアの道具を投げて、その間に逃げる」」

「敵に情けは?」

「「無用。」」

「学園に入学して大事なことは?」

「「二人の命と安全。周りの被害は気にしないで困った時はエディに相談」」

「さすがだな。」


父様が笑顔で頭を撫でてくれます。母様は心配そうです。

学園は危険がいっぱいなので父様は母様には行ってほしくないそうです。


「母様、ティア達は大丈夫だからお家で待ってて。ちゃんとうまくやるよ」

「母様、ティアは僕が絶対守るから安心してください」


「リオ、さすがにその教えは物騒すぎませんか?過剰防衛で訴えられたら・・。」

「これくらい徐の口だよ。二人が入学する前には手回ししておくよ。二人には腕利きの従者もつけるよ。なにかあったら世界は広いし逃げればいい」

「侍女になれば一緒に行けるかな・・。」

「シア、赤子を連れた侍女なんていないから。絶対許可しないよ。そんなことより二人の入学時はロキとナギが従者として立候補してきそうだよな・・。」

「それは。許されませんがありえそうで怖いですわ」

「シアが家で大人しくしてるなら協力してもいいけど、どうする?」

「ずるいですわ」

「俺たちの自慢の子供を信じよう。シアよりしっかりしてるから大丈夫だよ。入学前に徹底的に鍛えるよ」

「父様、ティアも鍛えてくれる?」

「もちろん。これからは二人共鍛えるよ。ティアは時々エディと特訓な。リアムも厳しくするけど頑張れる?」

「はい。父様よろしくお願いします。いつかはエイベル様を瞬殺できるようになりたいです」

「任せろ。心身共に瞬殺できるようになろうな」

「ティアも!!」

「リオ、ほどほどにお願いしますわ。二人共まだ子供ですわ。先ほどから物騒すぎますわ」


「姉様、物騒なくらいが頼もしいですよ。僕も二人の教育に全面的に協力するのでご安心ください。」

「エディ!?あなたこんなに早く帰ってきていいのですか?」

「はい。必要なことはすみました。二人共立派でしたよ。さすが姉様の子供です。学園はすでに掌握してますのでご安心ください」

「え?」

「学園長の息子とは友人です。ロキもステイ学園の採用試験を今年受けるそうですよ。優秀な医務官も派遣してます。

なにがあっても二人は大丈夫ですよ。」


母様の顔色が青いです。

「母様、休んでください。顔色が悪いです」

「リアム、これは心の問題よ」

「母様、無理はだめです。もう休もう。ね?」


「姉様、学園のことはまたゆっくり話しましょう。僕はここで。ティア、リアム立派だったよ。またね」

「うん。エディ、またね」


帰るエディに手を振ります。

母様の調子が悪そうなので、父様にお任せします。

母様のことは父様とセリアにお任せです。

今日は母様は父様に譲ってリアムと寝ます。

この時ティアは学園に入学したら一人で寝ないといけないということを知りませんでした。



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