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義姉たちが全員重度のブラコンだった。  作者: 個味キノ/藤宮カズキ
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夏休みの志木家。日常はゆるやかに。

いつもお待たせしてすみません。

家族旅行の後に『姉ちゃん』との旅行。

夏休み早々スタートダッシュを切った感があるけれど、旅行から帰ってくれば、志木家にはいつも通りの日常があった。



「春斗君、起きてください」

「夏休みなんだから寝かせてくれてもいいじゃん」

「ダメです。そんなことしてたら私と過ごす時間が少なるじゃないですか!」

だからって俺の睡眠時間を削っていいことにはならないよね!?


「秋奈も夏希もまだ寝ているので、これはチャンスですね」

「何の」

「春斗君と二人っきりでイチャイチャするチャンスです」

あ、そう。


「あ、春斗君。どうしてまたベッドに潜り込んでるんですか!?」

「寝る」

ていうか、昨夜遅くまでゲームに付き合わせてたのは、冬華姉さんだよね!?


「ダメ。ダメですよ春斗君。そんなことされたら、私はどうすればいいんですか?」

「出勤すればいいと思う。頑張れ、社会人」

「む~、聞き分けのない子はこうです!」

「って、何してんの!?」

「私も一緒に寝ます」

「出勤時間だろ!?」

遅刻すんぞ!?


「いいんです。どうせ行ってもやることなんてほとんどないんですから」

「おい」

「本当ですよ? 夏休み中の教師が何をしてるか、教えてあげましょうか?」

「いや、いいです。眠いので」

頼むから寝かせてくれ。


「そうですよね。それじゃあ、一緒に寝ましょう」

「あんたは出勤しろ」

「春斗君はいつからそんなに意地悪になったんですか?」

「俺は元々こんな性格です」

「可愛げもないですね」

それに何か不都合が?


「いいですよ、もう。ですが、帰ってきたら昨日みたいにうんと遊んでくださいね」

「わかった。昨日の続きしよう」

「はい! ああ、これで今日もお仕事頑張れそうです!」

安いモチベーションだな!?


「それじゃあ春斗君。いってきますね」

「いってらっしゃ~い」

そして俺は寝る。



「あ、春斗。やっと起きてきた」

「おはよー」

「もうお昼だよ! お寝坊さんだ」

「昨夜も遅かったから」

今朝も無駄にたたき起こされたしね。


「ご飯どうする? もうちょっと待ってくれたらお昼と一緒にしちゃうけど」

「じゃあ、それで」

「了解! ちなみに、何かリクエストってある?」

「そうめん以外」

さすがに食べ飽きた。


「えー! そうめんダメ?」

「ここんとこ毎日のように食べてるじゃん」

「ちゃんと味は変えてるでしょー」

「だが、そうめんだ」

あの食感はそうそう変わらないのである。


「よし! それじゃあスパゲティにしよう!」

「いつから麺縛りになったのさ」

「だって茹でるだけなんだもん。春斗だって知ってるでしょ? 夏場のキッチンの暑さ」

「まあね。ぶっちゃけ、夏は料理したくない」

「そんなわけでスパゲティです」

「だからなんでさ。茹でるんだから暑いのは変わらないじゃん」

火を使うから暑いんだ。いっそのこと火を使わない料理にすれば。


「だって、茹でてる間は放置でいいから」

「危なくない!?」

さすがに火から目を離すのはダメでしょ。


「じゃあ、春斗が茹でて。私はエアコンの下にいるからー」

「それは嫌だ」

俺だってエアコンの風を浴びていたい。


「もー、春斗はワガママだなあ」

「サンドイッチ作ろうサンドイッチ。手軽で火も使わない。すなわち最高」

夏場に作るためにあるような料理だな。


「せっかくの提案だからこんなことは言いたくないんだけど、哀しいお知らせです」

「何?」

ていうか、口調。そんな勿体ぶるようなことがあるの?


「パンがありません」

「マジか!? え、マジで? この間買わなかったっけ?」

つい二、三日前のはずだ。そんなにすぐすぐなくなるわけが。


「冬華姉さんが食べちゃったみたい」

「一人で?」

「一人で」

「冗談でしょ?」

「本当」

うわ、マジだ。

食器棚の中に保管してたパンがなくなってる。


「なんで?」

「冬華姉さんでも作れるからじゃないかな」

「あー、なるほど」

確かに。夏希姉ちゃんも夏休みだからなー。


「って、お昼どうしよう?」

「そうめんかスパゲティだね! どっちがいい?」

「……スパゲティ」

ということで、このクソ暑い中、二人で並んで麺を茹でながら料理をして食った。

ちなみに、秋ねえはまだ寝てる。



「はる君~、おはよ~」

「もう、おやつの時間だよ、秋ねえ」

「わ~い。おやつ~」

起きて早々おやつって、どんなぐうたら生活だよ。


「ていうか、なんで寝起きですぐに俺の部屋に来るわけ?」

洗面所にすら行ってないよね?


「寝起きには~、はる君成分のチャージが必須なんだよ~」

「わけわかんないからね、それ!」

って、抱き着いてくるんかい!?


「秋ねえ。ちょっと──」

「ん~、はる君の匂いだ~」

「そんなぎゅっと抱きしめないで!」

いつものことながらおっぱいが! 胸が! すごいことに!!


「はる君~。好き~。……す~」

「いやいや、このまま寝るとか、それはやめて! せめてベッドに行って!!」

「は~い」

素直に行くの!?


「秋ねえさあ、さすがに寝すぎじゃない?」

「え~、そう~?」

「だって一日の半分以上は寝てるじゃん。俺、最近ほとんど秋ねえと顔を合わせてないよ」

一緒の家にいるっていうのにね!


「だって~、暑いんだもん~」

「そりゃ、夏だし」

「だから寝るの~」

冬は寒いって言って寝てそうだな!


「おやつ、水ようかんだって夏希姉ちゃんが言ってたよ」

「ようかん~!」

「秋ねえが躍動した!?」

「あんこ~。あずき~!」

そんなに心惹かれるの!?


「秋ねえってようかん好きなんだ」

「ようかんだけじゃないよ~。どら焼きも大福も~、あんこなら何でも好きだよ~」

「なんか、イメージと違う」

「え~? そう~?」

秋ねえはどっちかっていうと洋菓子が好きなイメージがあった。


「甘いのは~、なんでも好きだけど~、あんこが一番好き~」

「そんなにか」

「はる君の次に好きだよ~」

「俺は食べ物と同列なんだ」

「はる君の方が~、う~んと好きだけどね~」

それはどうも。


「それじゃあ、リビングに行こう。あ、ちゃんと顔とか洗うんだよ!」

「わかってる~」

フラフラと歩く秋ねえと一緒に部屋を出る。

おやつを食べたらどうしよう。散歩でもしようか。


とまあ、こんな感じで、夏休みは夏休みで義姉さんたちとはぬるっとした日々を過ごしている。どこにも特別なことなんてない。


引き続きゆるっと書いていくのでよろしくお願いします。

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