義姉さんたちとの家族旅行。最終日! ~最後は水着。そして帰宅~
41話投稿です!
家族旅行もこれで終わりです……!
「もう、今日は帰るんですから、あんまりはしゃぐと──きゃ!?」
「そう言うとーかちゃんもしっかり水着じゃん~。ほらほら~」
「秋奈! 急に水をかけないでください。このッ、負けませんよ!!」
とかなんとか言いつつ、結局ムキになるのが冬華姉さんなのであった。
「!?」
「春斗。何ボーっとしてるの!」
「だからっていきなり水をかけないで!?」
うわ、海水しょっぱい。
「はる君~。水着も見納めだよ~。もっと見なくていいの~?」
「家で下着のまま歩いてる人が何言ってるの?」
露出は変わらないだろうに。
「……もっとすごいの見たいの~?」
「誰もそんなことは言ってません!!」
言ってないから胸元に指をかけるのをやめなさい!!
「春斗のエッチ」
「今の俺のせい!?」
秋ねえが変なこと言ったからだろ!?
「春斗君もやっぱり男の子ですね」
「そんな理解の示し方しなくていいから!!」
逆に恥ずかしいからね、そういうの!
「も~、はる君てば最終日だからってはしゃぎ過ぎだよ~?」
「どう考えてもはしゃいでるのは義姉さんたちだよね!?」
「春斗君。そうやって人のせいにするのはよくないですよ」
「事実ですけど!?」
「でも、春斗だって楽しんでるでしょ?」
「そうりゃそうだけど! その言われ方は納得できない!!」
大体、最後に海に入ろうって言いだしたのも義姉さんたちじゃん。
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「秋奈。夏希も。急がないと渋滞に巻き込まれますよ」
「え~、とーかちゃんがそれ言うの~?」
「そうそう。最後まで海に入ってたの、冬華姉さんじゃない」
「う。それはそうですが……。そ、そんなに言うならいいですよ。私は春斗君と先に帰りますから、二人は後からゆっくり帰ってきてください」
旅行の帰り際って、なんでこんなにバタバタするんだろうなー。
「冬華姉さん、それはズルい!」
「それなら~、はる君は私ともう一泊しようよ~」
「秋奈姉さんもズルい! 私も!」
「そ、そんなのダメです! みんなで一緒に帰るんですから!!」
「そういうならこの手を放してくれない!?」
時間無いって言ってるのに、なんで三人揃って俺にしがみついているの!?
「ちょっと皆、時間ないのに何してんの!?」
「春斗! これは譲れない女の戦いなんだよ!」
何が!?
「ほらほら~。はる君~、おっぱいだよ~」
「だから意味わかんないからね!?」
ていうか、そんなに押し付けられたら苦しいだけだから!
「春斗君! 早く車に乗ってください」
「ちょ、待って待って! この状態で引っ張らないで!」
でないと──ッ。
「きゃ!?」
「お~?」
「わぁッ!?」
「うお!?」
どう考えても転ぶよね!?
「あン──。春斗君、動かないでください」
「んがっ!?」
何だって!? ていうか、今どんな格好になってるの!?
「あは~。やっぱりはる君はおっぱいが好きなんだね~」
「もが!?」
え、何!? 何なの!? めっちゃ苦しいんだけど!?
「──っ!? 春斗! どこ触ってるの!?」
「おがッ!?」
待って! なんで俺今、突き飛ばされたの!?
「いってー。──って、義姉さんたち何してんの?」
パンツ丸見えじゃん。
「!? もー! 春斗のエッチ!!」
「理不尽だ!?」
巻き込まれ事故だろ、こんなもん!
「はる君~。ほらほら~、もっと見る~?」
「見ないから仕舞いなさい!」
なんでさらに脱ごうとするの!?
「ああ!? 春斗君どうしましょー。こんな時間になってますー」
「どうもこうも、さっさと車に乗らなきゃでしょ!? ほら、秋ねえと夏希姉ちゃんも急いで!!」
「わ~。はる君待って~」
「あ、春斗! 席は私の隣ね!」
そんなん後でいいから、さっさと動け!!
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「で、結局秋ねえも夏希姉ちゃんも寝ちゃってるし」
「仕方ないですよ。たくさんはしゃぎましたから」
「『姉ちゃん』は眠くないの?」
「眠いですよ。でも、私が寝たら誰が車を運転するんですか」
そりゃそーだ。
ていうか、俺もちょっと眠い。
「春斗君も寝てていいんですよ?」
「そしたら『姉ちゃん』がひとりきりになるじゃん」
「優しいですね、春斗君は。でも、大丈夫ですよ。運転中はこれでも集中してるので」
「だからって助手席で寝息を立てるのもいかがかと」
全部を冬華姉さんに押し付けてるみたいで気が引けるし。
「それに、もうすぐ家に着くでしょ?」
景色も随分見慣れたものになってるし。
「はい。もうすぐで旅行も終わりです」
「帰るまでが旅行って? 先生っぽい」
「先生ですよ。私は」
あ、ちょっとむくれた。可愛い反応だ。
「『姉ちゃん』さ。言ってくれたじゃん」
「何をですか?」
「俺が決めた事ならそれでいいって」
「あー。……ちょっとかっこつけてましたよね」
「でも、ちゃんと自分を選んで欲しいっても言ってたよ」
「それはそれでちょっと子どもっぽいですよね」
どっちにしろ照れ臭いのか。
そりゃそうだ。ああいうのは言える時だからこそ言えるんだし。
「決めたよ。ちゃんと」
「……どうして私だけに言うんですか?」
「なんとなく」
強いて言えば、眠いから。
眠気覚ましのシリアストーク。
「そうですか。昨夜伝えた通り、春斗君が決めた事なら、私はそれでいいと思いますよ」
「ん。ありがとう」
そう言ってくれる冬華姉さんは、やっぱり俺に甘い。
「ん~? 着いた~?」
「ぐっすり寝ちゃった」
と、背後で秋ねえと夏希姉ちゃんが目を覚ます。
……聞かれた? 今の話。
「もう家は見えてますよ」
「わ! ホントだ。なんか懐かしい!」
「あ~、その気持ちわかる~」
「二泊三日の旅行で何言ってんのさ」
そんなに空けてたわけでもないだろうに。
「荷物。忘れ物しないでくださいね」
「大丈夫~」
「待って待って! まだ鍵閉めないで。お土産があるから!」
「夏希姉ちゃん、買い過ぎじゃない?」
なんでひとりだけ両手いっぱいになってるの?
「ただいま~」
って、秋ねえはさっさと家に入ってるし。
「うーん。なんか我が家って感じですねー」
言いたいことはわかる。
「春斗! すごいことに気づいちゃった!」
「何?」
「明日も夏休みだよ!」
夏希姉ちゃんだけまだ旅行のテンションが残ってる。
「ただいまー」
「おかえりなさい。春斗君」
「はる君~、おかえり~」
「おかえり春斗!」
うん。我が家って感じだ。
42話は明日10日の19時投稿です!
予約投稿しております!
また、どこかでそれぞれの義姉ルートの話を投稿しようと思ってます