表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義姉たちが全員重度のブラコンだった。  作者: 個味キノ/藤宮カズキ
共通ルート 第一部
4/51

秋ねえはいつも眠そうです

※2/05 改稿版に変更しました!


 昨日は夏希姉ちゃんのせいでひどい目にあったけど、今日は土曜日。

 つまりは学校が休み!!

 クラスメイトから噂されるようなトラブルも起きない!!



「って、思ってたんだけどなぁ……」



「すぅ、すぅ……」



「なんでこの人はまた人のベッドに潜り込んできてるんだよ……」

 余りにも日常になりすぎているせいか、段々驚かなくなってきてる自分が嫌だ。


「秋ねえ。秋ねえってば」

「ん~~~?ん~ん……」

 あ、ダメだ。秋ねえの体を揺するとおっぱいも揺れる。眼福だけど目に毒。


「勉強に疲れたから昼寝をしようとしたのが失敗だったか……」

 寝こける秋ねえに抱き着かれながら己を省みる。


 ……いや、明らかに人のベッドに忍び込んでくる秋ねえが悪いんだけどな!?

 ちくしょう!! 姉さんたちと一緒にいると、常識がおかしくなってくるッ。



「秋ねえ。もう昼過ぎ!! せめてパジャマぐらい着替えてってば!!」

 でないと理性が飛びそうになる。


 生地が薄いのはもちろんだけど、秋ねえは色々とルーズな人でして、なんていかその、服の着方もね、ルーズなんですよ。



 だからね、ほら。豊かな谷間が目の前にドーン、と存在を誇示してくるわけですよ。



 ああ、クソ。なんか甘い匂いまでしてきた。

 これ、目が覚めるにつれ辛くなってくるやつじゃないか!?

 太ももの柔らかい感触。それは本当にマズい!!



「秋ねえ、起きてってば! 俺ももう勉強しなきゃだから!!」

 って、体を揺すった程度で起きてくれればここまで苦労はしないんだけどな!!

 どうすりゃ起きるんだよ。ていうか、どんだけ寝るんだよ、秋ねえは。



「なぁにぃ? さわりたいの~?」

 はい? ふにゃふにゃした声で何言ってんの!?



「いいよ~」

 いやいや、何も良くないから。

 何ちょっと気を利かせて触りやすいように移動してんの!?



「あれぇ。はるく~ん?」

 ま、おかげで秋ねえの手から逃れられたんだけどさ。

 ふっふっふ、俺には中間テストの勉強があるのだ。こんなところで義姉の色香に惑わされている暇はない!!



 ▼



 そしてそれから三時間。

 俺が勉強をしている傍らで、秋ねえは健やかな寝息を立て続けた。


「さすがに寝すぎじゃないか?」

 一瞬、何かの病気なんじゃないかと勘繰ってしまう。

 俺が勉強の合間にトイレに立とうが、宅配便を受け取りに行こうが一向に起きる様子がない。


 時計を見れば17時過ぎ。そろそろ冬華姉さんと夏希姉ちゃんも帰ってくるはずだ。


「秋ねえ、起きて」

「……まだ眠い」

「今まで散々寝てたじゃん」



 秋ねえが色々大きいのって、これが原因なんだろうか。寝る子は育つ的な。



「ん~……、はるく~ん……」

「え? なに?」



 秋ねえが何か言おうとしているが、枕に顔を埋めたせいで聞こえない。

 てか、今夜その枕使うんですけど。寝れなくなったらどうしてくれるつもりだ。



「んふ~、はるくんの良い匂いがするねぇ~~」

 またそういうことを言う。

 嫌でも意識しちゃうじゃないか。



「ああもう。秋ねえ、いい加減に起きてってば」

「えへへ~、はるくん捕まえた~」

「うわっ!?」

 ちょ、いきなり抱き着いてこないで!



「は~るくん」

「秋ねえって柔道の有段者か何かなの……?」

 何今の。

 抱き着かれたと思ったら、そのままベッドに引きずり込まれてたんだけど。

 しかもそのまま抱きしめられたるし。



 ていうか、なんでそんなにパジャマがはだけてんの?

 もうほとんど着てる意味ないじゃん!



「本物のはるくんだ~。いい匂い~」

 それはこっちのセリフだ。

 もうなんかそこいら中から秋ねえのいい匂いがする。

 え、何。俺ってば今夜このベッドで寝るの? 無理じゃね?



「このまま一緒に寝ちゃおうか~」



「そんなことを許すと思ってるの?」

「!?」


 うわびっくりした。

 余りにも冷ややかな声音に飛び起きると、そこには腕組みをした夏希姉ちゃんがいた。

 ヤバいめっちゃ怒ってる。


「秋ねえ、何をしてるの? 今は私が春斗にただいまのハグをする時間なのに」


 この姉妹には常識がないのだろうか。



 夏希姉ちゃん。あなたもおかしいこと言ってるからね?


「ダメだよ~。今はわたしがはるくんにマーキングしてるんだから~」

 あー、これってそういう。通りでさっきからやたらと体を摺り寄せてくるわけだ。



「秋ねえ、夏希姉ちゃんも帰ってきたからさ」

「もうちょっといたかったのに~」

 いや、だからパジャマはちゃんと着てって!

 ベッドから降りてくれるのはありがたいけどさ。



「ちょっと秋ねえ、枕は置いていってよ!?」

「ん~? あはは、バレた」

 いやいや、照れ笑いする場面じゃないからね!?

 俺の枕で何する気だったのさ。


「春斗」

「はい」

 秋ねえが出ていったあと、部屋に残るのは当然ながら俺と夏希姉ちゃんだ。



「とりあえず今すぐお風呂に入ってきて。秋ねえの匂いがする春斗とはハグしたくないから」

「はい」



 その後、風呂から上がった俺を夏希姉ちゃんはたっぷり十分も抱きしめた。


次も改稿版に変更しました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ