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義姉たちが全員重度のブラコンだった。  作者: 個味キノ/藤宮カズキ
共通ルート 第一部
33/51

義姉さんたちとの家族旅行。初日! ~お待ちかねの、水着です~

33話投稿です!

水着回!!

 


「砂、熱っ」

 部屋決めでごたごたしたけど、なんとまだ午前中!

 てことで、部屋で着替えてビーチに降りてきました!!


「海、すげー」

 何度も言うけど、マジでここ日本!?

 水がきれい! すげぇ透き通ってる! こんな海、海外じゃないと無理だと思ってた!


「しかも静かだし」

 聞こえるのは波の音に蝉の声といった、シンプルな夏の音ばかり。

 うちの近所じゃ絶対にこんなの無理だ。もっと人が多い。車だって。


「……」

 ビーチサンダルとの間で転がる砂利の感触。足の甲にまとわりつく砂の粘っこさ。

 立ってるだけで噴き出る汗に、日の光を抱え込みながら崩れ落ちる波。

 ここに、夏がある。



「お待たせー!」

「──」


 心の中でガッツポーズ。

 ビーチに降り立った夏希姉ちゃんの水着姿に、夏に感謝したくなった。


「暑いねー。わ、やっぱり海きれい!」

「ね」

 あ、やばい。普段どう接してるのかわからなくなった。

 いやだって、無理じゃない!? こんなの!!


「んー! 気持ちいいー!!」

 ぐーっと伸びをする夏希姉ちゃん。

「……」


 いや、そりゃあね。俺だって妄想したよ? 義姉さんたちがどんな水着を着てくるのかって、そりゃ考えたさ。ていうか、佑樹から電話来たし。『絶対写真を撮れ』って。迫真のやつが。


 だが残念だったな、佑樹。俺は絶対に写真を撮らない。


 こんな夏希姉ちゃんの姿を、他の誰かに見られるような真似、するわけないだろ!?


 だって、黒だぞ!?

 黒の水着だぞ!? 夏希姉ちゃんが!!

 なんかすげー大人っぽい。もっと違う感じだと思ってただけに、尚更そう感じる。


「春斗、ちょっとお肉ついてる?」

「ちょ、『姉ちゃん』!?」

「あはは。慌てすぎー!」

「あれだから、試験太りだから」

「大丈夫。太ってるわけじゃないから。むしろ今までが痩せ過ぎ? ……ねえ、春斗。旅行から帰ったら、もっとちゃんとご飯作るからね!」

「そんなことされたら、それこそ太るって」

「そっか! それもそうだね!」

 そう言って笑う夏希姉ちゃんの笑顔が眩し過ぎて直視出来ません!!



「二人とも早いね~」

「秋奈姉さん! 砂浜、熱いよー!」

「うわ~、ほんとだ~。はる君、おんぶして~」

「それ、ずっとおんぶしてなきゃいけなくなるじゃん」

 ていうか、今の恰好でおんぶとか、ある種の拷問だからね!?

 普段は服着てるからあれだけど、お互い裸一歩手前みたいなもんだって認識して!!


「わ~、砂利がじゃりじゃりする~」

 そしておっぱいがぷるぷるしてる。

 や、大きいのは知ってたけど、水着だとまたこう視覚的な破壊力がね、すごいよね。


「秋奈姉さんの水着、かわいいね!」

「なっちゃんのもかわいいよ~。はる君は普通~」

「こういうデザインのしか売ってなかったんだから仕方ないだろ」

 大体、俺の水着姿に何を期待したのさ!?



「夏だね~」

「うん!」

「暑いよね~。谷間が蒸れちゃうよ~」

「!?」

 慌てて目を逸らす。そうせざるを得ない。

 だって秋ねえの肌、めちゃくちゃ白いし。さすが普段、部屋から出ないだけある。

 青色の水着がめちゃくちゃ映える。それとその、水着が小さいのかもしれないけど、なんだか布面積少なくない? 大丈夫? サイズ合ってる?


「う~ん。なんかきついよ~」

 やっぱり!?


「秋奈姉さん。それ、試着した?」

「してない~」

「だからだよ! どうするの?」

「我慢する~。他に人いないし~。見られる心配ないし~」

 俺としては、ちょっとは心配して欲しいんだけどね!

 ほらこう、ポロリ的なことになったら、困るのは俺だし!!


「すみません。遅くなりました」

「とーかちゃん、早く~」

「わっ。熱いですね」

 みんな揃って、とりあえず砂の熱さに驚く辺り、似た者家族なんだろうか。



「日差しが眩しいですね」

「冬華姉さん。帽子いいなぁ」

「言ってくれれば、夏希の分も用意しましたよ」

「とーかちゃん、おんぶ~」

「秋奈。暑いんですから、あんまりくっつかないでください」

 何か今、ものすごい贅沢な時間を過ごしている気がする。

 美人三姉妹の水着姿を独占。

 なんだこれ。俺、この旅行が終わったら死ぬんじゃなかろうか?


「春斗君。日焼けには気を付けてくださいね。お風呂入った時にヒリヒリしますよ」

「冬華姉さんこそ。ちゃんと日焼け止め塗った?」

「あ、お姉ちゃんをばかにしましたね? ちゃーんと塗ってますよ」

「でも~、塗りムラあるよ~」

「え、どこですか?」

「ここ!」

「ひゃう!? 夏希ッ!!」

「あははー!」

 笑顔で逃げる夏希姉ちゃんを追いかける冬華姉さん。

 見てるだけで幸せになる光景がそこにはあった。

 そして、夏希姉ちゃんと秋ねえの水着を見た俺は思う。

 冬華姉さんは、赤か、と。


 いやね、夏希姉ちゃんの水着にも驚いたよ?

 そんな大人っぽいの着るんだって。

 でも、冬華姉さんのも驚きだ。

 まさか一番派手な水着を着てるのが冬華姉さんなんて、誰が予想するよ。



「はる君~? 目がエッチだよ~?」

「うわ!? あ、秋ねえ!?」

「私たちの水着を見て~、ドキドキしちゃった~?」

「……否定はしない」

 いや、普通にしてるけどね!? ドキドキ!

 でも、それをそのまま言うのも癪じゃん!!


「ふふ。よかった~」

「え?」

「はる君に見向きもされないのが一番やだもん~。ドキドキしてくれて~、よかった~」

「……ッ」

 その物言いはずるくないですかね!?


「春斗! 秋奈姉さん! 早く来なよー!」

「水が冷たくて気持ちいいですよ!」

 波際から夏希姉ちゃんと冬華姉さんの呼ぶ声がする。


「秋ねえ、行こう」

「行こ~。だからおんぶ~」

「しないって言ってるだろ!!」


 さあ、これから家族旅行を満喫するぞ!!


37話までは毎日20時投稿です

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