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義姉たちが全員重度のブラコンだった。  作者: 個味キノ/藤宮カズキ
共通ルート 第一部
22/51

義姉たちとのお昼休憩

22話投稿です!

次話ぐらいまで体育祭回となりそうです。


「屋上は静かでいいですね」

「すご~い、人がアリみたい~」

秋奈(あきな)姉さん。落ちないように気を付けてね!」

「目の前の光景にツッコむまでもないなって思ってる辺り、感覚がマヒしてるのはわかる……」

 午前中のバカ騒ぎの数々がこんな影響を及ぼすとは。


 あれに慣れてしまったら色々とダメなのだけはわかる。


「ていうか、よく屋上に入れたね。普段は立ち入り禁止なのに」

「教師特権です」

 ただの職権乱用だと思う。


「はい! 準備出来たよ!」

「お昼だ~」

春斗(はると)君。午後も競技はありますからね。しっかり食べてください」

「……そうする」

 午前中は競技以外のことで疲れたけど。



「……落ち着く」

 さっきまでの騒ぎが嘘のように爽やかな風が抜けていく。

 目の前には、これぞ体育祭と言わんばかりの弁当。朝からこれだけの準備をするんだから、夏希(なつき)姉ちゃんには頭が上がらない。


「はい、春斗の分! いっぱい食べてね!!」

「ありがとう。夏希姉ちゃん」

 手渡された紙皿にはたくさんのおかずとおにぎりが乗っている。


「はる君。あ~ん」

「春斗君。こっちにもありますよ。あ~ん」

「あ、二人とも隣に座ってるからってズルい!! 手が届かない! どうしよう!?」

 なんて夏希姉ちゃんは騒ぐけど、午前中の騒々しさに比べればこんなのそよ風みたいなものだ。


「義姉さんたち、ありがとう。でも、ちゃんと自分で食べるから」

 ほらね?

 こんな余裕の対応が出来てしまう。


「そうですか。では飲み物を口移しで。……んー」

「それじゃあ~、私はポテトを口移し~。……ん~」

「ああ!? 私も! 私も口移ししたい!!」

「さすがにそれはツッコむわ!!」

 そよ風かと思ってたら暴風じゃねぇか!!

 いきなり風速をぶち上げるんじゃない!!



「春斗! 食事中に立っちゃダメでしょ!!」

「立ち上がらせるようなことしてる人が何言ってんのさ!!」

 俺だってゆっくり食べたいっての!


「はる君~、食事中に騒いじゃダメだよ~」

 先にはしゃいだのは誰さ!?

「そうですよ、春斗君。それにあんまり騒ぐと、バレて屋上を追い出されてしまいます」

 やっぱり職権乱用なんじゃないか!

 俺だって昼飯ぐらい静かに食べたいっての!!


「毎年思いますが、やはりこういうイベント事は賑やかでいいですね」

 お、話題変わった?

「わかるな~。懐かし過ぎて制服着ちゃったし~」

 秋ねえのそれはやり過ぎだと思うんだ。


「ていうか、今更だけど、それは問題ないの?」

「私の制服~?」

 頷く。


「とーかちゃん、わかる~?」

「そうですね。在校生には着用義務がありますが、卒業生に服装をどうしろと言えるわけでもありませんので、TPOを弁えていればいいのではないでしょうか?」

「問題ないって~」

 え、今のは自重しろって言ったんじゃないの?


「あ~、でもちょっときつくなったんだよね~」

「そりゃあれだけ食っちゃ寝してれば、そうなるよ」

 これを機に生活態度を見直してもらえると嬉しい。



「お腹周りは大丈夫~。きつくなったのは、胸だから~」


 ッ!?

 お茶を吹き出さずに堪えた俺を誰か褒めてくれ。


「え、秋奈姉ちゃんってまだ成長してるの!?」

 夏希姉ちゃんの驚きっぷりには同意しかない。

「秋奈。冗談ですよね……?」

 冬華(とうか)姉さんまで目を見張っている。

 でも仕方がない。秋ねえの胸は、三姉妹の中でも随一の大きさを誇るのだから。


「ね~、困っちゃうよね~」

 いやいや秋ねえ、空気読んで。

 夏希姉ちゃんも冬華姉さんもそんな呑気な眼差ししてないから!!


「秋奈姉さん。一体何を食べればそんなことになるの!?」

「ん~? なっちゃんの手料理かな~」

「嘘だッ!? だったらどうして私の胸はおっきくならないの!?」

「……才能~?」

 すげえ。胸囲って才能だったんだ。


 あ、夏希姉ちゃんが肩落とした。


「寝る子は育つ。そういうことでしょうか」

 冬華姉さんの言う通り、それが一番説得力ありそう。

「え~、そんなに寝てないよ~」

 いやいや、十分寝てるから!

 あんた自分が普段どれだけ寝てるか自覚ある!?


「私ももっと午後の授業を自習にしてお昼寝時間を確保すれば、すぐに秋奈ぐらいの大きさにはなるのでしょうか?」

「そんなことを真顔で聞かないでください」

 ていうか、そんなことのために授業を放棄しないでくれません?


 あなた仮にも教師でしょ?


「あ~。あったあった~。胸が大きくなる理由~」

「聞かせてください」

「教えて!!」

 すごい食いつきっぷり。胸の大きさってそんなに気になるものなんだ。



「はる君を~、ぎゅ~ってしてるからだよ~」


 …………なんて?



「ほら~、はる君を抱きしめると~、ぽかぽか~ってするでしょ~? これってきっと愛だと思うんだよね~。だから~、私のおっぱいが大きいのは~、はる君への愛に溢れてるからだよ~」

 秋ねえ。そうやって言ってくれるのは嬉しいよ?

 俺も何だかんだ言いつつ秋ねえに抱きしめられるのは好きだよ?

 でもさ、もうちょっと発言は時と場所と、そして相手を考えようか。


「春斗君。姉さんがぎゅーってしてあげましょう」

「春斗! ご飯はまた後でね!! 疲れただろうから、ぎゅってしてあげる!!」

「待って待って危ないからッ!!」

 頼むからいきなり抱き着かないで!

 バランスが! 倒れるから!!


「も~、なっちゃんってば~。自分で作ったからって食べ物を雑に扱っちゃダメだよ~」

「大丈夫! ちゃんと避けてから春斗に抱き着いたから!!」

 いや、そういうことじゃなくてね!?

 ていうか、秋ねえもこんな時だけ真っ当なことを言って他人事のように振舞わないで!!


「はる君~。からあげ美味しいよ~」

 俺だって食べたいよ!!



23話は21日(木)の20時予定です。

ズレたら申し訳ありません……!

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