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義姉たちが全員重度のブラコンだった。  作者: 個味キノ/藤宮カズキ
共通ルート 第一部
19/51

冬華姉さんとの仲は学校公認……?

19話投稿です!


春斗(はると)君ッ!」

冬華(とうか)姉さん?」

「やっと見つけました。来てください!」

「え、ちょ、何!?」

 せっかく応援席に戻る決意が固まったのに!


「そんなに強く引っ張らないで。歩きにくいって!」

「ああ、すみません。ですが、大分出遅れてしまいましたので」

「どういうこと? って、借り物競争?」

「はい。教師メインのイベント競技です」

 あー。なんか中学の時もあったな、そういうの。


 校長先生とかがすげー一生懸命走ってたの覚えてる。


「で、なんで俺が?」

「はい。私のお題が『男子生徒』だったものですから。春斗君を探していたら時間がかかってしまいました。あんなところで何をしていたのですか?」

 秋ねえを応援席に送り届けてました。

 ついでに、怨念が渦巻く応援席に戻る覚悟を固めてました。


「ていうか、『男子生徒』なら俺じゃなくても良かったんじゃない?」

 こうやって冬華姉さんに手を繋いで貰いたい生徒なら、そこらへんにいるし。

 例えばほら、応援席で俺への敵意をむき出しにしてる我が親友とか。


「そうですね。ですが、春斗君も『男子生徒』ですし」

「ああ、うん。そりゃそうだけど」

 これで俺が『女子生徒』だったら驚きだ。



「誰でもいいなら、私は春斗君がいいです」



 何そのセリフ。ズルくね?

 そんな風に言われたら、文句なんてひとつも言えなくなるじゃん。


「? 春斗君、どうかしましたか?」

「どうもしない。しないからとりあえずゴールまで行こう」

 ヤバい。こっ恥ずかしくて冬華姉さんの顔が真っすぐに見れない。

 全校生徒の前で義姉に手を引かれてる現状よりも、冬華姉さんのセリフの方が照れくさい。



「春斗君、ゴールです」

「ああ、うん」

 パンッ、と鳴るピストル。


『最後にゴールしたのは俺がファンクラブを結成した、我が校が誇る美人教師、志木冬華先生!! お題を探すのに手間取っていたようですが、果たしてどんな難解なものだったのでしょうか!?』

 実況さん、結構ノリノリですね!?

 ていうか、ファンクラブって何!?



『さあ志木先生、お題を読み上げてください! もし違っていたらバケツに入った氷水をかぶってもらいます!!』

 いやいや、冬華姉さんに何させる気!?

 そこで濡れネズミになってる体育の先生とは違って、冬華姉さんは女子だぞ!!



『おおーっと、会場中からひしひしと感じるのは、男子達の期待かあああ!? 見たいか!? お前ら見たいか!? 志木先生の濡れ透けを見たいのかーッ!?』

 オオオオオッ、とか野太い声を上げてるのは誰だ!?

 ていうか、煽るなよ実況も!!



『わかる。わかるぞお前らの気持ちは!! 俺も見たい!! すごい見たい!! 今のランニングスタイルもいいが!! 太ももに張り付くぴっちり具合も最高だが!! しかし見たい!! 濡れ透けをッッッ!!!』

 おいこら、誰かこの実況を黙らせろ。

 欲望に忠実過ぎんだろ!!!


『さあ、お題は!! 志木先生のお題は何だ!!!』


「『男子生徒』です」


 冬華姉さんの一言で熱狂が静まり返る。

 そして次の瞬間には、



『会場にこだまするのは、全男子たちの哀切の嘆き!! またか!? またなのか!? 我々のッ、高校生男子の夢である美人教師との禁断の青春はッ、またも志木春斗に持っていかれたあああああッッッ!!!! 俺も志木先生との関係を噂されてえええええええッッッ!!!!』


「何をシャウトしてんだよ!?」

 しかもそこら中から同意の声が上がってるし。


『だがしかぁし!! 落ち着け同志たちよ!!! 我がファンクラブ鉄の掟を忘れるな!! 第一条!!

 《志木先生の幸せは何物にも優先される》!!! 

我らは志木先生の幸せを願う者ッ。それが、それが例え……ッ、自分とは別の誰かが相手であってもだああああああああッッッ!!!!』

 実況席を私物化してんじゃねえ!!

 え、てか待って。俺と冬華姉さんってそういう認識されてるの?


「春斗君、どうしましょう。私たちを公認の関係だとみんなが言ってます」

 いやいや、誰も言ってないからね、そんなこと!!


「ていうか、冬華姉さん。マイク……」

「……? ああ」

 ああ、じゃなくて!!

 ほら、今の一言も全校放送になっちゃってるし!!



「申し訳ありません、みなさん。今の発言は忘れてください。私と春斗君は普通の義姉と義弟です」



『俺もそのセリフ言われてえええええええええええええええッッッ!!!!』

 やかましいぞ、実況!!


「冬華姉さん。逃げた方がいい」

「恋のランデブーですか?」

「ただの逃走だよ!!」

 そういうこと言うから、こうなるんだろ!?


『志木春斗おおおおおおおおおお!!!! お前のことをッ、お義兄さんと呼ばせてくれえええええええええええッッッ!!!!!』


 嫌だよ!!!!


20話は週末にはアップ予定です!

夏希のお話になります!  体育祭編もあと僅か!

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「……? ああ」 凹凸なさすぎてワロタ
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