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義姉たちが全員重度のブラコンだった。  作者: 個味キノ/藤宮カズキ
共通ルート 第一部
12/51

義姉たちとは過去に何かあったようです。

大変遅れてしまい、申し訳ありません!

義姉たちとの謎(?)に少しだけ触れる回になってます。

 

「私がいっちばーん!!」

「一回差でしょ~?」

「たまたまですよ」

「でもでも、春斗(はると)が一番『姉ちゃん』って呼んだのは私だよ! ね、春斗?」

 あー、はい。そうですね。


「む、何その不服そうな顔」

「そんなのリビングに貼り出されたら、普通そうなるよね!?」


 冬華(とうか)姉さん命名。『何回姉ちゃんと呼ばれたか表』

 くそダッサいネーミングのそれが、志木(しき)家のリビングには貼りだされている。


「今更だけど、何そのサイズ!?」

「A1だよ~。大学で印刷してきた~」

「そんなことのためだけに大学行かないで!」

「え~、もっと褒めてよ~」

 だったらもうちょっとまともな理由で大学に行ってくださいッ。



「わかりやすくていいと思いますが、春斗君は何が不満なのですか?」

「俺の羞恥心に何の遠慮もないことだねッ!」

 テレビ見てようが、飯食ってようが、それが視界に入ってくるんですけど!?

 罰ゲームでしかない……。


「まあまあ、そんな照れなくていいよ。春斗からの愛はちゃ~んと、受け取ってるから!」

「先に俺の言葉を受け止めて!」

 あと気持ちも! お願いだから!



「えへへ~、春斗からの愛が一番多いよぉ。嬉しい!」

 夏希(なつき)姉ちゃんはそうだろうね。

 でもさ、頼むからホントに俺にも配慮して。

 せめて、ハート形のシールで回数を表すのをやめて。それめっちゃ恥ずかしいからね!?



「ま~、まだ時間はあるしね~」

「ええ、挽回は可能です」

「このまま独走するよ!」

 そんなにやる気見せなくていいから。

 ていうか、もうやめようよ、それ……。


「ですが、もうして春斗君に『姉ちゃん』と呼ばれると昔を思い出しますね」

「そうだね~」

「懐かしい!」

「え、みんなをそんな呼び方したことあったっけ?」

 親父が再婚してからこっち、いつもの呼び方しかしたことないよね?



「春斗君は覚えていなくてもしかたありません。本当に昔のことですから」

「でも~、私はちゃんと覚えてるよ~」

「私も! ていうか、忘れられないよね」

「待って。みんないつの話してるの? 俺、そんな記憶ないんだけど?」



「それは秘密です」

「ちゃんと自分で思い出してほしいしね~」

「でも、思い出せなくても春斗のことはちゃんと好きだから大丈夫だよ!」



 ていうか、え、何。

 この『姉ちゃん』呼びって意味があったの?

 ただの遊びか、俺への高度な嫌がらせだと思ってたんだけど。


「俺って、前にみんなに会った事あるの?」


「秘密です」

「内緒~」

「教えられなーい」


 いやいや、そんなこと言われたら気になるって。

「いいじゃん、教えてくれたって」



「そこは乙女心をくみ取ってください」

 何その、冬華姉さんらしからぬセリフ。



「思い出って大事だよね~」

 だからその意味深なセリフは何なの秋ねえ!!



「大丈夫だよ、春斗!」

 大丈夫って何が!? もったいぶらずに夏希姉ちゃんが教えてくれればいいじゃん!!



「大事な記憶だからね~」

「例え春斗君でも、安易に教えられません」

「思い出せなくても問題ないからね!」

 こんなときだけ姉妹の絆を強くしないでくれない!?


「そんなことより~、はるくんは私と何したい~?」

「私もそれは聞きたいですね」

「普通のデートと制服デート。春斗はどっちがしたい?」

「強引に話変えすぎじゃない!?」

 もうちょっとちゃんと聞かせてよ!


「過去より今だよ、春斗!」

「過去も大事だと思うよ!?」


「変えられないことにこだわっても仕方ありません」

「ただ事実を知りたいだけなんだけど!?」


「私たちがちゃ~んと覚えてるから平気だよ~」

「出来れば俺にも共有してくれない!?」



 え、何。なんでそんな頑なに教えたがらないの?



「そうですね。私たちは昔から変わらず春斗君のことが好きなんですよ」

「今と同じぐらい、ずっと春斗が好きなんだよ!」

「はるくんへの愛は変わらないよ~」

 そう言ってくれるのは嬉しいけど!

 みんなみたいな美人から好かれるのは嬉しいけど!

 なんか納得出来ないからね!?



「そうですね。いつかちゃんと話します」

「やっぱりシチュエーションって大事だしね~」

「思い出話はロマンスと共に!」

 別にいらないと思うよ!?

 普通に雑談でいいじゃん。

 どうせしょうもない過去なんだからさ!



「簡単ですよ、春斗君。思い出を知りたい人のことを、一番たくさん『姉ちゃん』と呼べばいいだけなんですから」

 また、冬華姉さんはそうやって余計なことを言う!


「はるくんとの思い出は、とっても大切なんだよね~」

「私、春斗とのことは誰にも話したことないな。大事だから」

 ほらー、秋ねえも夏希姉ちゃんも気になるようなこと言い出したー。

 どうしてくれんの、一体!?


「春斗君との思い出があったから、私は先生になったんですよ」

「あの時のはるくんも、かっこよかったよ~」

「あれがあったから、春斗との再会はとっても嬉しかったんだよ!」


 気になりすぎるから、今すぐ教えて頼むから!


次話(13話)は明日の20時投稿予定です!

既に予約投稿してあるのでお待ちいただければと思います!

また、17話まではほぼ毎日投稿できるかと思いますので、お暇な時に見ていただけるとありがたいです……!

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