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義姉たちが全員重度のブラコンだった。  作者: 個味キノ/藤宮カズキ
共通ルート 第一部
11/51

秋ねえの癒し力は色んな意味ですごいです

11話投稿です!

 

「は~る~くん」

「うわ!?」

「あはは~、びっくりしすぎ~」

「集中してるのにいきなり抱き着かれたら、こうなるからね!?」

 ていうか秋ねえ、いつもいつも勝手に部屋に入ってくるのやめない?



「ん~? 勉強? 真面目だね~」

「そう言うなら邪魔しないで欲しいんだけど?」

「あ、はるくん。ここ間違ってるよ~」

「え」

 あ、ホントだ。


「どれどれ~。他は合ってるかな~?」

「いや、あんまり覗き込まないで欲しいんだけど……」

「え~、なんで~?」

「ケアレスミスって恥ずかしいじゃん」


 それと秋ねえの豊かなお胸が当たってるからですね。

 相変わらず自覚ないな、この人。



「すごいね~、はるくん。間違いがさっきの一個しかないよ~」

「まあ、今日習ったばかりのとこだし。ていうか、秋ねえって勉強できるんだ」

 すごい意外。いつものだらけきった姿からはまるで想像できない。


「わたし、これでも優秀なんだよ~」

「だったら、その優秀さを普段から見せてください」

「も~、はるくんがかわいくない~。こうしてやる~」

 って、ちょ!?


「勉強終了~。晩御飯までは休憩~で~す。──というこで、ベッドにダ~イブ」

「だから危ないってば!?」

 いつもいつも、なんだって秋ねえはこんなに上手く俺をベッドに引きずり込むんだ。

 やっぱりなんかやってるよね!? 実はプロレスが趣味だったりしない!?


「う~ん、お布団は気持ちいいね~」

 秋ねえのおっぱいもね。


 ていうか、ホントにこの抱きしめ癖、なんとかならない? 

 本当にッ、そろそろッ、間違いが起こってもおかしくないからね!?


「はるくんはえらいね~」

「なにさ、いきなり」


 秋ねえと一緒にいるかなぜか抱きしめられるこの現象に名前を付けたい。


「うん? そう思っただけ~。いつも頑張ってるし~」

 なでなで~、なんて頭を撫でられると、色んなことがどうでもよくなる。

 相変わらず破格の癒し力──ッ。


「特別なことなんて何もしてないけどね、俺は」

「あはは~。いいんだよ~、特別じゃなくても。だって~、普通にしてるのだって頑張らなきゃいけないから、疲れちゃうでしょ~?」

「そういうもんかな」

「そうそう~。頑張ってるんだよ~、ちゃんと。だから~、えらいえらい~」

 なにこの義姉。ダメ人間製造機?


 こんなんされたら、本当に何もする気起きなくなるって。


「あ~、こら~。ちゃんと抱きしめさせて~」

 いやいや、これ以上秋ねえに抱きしめられてたら、本当にダメになるから!!


 なんかこう、魂がふやけそうになる。


「秋ねえはなんでそんなに俺を抱きしめたがるのさ」


「はるくんが好きだからだよ~」

 ぐっ、またこの義姉はそんなこと言って。


「はるくんはわたしのこと好き~?」

 この体勢でそれを聞くのはズルくないですかね!?

「そりゃ、まあ。じゃなきゃこんなことしないし」

「ふふふ~。ぎゅ~~~」

 だーかーらー、それをやめてって!!


 足! 足を絡めてこないで!!


「ねえねえ、はるくん。わたしのこと『姉ちゃん』って呼んで~?」

「やっぱりそのルールは生きてるんだ……」

 学校での夏希姉ちゃんや冬華姉さんと言い、なんでそんなルールを健気に守るんだよ。


「秋ねえ」

「む。『姉ちゃん』だよ~?」

「秋ねえが放してくれたら呼んでもいいよ」

「え~、はるくんのいじわる~」

 いやいや、秋ねえの方がよっぽでいじわるだからね!?


 俺の理性を弄んで楽しい!?


「究極の二択ってやつだ~」

「ただのサービス問題だから!」

 ていうか、問題にすらなってないと思います!!


「はるくんが『姉ちゃん』って呼んでくれたら放すよ~」

「秋ねえが放してくれたら、呼ぶよ」

「一回だけでいいんだよ~?」

「ちょっと腕の力を緩めるだけじゃん」

 ……もうこの状況がイチャついてるだけってツッコミはなしで頼む。

 わかってるから、ちゃんと自分の状況はわかってるから──ッ!!


「むむ~、はるくんの意地っ張り~」

「秋ねえだって」

 なんで余計に腕の力を強くするんですかね?

 そういうのは自分の胸の破壊力を自覚してからやってくれません?

 ていか、今日もノーブラですよね? ホントに自覚してくれません?


「晩御飯までの時間だけでもダメ~?」

「一時間近くもこのままでいろと……?」

 秋ねえは俺がそこまで理性的だと思ってるんですか?

 普通に無理だからね!?


「大体、なんでそんなことにこだわるのさ」

「だって~、『姉ちゃん』ってたくさん呼んでもらえたら、はるくんともっと一緒にいられるんだも~ん」

 も~んって、子どもかあんたは。


「そんなことしなくても、いつも一緒にいるじゃん」

 秋ねえに至っては、常に抱き着いてくるし。

 これ以上、何を望むのさ。

「もっと一緒にいたいの~。自分へのご褒美だよ~」

 お気楽大学生が仕事に疲れたOLみたいなこと言ってんじゃねえ。


「じゃ~あ~、はるくんの好きなもの、なんでも買ってあげるから~」

「俺をいくつだと思ってるのさ……」

 そんな子どもじみた釣り針で釣れると思ってるんですかね?

 あんまり安く見ないで貰えません!?


「ほんとだよ~? わたし、これでもお金持ってるんだから~」

「はいはい。そうだね、秋ねえはお金持ちだね」

 日がな一日家でゴロゴロしてるだけの人が何言ってるんだか。


「む。信じてないでしょ~?」

「そんなことないよ。信じてる信じてる。ほら、秋ねえ。いい加減放してってば」

「あ~、もうちょっと~」

「もうダメ。ほら、秋ねえもベッドから降りて」

 じゃないとまた夜、寝れなくなりますし。


 秋ねえの匂いが染みついたベッドは、それはそれは大変でした。

 ええもう、色んな意味で。


「む~」

「むくれてないで降りてって、『姉ちゃん』」

「あ。えへへ~」

 あー、めっちゃ嬉しそうな顔。

 我が義姉ながら、安いもんだ。


「ね~ね~、はるくん。もう一回~」

「ベッドから降りたらね」

「降りた~。降りたよ、はるく~ん」

 ……今更だけど、この人本当に俺の義姉なんだよな?

 これじゃあ、どっちが年上かわかんないよ!?


「さすが『姉ちゃん』だ」

「えへへ~。はるくんに褒められた~」

 くっそ。これはこれで可愛いと思えてしまうのがくやしい。

 ふにゃふにゃした顔しやがって──ッ。



 結局、夕飯までの一時間ほどで秋ねえにねだられるままに、『姉ちゃん』と呼び続けるのだった。

 なんかあれ。大型の犬をあやしてるみたいな感じだった。ぶっちゃけ俺も癒された。


12話はなんとか今週中に…!

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