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第3回 悪女気取り・麗子 「モテて困っちゃう・・・(この国では!!)」

麗子は冴えない自分の生活を変えたいと毎日悶々としていた。そんなある日、会社の同僚とたまたま行った英国旅行でモデルのようなハンサムな男性から声をかけられる。麗子はふと自分の人生を振り返る。名前と違い地味な顔立ちの彼女は今までに男性から声をかけられたことが無いに等しかったのだ。旅行から戻ったその後も、夢のような英国でのひと時を忘れることが出来ず、気付くと麗子は会社を辞めて貯金を下ろし学生ビザで渡英していた。

渡英後の麗子は語学学校にも行かず昼間は日本食レストランでアルバイトをし、夜にはクラブへと繰り出した。日本では決して穿くことは無かった短かめのスカートで踊れば、可愛い男の子達が腰を摺り寄せ麗子に近づいてくる。「実は私、いい女だったのね。」彼女は今まで持てなかった自信に満ちていた。待望の彼氏も出来たがクラブ通いは止められない。クラブで知り合った男の子と浮気をするたびに、罪悪感と同時にモテている自分に陶酔するのだ。

当初1年で帰国する予定だったが、ビザの終了日が近づくにつれて冴えない自分に戻ってしまう恐怖心が湧き起こり、ビザの延長申請を決断した。こうして麗子は英国リーガルエイリアンと化したのだ。


セントラルロンドンを歩くと驚くほどオリエンタルのおへちゃな女性とハンサムなヨーロピアン男性のカップルを見かける。大抵女性はわがまま放題に振る舞い女王様気取りである。日本では全くモテなそうな女性がこの国では驚くほどモテるのだ。私の友人にも麗子がいる。彼女はまさに『稲中卓球部』に出てきそうな女性で、鼻の穴などはマキバオーのようになっている。そんな彼女もこの国では行け行けノリノリで学生ビザを延長しながら今年でもう6年も英国に滞在している。


さてここで麗子の発生の原因を私なりに推測してみよう。

ヨーロピアン男性の美に対する意識:まず英国は肥満大国で日本ではちょっとオーバーウエイトでも、この国ではゴージャスになってしまうのだ。更に細い一重の目元もアジアンビューティーと解釈される。髪が健康的なら言うことはないってな具合だ。


ジャパ専現象:日本人女性はある意味ブランド化している。尽くす女性ヤマトナデシコのイメージがあるのか日本人のみとしか付き合わないというジャパニーズ専門こと、ジャパ専がロンドンには数多く居るのだ。彼らは口を揃えて「日本人はガヤガヤうるさい事を言わないのが良いね」・・・私の意見では日本人女性が英人女性より気が弱いのは確かだが、これはただ英語力が足りず言いたいことが言えていないだけのようにも思う。


自立性:本国で相当働いて貯金してから渡英する日本人はわがままに振舞っても最終的には金の掛からない、良い頼れる女性なのだ。


これらの要因から、日本では地味目な女性がこの国ではモテモテになってしまう。

そうして今日もリーガリアン麗子は自分がモテるこの国に残るために必死に学生ビザにしがみ付くのである。


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