第1回 いざロンドンへ
私が渡英して早いもので5年がたった。英語も中学レベルをやっとこさパスしただけの私は、毎日何が起こっているのか分からないままに”流されるように”ロンドンに住み着いたのだった。が、しかーし、そんな私も今では海外生活がスッカリ板に付き、色々な人たちと交流を持っているではないか(人生どうにかなっちゃうものだね)。このコラムでは私も含む英国に住む外国人の実態やこの国の文化について語っていきたいと思う。
さて、まず初回である今回はどのようにリーガルエイリアン(後述リーガリアン)がこの国で出来上がるかをお伝えしたい。個々のシチュエーションによって、もちろん渡英の理由は様々だと思う。しかし、この国に定着していく日本人リーガリアン達には共有点がある気がするのだ。かく言う私も定着組だが、私にとってこの国は非常に楽。そして他の定着組にとってもそうに違いない。何処が楽なのかって?それは自分を隠す必要がないところである。基本的に日本人リーガリアンは本国日本でチョッピリはみ出し者的な存在なことが多分にあると私は思っている。
ここで私を例に挙げて真面目な日本人サラリーマンがリーガリアンになった過程を見ていこう。
24歳 住宅メーカーで設計を行う。
もっと内装のデザインに特化したいと転職を考える。
25歳 海外で修行すれば日本で転職しやすいかと思い渡英。 (1年限定のビザ)
英語も話せず、もちろん新しく働く場所も見つからない私。
浮雲のような生活に焦りを感じつつ、職探しに全力を尽くす。
半年が経過し、6ヶ月しかないビザでは職探しは難しいと、3年以上居る約束で、とある会社にビザを出してもらい就職。
(実はこの頃は英国定住は微塵も考えていない)
27歳 この国に恋人が出来(私の場合はここが最も大きな理由)、ずるずると英国に居座る。
そうなのである。日本では偏屈な私でも、この国ではちょっぴり変わった外国人程度ってもんで恋人が出来たのだ。
30歳 この年齢を越えると、日本社会に復帰する自信は最早なくしてしまう。
・・と立派な英国リーガリアンの誕生である。
私の場合は恋人出現が定着の大きな理由になっていると思う。他にも私の知り合いの女性陣では、日本の上司と折り合いが悪い型・外人のみが恋愛の対照型などなどを英国定着の理由として挙げている(それぞれ別の回に特集予定)。
さて、一度定着すると日本人とも英国人とも呼べない人種になることが多く、独特の世界をかもし出し始める。この独特な世界を持って、いっぱしのリーガリアンと呼べるのだ。
皆理由は違うものの、こうして今日も日本人リーガリアンが英国で誕生していくのである。




