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悪魔のサイレン
ウィリアムズは田舎の寒村の若者である。しかし父親から剣を習っていたため、冒険者として荒稼ぎするべく、最寄りの都市、ケンウッドに向かっている最中である。
「オークが1、2、3、数え切れない...こんなところで死ぬ事になるとはな。」
ウィリアムズが諦めかけたそのとき、上空を飛んで行く何かを見た気がした。
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「ルーデルから全機へ。相手は対空攻撃手段を持たない。躊躇わず突っ込め!」
急降下し、照準器をオークに合わせる。
「投下っ!」
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ウウウウウウウウウ...という聞き慣れない音がそこかしこで鳴り響く。その直後。
耳をつんざくような爆音と、爆風によってオークが焼き尽くされ、自分と馬車以外の全てが吹き飛ぶ。
その爆風を引き起こした飛行物体は、ケンウッドに向かって去って行った。