昨日と今日でそう簡単に変わってたまるものか
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ルーデル一行は戸惑っていた。何故なら、急降下中であった筈の自機、僚機が何の前触れも無く水平飛行している上、眼下には見覚えの無い風景が広がっていたからだ。
ルーデルたちは元々、ドイツ第三帝国の敗北を知り、連合軍に降伏するためドイツへと向かっていたのだ。
当然、戦争の影響で街は廃れ、戦闘の際に受けた傷跡がそこら中にある筈なのだが、そんな物は見受けられないし、ルーデル編隊の向かう先には、防壁に守られた市街地があった。
しかし、ここが何処かも分からない以上は安全の保証は無い。ルーデルは僚機に対地・対空警戒を共に厳重にするよう指示し、ふと地上に目をやった時だった。
民間人のものと思しき馬車が街へと向かう道路上に停止していた。
それだけなら何ともないのだが、周囲の状況が明らかに異常だ。
形こそ人間に似ているが、非常に巨大、豚に例えられる醜い顔。
そう、オークが数えきれないほど近くの森から現れ、馬車に襲いかからんとしていたのだ。
それを見たら後の判断は早かった。
「隊長から全機へ。地上の未確認生物...恐らくオークを排除、眼下の馬車及び民間人を援護せよ!」
ルーデルは何となく察していたが、この一件で異世界に来たという実感を得たルーデルは指示を出す。
異世界初戦闘の幕開けである。