第4話:悪とは、選ばれし存在か
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世界が、音を失った。
空に裂け目が浮かび、その中心から“それ”は現れた。
「――つまらない。正義も悪も、結局は感情の産物じゃないか」
女だった。
白と黒のコスチュームが混ざり合い、顔には仮面。
長く流れる銀髪が、ゆらりと風に舞う。
> 《コードネーム:「パンドラ」》
《ブレスレット種別:不明/異常》
《同期率:計測不能》
「私を呼び起こしたのは、あなたたち。そう、正義と悪の“共鳴”」
レナ(ナイトメアクロウ)と、ひより(ライトフェザー・セラフィム)は、言葉を失っていた。
「誰……なの……」
「私は“始まりの失敗”。ブレスリンク・システムの、原初の被験者よ」
パンドラは語る。
かつて、ブレスレットを開発した組織がいたこと。
善と悪、光と闇――全てはひとりの実験体から分離されたものだということ。
「つまり……!」
「ええ。あなたたちふたりの“始まり”は、私」
パンドラは、腕を上げる。
その手にあるのは、白と黒が絡み合ったブレスレット。
「だからもう、終わりにしましょう? この茶番を」
その瞬間、空が泣いた。雷が落ちるような一撃が、地面を裂く。
ひよりが庇うように立ちふさがり、レナを守った。
「なんで……私をかばうのよ」
「だって……あなたが、初めての“同期者”だったから」
その言葉に、レナの心に揺らぎが走る。
> 《緊急警告:ブレスレット同調領域が交差しています》
《可能性発生:二重リンク》
「まさか……ふたりの力が――」
「重なる!?」
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そのとき、光と闇のブレスレットが同時に反応した。
そして、ふたりの身体が、ひとつの輪郭を形づくっていく。
> 《新モード起動:リンク・ハイブリッド》
《フォーム名:「エクリプス・フェザー」》
《属性:光闇/飛翔/双心》
「これが……私たちの、力――!」
黄金と漆黒の羽根が交差する。
ふたりの意思がひとつになった新たなヒーローが、パンドラへと立ち向かう。
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▶ 次回予告:第5話「始まりの終わり、そして」
― パンドラとの激突が始まる。
記憶の中で明かされる“ブレスリンク”の真の役割。
そして、ふたりは“変身”の意味を問われる。