提示された第三の手段
「ありゃ、ガモさん」
「集会場の掲示板を見たんでこっちに来たんだが……、結局の所どういう話なのよ?」
「失礼ですが、こちらの方は?」
マネージャーの問いに、
「彼は蒲生伊作。我々"裏庭の科学者協会"の一人なんですじゃ」
「や、どうも」
「それでだな、……」
伊作は灰人からこれまでのいきさつを聞いた。
「良し!こいつ-と一瞬彼自身が乗ってきたトラックに視線を向けて-を持ち出して正解だったわい」
しばらく後、
「私を一体どうする気なのよーっ!」
「いやなに、サイボーグ化手術じゃて」
トラックのコンテナを改装して作ったサイボーグ手術室。
手術台にくくりつけられて叫ぶ少女に対して伊作は事もなげに言い放つ。
「本人が太平洋を一泳ぎで泳ぎ切れるようになればわざわざ乗り物を使わんでも良いと思うてな」
「って、どこをどうすればそういう発想になるのよーっ!」
「因みに、動力源は?」
マネージャーの疑問に対して、
「そりゃもちろん、泣く子も黙る『原子力』よ、ってあ゛」
「それじゃ意味ないでしょっ!」
「そんなこと言われても……。ったく、これだから近頃の若いもんは……」
「よっ、良くもそんなことが言えるわね!!!」
「若い衆が雁首そろえて何やってんじゃ」
手術室に濃紺色の三角帽子に濃紺色のローブを纏った、いかにも「老いた魔女」風の女性が入ってきた
「ありゃ、摩周ばあさん」