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それでも彼女に踏まれたい。  作者: おしぼり
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第一話「気になる、あの子」その3

 テレビを点ける。

 画面の左上には『9:03』と表示されていた。

 普段ならもうすでに職場で仕事をしている時間だが、今日は土曜日であり休日だ。

 テレビでは朝の情報番組がやっている。

 最近同じ内容のものばかりだ。


『悪の秘密結社 ブラックカンパニー』


 今から約一年前、突如現れたその言葉は日本を、いや世界を震撼させた。

 日本各地の主要都市7ヶ所同時に7人の怪人が出現した。

 身長は小さい者で160センチほど。大きい者でも2メートルと一般の成人とほぼ変わらないほどの大きさだったが、皆それぞれに異形の姿をしており圧倒的戦闘能力で街を破壊していった。

 街の警官ではまったく歯が立たず、自衛隊が出動してやっと撃退したほどだった。

 しかも自衛隊にも甚大な被害が出てしまっていた。

 政府は早急に対策会議を開き、対ブラックカンパニー用特殊部隊『アイボリー』を設立した。

 しかしそれからしばらくブラックカンパニーは鳴りを潜める。

 そして再度出現したのは年が明けてからだった。

 さらに先の7人のうち6人は姿を現さず、うち1人、自身をモンビージャと名乗る怪人がブラックシャーインという一様に全身真っ黒の姿をした怪人を多数引き連れてやってきた。

 特殊部隊アイボリーが出動し対応するも、その戦力は拮抗する。

 そこへまた新たな一団が現れる。


『バトル戦士エターナルファイブ』


 赤、青、黄、緑、ピンクの5色のスーツをそれぞれ身にまとった5人の戦士。

 彼らはブラックカンパニーが出現すると現れ、ブラックカンパニーを倒すと帰っていく。

 どこからやってくるのか。

 ブラックカンパニーと戦う以外の目的はあるのか。

 正体はいったい、、、

 全てが謎に包まれた彼らは、瞬く間にお茶の間の人気者になった。

 

 世間はエターナルファイブの話題で持ちきりになり、グッズも多数販売されるようになった。

 今見ている情報番組でも、またエターナルファイブがブラックカンパニーを倒したというニュースが流れていた。


「どうせなら、うちの会社を壊してくれればいいのに」


 ボソッとつぶやく。

 日々のストレスからそんな言葉がつい口から漏れ出てしまった。

 

「まあいいや。俺には関係ない話だ。それより何か腹減ったな」


 テレビを見ると時間は『10:15』になっていた。

 寝起きで頭が回らずボーとしていたら1時間も経ってしまっていたようだ。

 

「ちょっと出かけてくるか」


 テレビを消し、手早く身支度を済ませると部屋を出た。


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