第六話「届けるモノ、届ける人」その3
「ザーベーイさん。どうしてここに?」
「アナタを連れ戻しにきた、、、とか?」
「本気ですか?」
「また、エターナルファイブを助けるつもり?」
「いけませんか?」
「ならば、アナタを倒さなければいけなくなる」
ザーベーイさんが手をこちらに向けた瞬間に黒い光が走る。
とっさに横へと避ける。先ほどまで俺の立っていた場所が炸裂する。
「何を?」
そう言いながらも、ザーベーイさんが手を向けてから閃光が発生するまで若干の猶予があった気がすると感じた。
わざとなのか、あえてなのか。
それはわからないが、これは真剣に向き合わなければならないと俺は胸を抑え、心を高ぶらせ、その身をウーダッツへと変える。
「私がこの手で生み出したシャーチックを、この手で屠らなければならないとは」
そう言いながらザーベーイさんはまたその手から閃光を放つ。
それを俺は両腕でガードする。
「やはりまだ力が戻っていないか。だが、いつまで耐えられるかな」
連続して発せられるその光を浴びながら、俺はじっと耐える。
腕だけでなく全身に、重い衝撃を受ける。
今はなんとか耐えているがいつまでも持ちそうにない。
「やめて下さい。ザーベーイさん」
「わかっていただろう。こうなることは」
「それでも!」
俺はザーベーイさんの攻撃を受けながら、一歩ずつ前に進む。
そしてお互いの距離が少しずつ縮まる。
「俺は人類の味方でありたい」
「ならば私の敵だ!」
ザーベーイさんは閃光を放つのをやめると、一気に距離を詰め手刀を繰り出す。
俺はそれをギリギリでかわすとザーベーイさん目掛けてその手を振るがガードされる。
「さぁ私を倒すか?」
「それは、、、」
ザーベーイさんは俺の腕を弾くと蹴りを放つ。
俺はそれを後ろに飛び退き避けた。
「答えは二つに一つ。お前を倒すか私が倒されるかだ」
「俺は、少なくともアナタには倒されません」
きっと、たぶん、ザーベーイさんがそれを望んでいる気がしたから。
「ウーダッツよ。ブラックカンパニーはもうじき本来の力を取り戻すだろう。そうなったらお前に選択の余地はないぞ。それは覚えておけ」
「ザーベーイさん」
ザーベーイさんはそう言うとその姿を消した。
俺はその場に立ち尽くしてたが、離れた場所から聞こえる爆発音にハッとしそちらを見る。
そして俺はエターナルファイブと怪人が戦っている方へと向かった。