表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも彼女に踏まれたい。  作者: おしぼり
1/40

第一話「気になる、あの子」その1

「フッハッハッハッ! 人類よ、滅びよ!」


 男の高笑いと共に街が破壊されていく。

 いや男というよりはあまりにも異形の姿をしている。

 人の形はしているものの、身長は二メートルを超えており全身からトゲのようなものが隆起している。

 怪物やら怪人と呼ばれるような姿だ。

 しかしその怪人自体が破壊をしているわけではない。

 その怪人を取り巻くように十数人。全身黒い姿の怪人たちが街を破壊していく。

 商店を破壊し、停まっているクルマを破壊する。

 それを見た人々は、悲鳴を上げ逃げ惑う。

 そんな中、一人の女性が足がもつれて転んでしまう。

 その女性に馬乗りになる黒の怪人。

 怪人が腕を振り上げたその時、どこからともなく現れた赤い疾風に顔面を殴打され吹き飛んでしまう。

 

「大丈夫ですか?」

「はっはい。ありがとうございます」

 

 女性はそう言うと立ち上がり走り去る。

 突如現れた赤い姿の仮面の男は、怪人たちを見据える。


「そこまでだ、ブラックカンパニー! これ以上、お前たちの好きにはさせないぞ」

「現れたな。また我らのジャマをするか、レッドナックル!」


 トゲの怪人に合わせて、黒の怪人たちが赤い仮面の男を囲むように集まってくる。

 しかし男は動じない。そして両腕を広げポーズを決める。


「決して消えない正義の炎を抱き、悪の野望を打ち砕く。レッドナックル、参上」

「やってしまえ! ブラックシャーイン!」

「「「「シャーチック!」」」


 シャーチックという掛け声と共にレッドナックルに襲いかかるが、次々と倒されていく。

 

「そんなものかブラックカンパニー! そんなものかモンビージャ!」

「くそう、使えない奴らめ。ならばこれでもくらえ!」


 モンビージャと呼ばれたトゲの怪人は、巨大な体躯を駆使して強烈なパンチを繰り出す。


「うわっ」

 

 レッドナックルは両腕でガードするもそのまま吹き飛んでしまう。

 

「フッハッハッ、どうだレッドナックル。もうおしまいか?」


 何とか立ち上がるレッドナックル。


「こんなものでは正義の炎は潰えない。くらえ! ジャスティスファイアーナックル!」


 レッドナックルの拳に炎が纏い、一気に距離を詰めるとその拳をモンビージャに叩き込む。


「ぐっ。今日はこのくらいにしておいてやろう。さらばだ」


 そう言うと、モンビージャは闇の扉を開きその中へと消えていった。


「待て! くそ、逃げられたか」

 

 モンビージャが消えたその先には破壊された街が残されていた。

 黒の怪人、ブラックシャーインの姿もない。

 レッドナックルは怒りから震える己の拳を見つめていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ