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一なつの恋  作者: 環流 虹向
7/1
4/188

22:00

家に帰ってきたのは…、3日ぶりか?


下駄箱の上の埃を指で取ってみる。

…もう少し長いこと帰ってきてなかったらしい。


俺はそのまま、そばに置いてある埃取りで軽く埃をはたいて、家に帰ってきたら必ずやるルーティンをやっていく。


よし。いい感じに埃が取れたからOK。


今日履いてた靴を下駄箱に入れ、そのままカバンに入れていた数枚の服を洗濯する。


…そういえば、朝急いでたから風呂入ったかもどうか怪しいな。

俺はそのままシャワーを浴びてベッドと扇風機しか置いていない部屋で飲みかけのお茶を飲む。


携帯で時間を確認すると22時を過ぎた頃。


溜まってる通知からメッセージアプリを開くと、広告メッセージと親からのメッセージで上段が占領されてる。


いつも通りスルーをしてそのまま奏たちからメッセージが来てるか確認しようとすると、知らないアイコンが目につく。


『今度いつ会える?』


アイコンには自撮りの女の子が2人写っている。


…見たことねぇや。


しばらく記憶の引き出しを漁ったけど、どちらの顔もどこで出会ったのかも思い出せない。

とりあえず、今日寝ていた女ではないことは確か。


そのままスルーして奏たちのグループLINEを返信する。


明日はテスト明けのクラス会だから家に帰って早めに寝ようと思ったけど…、寂しいな。


電気を消してカーテンを開けると近く街灯が俺の部屋を照らす。


いつ見ても一番星しか見えないな。


この部屋からは年中星しか見えないつまらない部屋。

ちょうど部屋の真上を月が通っていくからベランダから体を乗り出さないと見えない。

角部屋1階で日当たりもいいけど、景色がつまらないのは嫌なんだよな。

まあ、あと半年くらいで出てくからそれまでの辛抱か。


俺は薄手のタオルケットに包まりながらアニメを見始める。


昔から好きな子ども忍者の成長期を何度も見返す。

内容も台詞も覚えるほど見たのに毎回新鮮な気持ちなのは俺がモノボケだからかもしれない。


こうやってたくさんの人が入り混じってるのを見るのは好きだけど、どうしても寂しくなる。


その場にいてこその空気感が俺は好き。


奏たちといるのも、姐さんのBARで呑むのも、CLUBで楽しむのも全部空気感が好きだから。


その空気感が俺を生かしてくれるんだけど、この家と実家に帰ると“人”がいないから寂しい。


やっぱりあいつに連絡しよう。


『今何してるの?』


俺は見覚えのないアイコンの子にメッセージを送って連絡を待っていると数分でレスが来た。


『今は友達と呑んでるよ。』


ふーん。呑める歳の子か。


『合流していい?』


『え!いいよ!住所送る!』


俺は起き上がって服を着替える。

多分、明日も泊まりだから服を持っていかないと。


俺は手際よく荷物をまとめて、送ってもらった住所までタクシーで向かう。


今日もまた俺はいつも通りを過ごした。




→ Mad Love

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