12:00
個人面談終了後、1時間程度で終わる終業式のために1人でカフェに行き時間を潰す。
その間、何度も夢衣と居候する予定の天からのメッセージを返し、若干疲れてきた所を学校に向かっている途中の将に見つかり一緒に一服することになった。
将「モテ男も大変なんだな。」
一「モテてない。」
将「そういう謙遜は好かれないぞー。」
笑いながら夢衣の話を聞く将。
あんまり、笑い事ではないけどそうしてもらえることで少し気持ちが楽になる。
将「まあ、いい男なんかそこら辺に落ちてる訳じゃないから頑張れ。」
一「いなくても、俺への依存を止めてくれればいい。」
将「1回別れたんだろ?出来るだろ。」
一「奏と海斗が間に入って強制的に引き剥がしてくれた感じだからなんとも言えない。」
将「わぁ…。愛だな。」
一「支配だよ。」
そうしないと俺が愛を伝えてくれないと思って夢衣は俺を拘束するんだ。
そんなことをしなくても俺は言い続けるのに…。
将「なんかそれ、カッコいいな。」
一「そんな呑気なもんじゃないだろ。」
将「一途に想ってくれる奴なんて珍しいぞ?」
一「そうでもないだろ。俺たちの周りに一途野郎いっぱいいるじゃん。」
将「“男”だろ?女はいなくね?」
一「そんな話するほど仲良い女いないし。」
将「女の恋愛物語はえぐいし、信用出来ねぇ。」
将はなにか嫌なことを思い出したかのように顔をしかめる。
一「この間、デート行ってた子は?」
将「デートしてる途中、何度も携帯いじるからこっそり覗いたらマッチングアプリ開いてて萎えた。」
一「なるほど。」
将「しかも駅で別れた後に次の男とデートしに行ってた。」
一「おぉ…。アクティブだな。」
将「俺は女にとって消耗品てことよ。いつも一生物になれない。」
将は今話した事よりも昔の恋愛を思い出したのか、落ち込んで目の前にあるレモンスカッシュを泡立たせる。
俺も何度も捨てられたから気持ちは分かる。
1番最初は親、2番目は音己ねぇ、次に同級生だった恋人、その間には俺の嘘で去っていった元友達。
いっぱいの人が俺のことを捨てていったよ。
俺は知り合いは多いけど友達は1桁しかいない。
将みたいに街で行き交う中、何度も違う友達に遭遇したりしない。
女には捨てられても、ちゃんと将のことを好きでいてくれる奴がたくさんいるんだからそんなに落ち込まなくたっていい。
一「今年の夏こそ、一生物見つけたいな。」
将「とりあえず、明と海でナンパ頑張ってくる。」
一「将の出会い方が一生物を遠ざけてるんじゃない?」
将「その場のいい女に話しかけなくて人生後悔したくない。」
女も女だけど、将の方にも少し問題点があるらしい。
そろそろ学校に向かおうと将は立ち上がり、空になったグラスを片付けてくれる。
将「そこ、滑ったから気をつけろ。」
と、カフェの入り口に置いてある鉄のスロープを飛び越えながら俺に教えてくれる。
まあ、こうやって気遣いが出来る奴だ。
いずれ、将のことをしっかり見てくれる子が現れる。
その間に将が擦れないように俺はちょっとしたアドバイスを教えた。
人の気持ちを蔑ろにする奴はロクな死に方しないって。
そういうと将は馬鹿笑いをしながらお礼を言い、普段の明るい将に戻る。
そんな切り替えの早い将も俺は好き。
俺たちは暑い日差しが照り付ける中、日差しを避けるために駆け足で学校に向かった。
→ 浮気は犯罪行為




