12:00
今日の朝飯はご馳走だったな。
作り手は音己ねぇだったけど、いい具合に焼けた半熟目玉焼きだったし、手作りのネギの味噌汁で白米があるいい朝飯。
これが姐さんだったら良かったのにな。
俺は目の前にやってきたハンバーガーとポテトを奏たちと一緒に食べ進める。
海斗「七夕伝説調べたんだけど、男がマヌケすぎるんだ。顔、どうしたい?バカ男か、芯なし男。」
明「七夕伝説ってどんなだっけー?」
口元にソースをつけっぱなしの明が携帯を取り出してネットで調べ、将が紙ナフキンでそのソースを拭き取った。
七夕伝説を簡単にまとめると、男が女の羽衣を盗み隠したままその女と夫婦となり、子供も作ったけど盗んだ事がばれて女は羽衣を使って天に帰宅。
それでも男は会いたくて女に会うための試練を受けるけれど、あと少しのところで自分に甘えて会えずじまい。
その試練の中でウリの大洪水で引き離されるも、あまりにも女が悲しむから1年に1度だけ会っていいという許しを親にもらった、一途だけど中途半端な男の話。
一「どの時代もそんな男いるんだな。」
奏「まあ、相当辛かったんじゃん?」
将「水なし炎天下はきついよな。」
明「俺だったら、わらじ余計に作る。」
海斗「話脱線してる。で、どっちにしたい?」
一「バカ顔は映えないから芯なしでいこう。」
みんなが俺の言葉に納得して海斗が携帯にその事をメモして、キャラの雰囲気を文字に起こしていく。
みんなその男のことをダメな奴だなぁと言って笑っていたけど、俺はその話を聞いて男に同情した。
だって、好きな人に会いたいなら1秒でも早くその人の元に行きたいと思う。
俺のことを好きと言ってくれる奴がいるなら、側にいたいと思うのが当たり前だと思う。
昔付き合った彼女たちは愛が重めと周りに言われたけど、俺にはただ嬉しい事だった。
周りを気にせず俺だけを見てくれるって最高な事なのに、なぜそれを重いと思うのかが分からない。
まあ、殺されかけたり、他の男に取られたり、引っ越して会えなくなったり、色々あって別れたんだけどその間は俺もその人たちのことが好きだった。
…好きでいてくれるから好きだったか。
俺は自分の嫌な感情を思い出して気分が下がる。
将「東京は夜に雨振るけど、地方は晴れるんだって。見に行くか?」
一「…なんの話?」
明「ちゃんと話聞いてー?」
奏「夜、俺たちで天の川を見に行こうかって話。」
海斗「本物見たらまた何かいいアイデアが生まれるかもしれないからな。」
久しぶりにみんなとドライブか。
絶対楽しい。
一「おー!行こう。」
明「じゃあ、海斗車よろしくー。」
海斗「本当、お前ら免許持てよ。」
海斗が呆れながら車をネットレンタルし始める。
一「ナイトサファリもしに行くか。」
俺は楽しい時間がもっと伸びるように他の場所も提案してみる。
明「楽しそう!行こう!」
星空が見えるスポットを検索しつつ、そのあとに寄る飯屋などを全員で探し放課後に備える。
男だらけで星を見に行くってなんだか変な感じもするが、こいつらとだったら何処へでも俺は行く。
だから誰も俺を置いて行かないでほしい。
中心にいられない俺だから振り落とされないようにしっかりと輪の芯を掴み、みんなの輪に入り込む。
その中はとても温かくて居心地がいいから、ずっとこうしていられるように俺はみんなとタイミングを合わせて輪を回していくことに夢中になった。
→ やっぱり雨は降るんだね




