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あーちゃん

作者: うぐいす

初投稿です

「私たち別れましょう、もう耐えられないわ」

「ちょっ、まって!なんでだよ!」


これが僕の人生3回目の失恋だった。


1回目に付き合った時も2回目も、そして今回も何がいけなかったのかがさっぱりわからない。もしかして何も気づかないから嫌われたのかもしれない。


うじうじしていてもしょうがない。そうだ、今後に活かすためにも前の恋愛を振り返ってみよう


1人目の彼女は高校1年生の時にできた。髪が長くて色白できれいだったっけな。笑顔がとてもステキで、その笑顔を見るたびに俺はうれしくなっていた。


初めての恋人でいろいろ不安だったっけな。そんな時は幼馴染のあーちゃんに相談していた。


俺に彼女ができた時は大層驚いていたな、あの時の顔をみんなに見せてやりたい。苦虫をかみつぶしたような顔して。


よっぽど自分より先に恋人ができるのを許せなかったんだと思う。


あいつにはデートの場所や着ていく服、香水とかも選んでもらったっけ。


そういえばデート先であーちゃんと会うこと多かったな。まぁ行きつけの場所を教えてもらったみたいだし当たり前か


と、彼女とはすぐに別れちゃったっけ。1人目の恋人とは別れやすいって聞くし仕方ないか。


2人目の彼女はその後すぐにできた。陸上部のショートカットの子だった。すっごい活発な子でいろんなところに行ったっけ。


向こうの子の方がリードしてくれたから、あーちゃんは怒ってたっけ。


なぜかその日からあーちゃんが対抗心を燃やしてきたんだよな


俺の家に彼女を呼んだ時、あーちゃんが勝手に入ってきて彼女はすっごい困惑してたっけ。


俺があーちゃんのことを紹介したら、機嫌が悪くなって帰っちゃったんだよな。


その後謝り倒して、そしたら週末に彼女の家に呼ばれたんだよな。


そこで初めて女子の家に泊まったんだっけ


そうそう、部屋で二人でホラー映画を見てた時、彼女がびっくりして抱きついてきて。その時にぬいぐるみが一人で落ちてきたこともあったっけ


俺は幽霊とか信じないから、「衝撃で倒れたんでしょ」って言ったけど彼女は泣いちゃってその後ベッドで一緒に寝た。あの時は幸せだったな


朝起きたらあーちゃんからのたくさんの電話の履歴があってすっごい焦ったな。


埋め合わせをするって言ったら喜んでくれて、一緒にショッピングモールに買い物に行ったな


俺があーちゃんと一緒に会計に行くと店員さんはプレゼントですかって聞いてきて少し戸惑ったっけ


まぁ今は二人目の彼女の話だ。と言っても彼女とは高校卒業すると同時に振られたっけ


振られる少し前からあーちゃんといる時間が増えたのがいけなかったのかな?


まぁあーちゃんが喜んでくれるからいいか


そして3人目の彼女は和服がよく似合う子だった。


大学生になって一緒のサークル仲間と花火大会に行った時に告白されて付き合った。


その日からあーちゃんの機嫌がすっごい悪くなった。


あまりにも機嫌が悪いから、何か俺にできることはあるって聞いたら彼女を紹介してくれって言われた


そんな簡単なことでいいなら紹介するよと言って、俺はあーちゃんと彼女を合わせた。その時、彼女が変な顔をしていたのはどういう意味かいまだに分からない。


それからあーちゃんと彼女と3人で遊ぶことが増えたんだけど、彼女とあーちゃんは仲が悪いのか話をしようとしない。


そういうものなのかなと思って放置していた結果が、この有様だ。


「私たち別れましょう、もう耐えられないわ」

「ちょっ、まって!なんでだよ!」


何がなんだか本当に分からない、過去を振り返りながら、やっぱり俺は恋愛に向いてないんだなって思っていたら彼女が


「だって貴方おかしいわ、あーちゃんって誰?誰に向かって話してるの?貴方はいつも独り言をしゃべっていたのよ?一回病院に行った方がいいんじゃない?」


俺はその言葉をきいて頭が真っ白になった。


「もう私行くから、二度と関わらないでね」


その言葉を聞いた後は自分が何をしたのか全く覚えていない


気づいたら俺は駅のホームにいた。


「どうしたの?元気ないね」


あーちゃんがいない?そんなの嘘だ。ほらいるじゃないか。今も俺と話してるじゃないか


「わかった!また振られたんでしょ、可哀想に…ほら慰めてあげるからこっちにおいで」


思い返せば、いつも優しくしてくれたのはあーちゃんだった。いつもそばにいてくれるのはあーちゃんだった。一番愛してくれるのはあーちゃんだった。あーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃん


『一番線、電車がまいります。駆け込みご乗車はおやめください』


「あーちゃん、今行くよ」







▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼

○○駅で人身事故が発生しました。上下線で運休、遅れが生じます。


「最近、人身事故多いね〜今日はちょっと早めに出なきゃな、服装はこれで大丈夫だよね?おかしいところないよね??」


「初デートの手伝い色々してくれてありがとね!それじゃあ行ってくるよ!」


「行ってきますあーちゃん」


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