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美少女な俺様が世界を救う!  作者: 青咲りん
ミッション2:海底神殿を攻略しよう!
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美少女な俺様が巨大なカエルを討伐する!

 イタリカ王国とアガレト皇国皇国の国境付近に広がるストレリア大湿原。

 その上空を、悠々と羽ばたくエメラルドグリーンのドラゴンと、その背中に乗る筋骨隆々の眼帯の男がいた。


 男の名前はエイハブ。

 巨大な剣を振り回し、アルヴライデン種と呼ばれるドラゴンに乗るその姿から、ドラゴンライダーの二つ名で呼ばれている彼が向かっていたのは、国境の都市ボルダリアだった。


 そんな空の旅の途中だった。

 不意に、耳につけていたイヤリング型の通信用魔具がブルブルと震え出したのを感じて、彼はそれに魔力を流した。


『今どのあたりだ?』


 聞こえてくるのは、ユーリアの街の冒険者ギルドマスター、オウルコスの声だった。

 エイハブは彼のその質問の意図を察すると、ニヤリと白い牙を見せつけるように笑みを浮かべる。


「もうすぐボルダリアだ!

 明日には着く!」


『そうか。

 なら、ユーリアの一行にあの話(・・・)は?』


「勿の論だぜ、大将!

 しっかり伏線を張っておいたさ!

 じゃなきゃ、勇者奪還作戦・・・・・・はご破産になる。

 そうだろ?」


 上空で渦巻く暴風なんてなんのその。

 揺れる騎竜の背中で笑いながら、当たり前だと言わんばかりに返答する。


『その通りだ。

 ところで、追加でもう一つ依頼を引き受けてくれねぇか?』


「……何かあったのか?」


 意味深な様子で告げてくるオウルコスの言葉に、エイハブは首を傾げる。


『ボルダリアの一件が解決してからでいい。

 今から言う言葉を、ヨイツのフシバ公に伝えてくれねぇか?』


「フシバ公……?

 誰だい、そいつは?

 予言書に出てたっけ、そいつ?」


 意図のわからない彼の言葉に、エイハブはさらに首を捻る。


『出てきてはいねぇな。

 だが、故に必要な人物だ、頼む』


「そこまで言うなら、大将にも何か考えがあるんだろ?

 いいぜ、伝えておいてやる。

 ……。

 ………………。

 あ?

 そんなことでいいのか?

 ……。

 …………。

 なるほどな、なら、勇者様にはいっぺん死んでもらう必要があるわけだ」


⚪⚫○●⚪⚫○●


 異世界生活11日目の朝は、ステラとメアリーに挟まれて迎えた。

 正直ちょっと蒸し暑い気がするが、これはこれで幸せなのでよしとする。


 4人で朝の鍛錬を終え、朝食を済ませる。


 今日の予定は、主に依頼をこなして資金を稼ぎ、明日は減った物を買い足す。

 主に食品とか。


(そういえば、結局ポーションは使わなかったな……)


 使う必要がある強敵がいなかったと言うのが正しいかもだけど。


 閑話休題。

 そんなわけで俺たちは今、ストレリア大湿原のほとりにやってきていた。


「えっと、確か今回の依頼はストレリア・トードの皮を1匹分だっけ?」


 依頼書の内容を確認するように、メアリーに尋ねる。


「そうだね。

 この湿原に生息するおっきいカエルを倒せばドロップするみたい」


 この世界の魔物は、倒すとその体を構成している魔力が凝結ぎょうけつして魔石になるが、魔力が体に馴染みきっていない部分は、ドロップアイテムとして残ることがある。


 以前、ユーリアの街付近の森でオークを討伐した時は、たしか皮と肉がドロップしていた。

 皮の方は比較的綺麗だったが、肉の方は結構ぐちゃぐちゃだった記憶がある。


 この経験から推測するに、おそらく今回もカエルの皮だけが綺麗に残るのかもしれない。


「うぅ、私カエルって苦手なんだよね……。

 お肉は結構美味しいんだけど」


 ポツリ、と聞こえてきたステラの言葉に、俺は目を見開く。


「え、カエル……食べるの!?」


 驚いてレンの方を見れば、彼は苦笑いを浮かべながら頷いていた。


「もしかしてファムちゃん、食べたことないの?

 結構おいしいよ?」


「えぇ……」


 メアリーの少し驚いたような顔に、俺は少し後退りする。


 だってカエルだぞ、カエル!

 なんかヌメヌメしてて気持ち悪いし、毒だって持ってるんだぞ!?

 そりゃ、フグだって毒持ってるけど、そう言う話じゃないだろ、だって!


「なんなら今晩試してみるか?

 味は結構鶏の胸肉に似た感じだし、気にいると思うんだが」


「こっそり食わそうとしたら後で殺すから覚えてろよ?」


 そんなこんなで湿原を歩く。

 正確にはそのほとりを歩いているわけだが。


「そういえば、そのストレリア・トードってどんなやつなんだ?」


 カエルと聞いていたから、多分大きくても拳2つ分くらいのサイズ、さらにトード(ヒキガエル)というくらいだから茶色いものを想像していたが、もしかするとこの世界だと少し違う見た目なのかもしれない。


 そんなことを思いながら尋ねると、こんなふうに返された。


「確か、1メートルくらいあるカエルだったかな。

 肉食で動きが早くて、水の中を泳ぐ茶色い感じの」


 メアリーの説明を聞きながら、なるほどとその条件に合いそうなカエルを探──って


「は?

 1メートル!?

 カエルが!?」


「そうだよ。

 おっきいよねー♪」


「いや『おっきいよねー♪』ではなく。

 デカすぎじゃね!?」


 呑気に返すステラに、思わずツッコミを入れる。

 たしかにメアリーも依頼を説明したときに『おっきいカエル』とは言ったけど!

 1メートルは流石にデカすぎじゃね!?


 まぁ、だからこそ依頼されてた皮の数が1匹分だったのかもしれないけど!


 ──と、そんなふうに騒いでいたときだった。


 不意に、視界の端にブクブクと泡立つ湿地を捉えた俺は、すぐにブレイカーを腰から抜いて構え、《気取けどり》を使って水中の気配を探知した──とほとんど同時。


 ──ザバァ!


「うわぁ!?」


 湿地のちょっと深い水溜りになったところから、巨大なカエルが飛び出してきた。


⚪⚫○●⚪⚫○●


 ストレリア・トードが とびだしてきた!

 ファムは ひるんで うごけない!

 ストレリア・トードの 《したではらう》こうげき!

 しかし レンの 《するどいいちげき》が ストレリア・トードの こうげきを パリィした!

 きゅうしょに あたった!

 ストレリア・トードに 100のダメージ!

 ストレリア・トードは ながいしたを うしなった!

 メアリーの 《とうけつ》まほう!

 ストレリア・トードは あしが こおって うごけない!

 ステラの 《シールドバッシュ》!

 ストレリア・トードに 87のダメージ!

 ストレリア・トードは ひるんだ!

 ストレリア・トードは あしが こおって うごけない!

 ファムが しょうきを とりもどした!

 ファムの 《つららおとし》の まほう!

 ストレリア・トードに するどい つららが つきささった!

 きゅうしょに あたった!

 ストレリア・トードに 1000のダメージ!

 ゆうしゃいっこうは ストレリア・トードを たいじした!

 ファムは 5の けいけんちを てにいれた!

 メアリーは 58の けいけんちを てにいれた!

 ステラは 50の けいけんちを てにいれた!

 レンは 18の けいけんちを てにいれた!

 ゆうしゃいっこうは ストレリア・トードのませきを てにいれた!

 ゆうしゃいっこうは ストレリア・トードのかわを てにいれた!

 ゆうしゃいっこうは ストレリア・トードのしたを てにいれた!


⚪⚫○●⚪⚫○●


(び、びっくりした……)


 魔石に変わって、皮と舌を残して消えたストレリア・トードの成れの果てを見ながら、俺は胸を撫で下ろした。


 どうも、頭の中で1メートルということがわかっていたとしても、やっぱり突然現れてこられるとびっくりするもんなんだな……。


 あともう一つ。

 やっぱりブレイカーだと、対人戦はよくても魔物との戦闘になると使いづらい。

 今度からは絶対に別の得物を用意することにしよう。

 戦闘シーン、今回はこんな感じで書いてみましたけど、どうでしたかね?


⚪⚫○●⚪⚫○●


 ここまでお読みいただき、誠にありがとうございますm(_ _)m

 もしよろしければ、ここまで読んだついでに感想、いえ、評価だけでもしてくれたら嬉しく思います。

 そして、また続きが読みたい!とお思いであれば、是非ともブックマークへの登録をよろしくお願いしますm(_ _)m


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