第八幕 夏魅の放課後
みなさんこんにちは、夏魅です。たった今、幼なじみであるハルが何やら叫びながら教室を出ていきました。なんか、誰かをお姫さま抱っこしてたよーな・・・・・
それにしても・・・・・ぷっ!
ハルの自己紹介、面白かったー!まさか教卓であんな事言うとは・・・・・
え、何言ったかって?・・・・・ゴメン、面白さを共有したいのは山々だけど、本人の名誉のために言わないでおくわ。
さて、ハルはどっかいっちゃったし、フユと千秋ちゃん誘ってかえろっかな・・・・・
なんて考えてると・・・・・
「夏魅ちゃ〜ん♪」
後ろから私を呼ぶ声が。
振り返ると、そこには、ポニーテールの小柄な女の子がいた。
「キラちゃん!」
私はその子の名前を呼ぶ。
彼女は皆星 煌里、愛称キラちゃん。中学の時、同じクラスになったのがきっかけで友達になった子。そっか、今年は同じクラスになったんだっけ。去年は違ったけど・・・・・
可愛らしくて、人懐っこくて、もう、ホントにギューッてしたい!頭をわしゃわしゃ撫でたい!ほおずりし・・・・・
「夏魅、ちゃん・・・・・?」
ハッ!いかんいかん、意識が・・・・・
「ゴメン、何?」
「いや、一緒に帰んないかな・・・・・って・・・・・」
ああ、そゆこと。でも、フユと千秋ちゃんは・・・・・
「白雪君、一緒に帰ろ!」
「千秋さまぁ!一緒に帰りましょう!」
「てめ、ぬけがけすんな!千秋様と帰るのは俺だ!」
うわぁ、新しいクラスメイトにもみくちゃにされてる・・・・・。
「・・・・・帰ろっか、キラちゃん。」
「うん♪」
ま、あの二人なら大丈夫か。
・・・・・それにしても
ハルの奴、一体どこいったんだろ・・・・・
ま、いっか!