第七幕 春斗の放課後
・・・・・みなさんどーも、春斗です。
全員の自己紹介が終わるのとほぼ同時に本日の最後の科目であるLHRが終わり、放課後を迎えました。
ほとんどのクラスメイトが帰り支度をする中、俺は机の上に突っ伏し、自分の自己紹介の記憶を抹消しようとしています。
え、自己紹介で何言ったかって? 記憶から抹消したくなるような事だよ。
それだけしか言えねー・・・・・。
「あの、大丈夫・・・・・?」
声をかけられた俺は、記憶の消去作業を一時中断し、声の方を見る。
そこには、読書が趣味で、血液型はAB型、五月十日が誕生日の出席番号28番夜月 流那がいた(本人の自己紹介より)。
一年の時はクラスが違っていたので面識は無いが、第一印象は『真面目そう』だった。
「えーと、流那、だっけ?」
「えっ!?は、はい・・・・・」
しまった!いきなり呼び捨てはマズかったか。
「ゴ、ゴメン!いきなり呼び捨てしちゃって・・・・・」
「う、ううん!呼びやすいように呼んでくれていいから・・・・・。
それより、大丈夫?」
「え?」
「いや、あの、自己紹介終わってからずっと元気なかったから・・・・・」
「心配・・・・してくれてたの?」
俺がそう聞くと、彼女は答えるかわりに一度だけ頷いた。 クラスメイトになったとはいえ、面識もない俺を心配して、話しかけてくれるなんて・・・・・。
「優しいね、流那は。大丈夫だよ、心配してくれて、ありがとう」
俺はそう言って、彼女に笑いかけた。
「ふぁ!?そ、そんな、優しいなんて、ありがとうって・・・・・きゅう」
流那は気絶してしまった。
「お、おい!流那!?おーい!保険委員!はまだ決まってなかったんだっけ!?」
俺は保険委員がまだ決まってなかった事を思い出すと、流那を抱えて保険室へ向かった。
最初は自己紹介の話を書こうかと思いましたが、いいカンジのヤツが思い浮かびませんでした・・・・・。