第十八幕 一家に一冊よい子の絵本
久しぶりの更新です
静かな空間・・・・・
綺麗に並べられた本棚・・・・・
そして、その本棚にぎっしりとおかれた本・・・・・
どーも、春斗です。今日オレは図書館に来てます。
なぜかというと・・・・・
図書館がオレを呼んでいたからSa☆
・・・・・ごめん、自分で言っといて腹立ってきた。もう言わない。
なんて事ぁない、暇でその辺ブラブラしてたら偶然図書館にたどり着いて、「久々に入ってみんべー」的なノリで入っただけです、ハイ・・・・・
さて、なに読むか・・・・・ん?
『よい子の絵本コーナー』
(絵本か・・・・・たまにはいいか)
そう思ったオレは本棚から絵本を1冊抜きとると、空いてる席に座った。
さーて、タイトルも見ずにテキトーにとってきたからなぁ。
えーと、コレは・・・・・
『××太郎』
え・・・・・何コレ?放送禁止用語?
まぁいいや、読んでみよ。
『むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
ある日、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯へいきました。
おばあさんが川で洗濯をしていると川上から大きな―――』
(なんだ、桃太郎か・・・・・。)
『ケフィアが流れてきました。』
ケフィアかよ!
つーか大きなケフィアってなんだよ!ケフィアって固形物だっけ!?
『「あらまぁ、こいつはでっかいケフィアだべぇ!」おばあさんはケフィアの入った大きなカップを川から拾い上げ、うれしそうにそれを持ち帰りました。』
カップに入ってたのかよ!何その説明不足!
てか、本当にでか!ケフィア入ってるカップ!しかもケフィアものっそい入ってる!
『芝刈りから戻ってきたおじいさんに、おばあさんはケフィアまみれで大きなケフィアの事をおじいさんに言いました。』
こぼしちゃった!?持って帰る途中でケフィアこぼしてかぶっちゃった!?
『おじいさんとおばあさんがケフィアを飲もうとしたその時!
ケフィアの中から赤ん坊が飛び出してきました!』
こえーよ!つーか、このシーンの絵、やけにリアルだし!
ああ、おじいさんまでケフィアまみれになっちゃったし!
何だよこの絵本!こんなん子ども見たらトラウマになるわ!
『子宝に恵まれなかった二人は、この赤ん坊を自分たちの子どもとして育てる事にしました。・・・・・ケフィアまみれで。』
ケフィアまみれ強調しなくてもよくね?
『「おじいさんや名前はどうしようかのう?」
「そうじゃのう、ケフィアから生まれたから・・・・・」』
ケフィア太郎とかそのあたりか?
『「アントニオにしよう」』
なんでだよ!
ケフィア関係ねーじゃん!
しかも太郎じゃねーし!タイトルの意味は!?
『アントニオはすくすくと成長し、大人になった彼は、自分の部屋でひたすらテレビゲームを楽しむ日々を送っていました。』
アントニオひきこもりになってんじゃねーか!
『そして、なんやかんやでアントニオは鬼退治の旅に出ました。』
なんやかんやを言えぇぇ!
『アントニオが歩いていると、不良が近づいてきました。不良は言います。「オイ!アントニオ!尻ポッケに入ったサイフよこせやコルァ!」』
アントニオカツアゲされてる!
『アントニオは不良を叩きのめすと、不良の身ぐるみをはぎました。収穫を見て、アントニオは言いました。
「五万か、しけてんな」』
もうこいつが鬼じゃねーか!もういい!こんなのよんでられっか!
オレは席を立つと、『××太郎』を本棚に戻し・・・・・
戻・・・し・・・・・。
「あれ、ハルじゃん」
家に帰る途中、ナツミカンに会った。
「なに、どっか出掛けんの?」
「いや・・・・・図書館いってきて、今帰り」
「ふーん・・・・・なんか借りたの?」
オレのトートバッグを見てナツミカンが言った。
「うん、まぁね・・・・・絵本を、一冊・・・・・」