第十二幕 忘れ物と寝てる人にはご用心
「ああ・・・・・おう・・・・・え?千秋?・・・・・ああ、ちょっとかわって・・・・・」
さわでぃーかっぷ(こんにちは的なアレ)、春斗です。さて、無事に流那を保険室に寝かせた俺は今、校門の前で冬輝とケータイで話しています。
「・・・・・じゃーな、あと、へそくりのありかはテレビの裏じゃねーから」
ケータイのむこうの千秋にそう言うと、俺は電話を切った。
「・・・・・さて、帰るかな」
俺はそう呟くと、自宅へ帰ろうと歩き出した。
・・・・・が。
気づいてしまった。流那を保険室に運ぶために、カバンを教室に置いたままだという事に。
「取りに行くか」
俺は回れ右をして、教室に戻る。
「これでよし、と」
カバンに荷物を詰めると、俺はカバンを持って教室を出ようとしたが、カバンが上にのせられている流那の席に目をとめた。
・・・保険室からこの教室まで結構距離あるんだよなぁ・・・・・
「・・・・・持ってってやるか」
俺は流那のカバンを持ち、保険室へむかった。
「・・・・・すぅ」
俺が保険室についた時、流那は備え付けのベッドで寝息をたてていた。
「・・・・・帰るか」
俺はそう呟いて、流那の寝ているベッドのそばにあるふたつの椅子のうちのひとつに流那のカバンを置いて保険室を後にす・・・・・
――――ガシッ!!
・・・るはずだったが、俺の制服をつかんだ流那(状態・ねむり)がそれを許さなかった。
「・・・・・しゃーねーか」
俺はそう言うと、カバンを置いてない方の椅子に座り、流那(状態・ねむり)の目覚めを待つ事にした。