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#20

 まったく!

 別に怖くなんて無かったわよ!

 私一人でだってなんとか……出来たわよ。


「なぁ……」


「なによ?」


「なんで俺たちって……なんで仲悪くなったんだけ?」


 は?

 なんでこいつはこんなそんな事を聞いてくるのよ……。

 そんなの……私だって……わからないわよ……。

 なんでか知らないけど……いつの間にかお互いに喧嘩が多くなったんじゃない……。


「……知らないわよ……お互いに合わなかったからでしょ?」


「そうか……なんで合わなかったんだろうな……」


 なんでそんな事を聞いてくるの?

 私はそっちの方が気になるわよ……。

 もしかしれこいつ……私と……。

 いやいや、ないない! 

 私と湊斗はもう……。


「……もう……終わったことでしょ?」


「そうだよな……悪い……変な事を聞いた」


「良いわよ、気にしてないわ」


 そんな話しをしているうちに、私と湊斗は目的地である私の住んでいるマンションに到着した。


「ん……ここで良いか?」


「うん……ありがと」


「じゃあ、俺はもう帰るな、機種変行かないとだし……」


 ここで湊斗とはお別れか……。

 なんか、付き合い始めたころ見たいで……少し楽しかったなぁ……。

 明日からこいつ……清瀬さんと帰るのかな?


「ん?」


「あ……いや……」


 私はそんな事を考えながら、自然と湊斗の制服の袖を掴んでしまった。

 私、何やってるの!!

 こんなことしたら、何か勘違いされちゃうかもしれないじゃない!!


「なんだ? どうした?」


「あ、あの……私も……行く……」


「え?」





 もう訳がわからない。

 俺はそんな事を思いながら、一旦家に戻った藍原を待っていた。

 機種変に行くと行ったら、なんか藍原も一緒に行くと言い出した。

 いや、なんで?

 あいつも機種変とかするの?

 てか、そんな話し一切してなかったし……。

「わからん……」


 俺が藍原の行動に頭を悩ませていると、準備をしてきた藍原がマンションから出てきた。

「お、お待たせ」


「おう……全然良いけど……お前も機種変?」


「ま、まぁ……そんな感じよ……私のスマホもバッテリー持たなくなって来てたし……アンタが行くなら、付いて行った方が安全だし……」


「そ、そうか……じゃあ行くか」


 俺と藍原は携帯ショップに向かい始めた。

 まさか、携帯ショップに藍原と一緒に行くことになるとは……。

 俺がそんな事を考えていると藍原が俺に聞いてきた。


「機種……何にするの?」


「え? うーん……そうだなぁ……ゲームとかも結構するし……無難にMYPhoneかな?」


「アンタスマホゲーム好きだもんね」


「だって、無料でどこでも遊べるんだぜ? 神だろ?」


「はいはい、アンタは暇さえあればずっとスマホ弄ってるタイプだもんね」


「そう言うお前だって、写真撮りまくるじゃねーか!!」


「わ、私は趣味なのよ! 写真を撮る趣味!」


「その度にSNSに上げてる癖に……なんだ? 映えか? なんとか映えってやつか?」


「うるさいわね! このゲーマー!!」


「ぎゃっ!! ケツを蹴るな……」


 俺は蹴られたケツを押さえながら、藍原にそう言う。

 俺と藍原はスマホの機種が違う。

 俺のは全世界で売れている人気機種で、藍原のはカメラ性能が異常なまでに良いスマホだ。

 正直、俺は今回も大人気のMYPhoneの新機種にしようと思っているのだが、藍原は何にするのだろうか?


「そう言うお前は今回は何の機種にするんだ?」


「ん……なんか新しいMYPhoneのカメラ性能が凄く良いって聞いたから……私もそれにしようと思ってるわ」


「マジかよ、今のスマホと全然操作とか変わっちまうぞ?」


「大丈夫よ、どうせすぐ覚えられるから」


「本当かよ……」


 ショップに到着し、俺たちは整理券を取って呼ばれるのを待った。

 平日の夕方と言うこともあってか、すぐに順番が回ってきた。


「いらっしゃいませ~、本日はどのようなご用件でしょうか?」


「あぁ、どっちも機種変なんですけど」


「あ、はい! かしこまりました」


 担当のお姉さんにそう言うと、すぐに機種変の準備を進めてくれた。

 契約者に必要な書類なんかを渡し、色々説明をされた後、つに機種変する機種を選ぶことになった。


「さて……どうするかな……」


「あんた、さっきMYPhoneにするって行ってたじゃない?」


「あのなぁ、MYPhoneって言っても一種類じゃないんだよ。ProとかSEとか色々あるし、色とか容量も選べるんだよ」


「そうなの?」


「はい、色も現在四種類がありますし、大きさも二種類用意しているんですよ」


「ふーん……ねぇ、アンタどれにするのよ?」


「それを今決めてるんだろ、どうするかなぁ……」


「もう、面倒だから一番性能が良くて容量の大きいこれにしたら?」


「そう言うのは高いんだよ、しかもなんでピンクゴールドなんだよ……」


「可愛いじゃん」


「俺は男だぞ!」


「男の子も最近はピンクの服とか着るじゃない? アンタは多分絶対似合わないけど」


「うるせぇ! 大体、お前は決まったのかよ!!」

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