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サプライズゲーム  作者: 鈴木 吐夢
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第1章 善と悪

すごく長くなってしまった……

見渡すと、そこは白い空間だった。


「ここはどこだ?」


呟くと後ろから声が聞こえた。


「ここは天国だ、って言ったら君は信じる?」


振り返ってみると、そこには人がいた。

いや、人というのが正しい表現なのかも不明な謎の生き物、全体像が黒くぼやけちゃんと認識できない。

「お前はなんだ?」

「なんだとは失礼な、これでも人間だよ。元、だけどね。」

ソレは小さく微笑んだ、ように見えた。

「まさかとは思うけど本当にここが天国だとか信じてないよね?」

彼は馬鹿にしたように言う。

「信じるも何もお前がそう言ったんだからそう思うしかないだろうが。」

「初対面の人に向かってその態度はないと思うなあ。」

「お前、さっき人じゃないって言ったばっかだろう…」

「いちいち五月蝿いなあ、それとお前じゃなくてシャドーだ、ちゃんと名前がある」

影っぽいからシャドーって、うわー安直。

「じゃあシャドー、お前の言い方だとここは天国ではないらしいが、だったらなんだ?地獄か?自慢じゃないが俺は悪事を働いたことは一度もないぞ」

「君がそんなことをするような人でないことは知っている。というか、出来なかったでしょうが、閉じ込めてたんだから。」

「……⁉︎」

なぜあいつが知っている⁉︎それと「閉じ込めてた」ってなんだ?俺は自分の意思で閉じこもったはずだ。

「なぜ知っている?って顔してるね。お答えしよう。それは、君が望み、僕が君の望みを実行したからだ。」

彼は大げさに手を広げ、そう言った。

「……⁉︎」

「また驚いたね。本当に分かりやすい。いいかい、よく考えてくれ。本当に君は望んだだけで心の封印なんてできると思っていたのか?自分にそんな力があるとでも思っていたのか?君ごときが一人で?できるわけないだろう。なんせ、ありとあらゆる人に軽蔑され、家族にまで見捨てられた出来損ないだぞ。自意識過剰もほどほどにしろ。」

「……」

黙って聞くしかなかった。

反論の余地がなかった。

自分がそういう人間だということを誰よりも自分が良く知っているからだ。

「一番最初の質問に戻るね。ここがどこか、だっけ?答えよう。ここに名前はない。名付けるとすれば…「選択の間」かな。君にはここで生きるか死ぬかを選択してもらいたい。」

「何を…言っている?」

本当に彼は何を言っているのだろうか?俺はついさっき50階建てのマンションから飛び降りたはずだ。生き返れるはずがない。

俺の気持ちなどお構いなしに彼は話を続ける。

「この選択は、そう簡単に得られるものじゃないんだ。これを得ることができる人間は全部で2パターンしかない。1つは今までの人生、一度も悪事を働いたことのない人、もう1つはその逆、今までの人生、悪事しか働いてこなかった人、だ。そして君は前者だ。君のように殻に閉じ込めた人間も少なくはない。そういう人はみんなここに連れてこられる。

そして、ここからはとても重要なことを話すから心して聞くように。」

俺は一度気持ちを落ちつかせる。タイミングを見計らって彼も話を始める。

「生きるか死ぬか、と言ったが両方ともタダではない。もし、「死ぬ」を選んだ場合、転生した時に死んだ直後の記憶が残る。正確には、死んだ時の恐怖が頭から離れなくなる。」


なにそれすごいコワイ。

「そして「生きる」を選んだ場合、君は特殊な力を得て、現世へと戻される。が、当然それだけではない。その場合は、さっきの話にも出た悪事を働いていた奴らと殺しあってもらう。」

「なぜ?」

「簡単な理由だよ。本来だったら死ぬはずの人間を生き返らせるんだよ?少しは間引きしないと、ね?」

「じゃあなぜ生きかえらせる?」

「それは……そのうち話す、そんなことより、もう1つ「生きる」ためのルールがある。それは、さっき紹介した2パターン、ここからは善人、悪人としよう。」

なんかはぐらかされた気がするな…まあいいか、そのうち話すみたいだし。

「最後のルールは、善人が悪人になり、悪人は善人になることだ。分かりやすくいうと、君のような善意の塊があえて悪役を演じ、敵対勢力である悪意の塊はあえて正義の味方を演じなければならない。」

「それになんの意味が?」

「いい質問だ。君たちはお互いに善は悪を、悪は善を知らない。このまま君らを生き返らせても同じ人生を歩むだけだろ?だから入れ替えて人格を正常な人間に直そうっていう魂胆だよ。」

「なるほど」

「そろそろ時間も少ないし、どっちにするか選んで欲しいんだけど…もう少し時間がいるよn」

「じゃあ「生きる」で。」

「早‼︎そんな即決でいいの⁉︎殺しあうんだよ⁉︎」

いいのって言われても……

「なんか、勘違いされてるみたいだから言っておくが、俺が閉じこもりたがっていたのはいじめられるのが嫌だったからじゃないぞ。」

「じゃあなに?」

「俺が他を殺さないようにするためだ。」

「え?」

「確かに俺は人間を憎んではいない。だが、俺を軽蔑していた奴らを人間だと思ったことはない。何度も殺そうとした。だか、その衝動を抑えて俺は自分を封印した、いや、正確にはお前がしてくれたらしいがな。理由は簡単、俺が死ねばまた他の奴がターゲットになるからだ。本当だったら、いじめる側だった奴がいじめられる側になるのを天界で見下ろしながら笑いこける予定だったのだが、それもできなくなった。しかし、今はそんなことはどうでもいい。なぜなら、人を殺せる力を得て現世に帰れる。つまり、

自分の手で殺せる訳だ。

こんなチャンス逃すわけにはいかないだろ?逃すわけがない。だから俺は「生きる」を選択した。悪いか?」

「いや、悪くないけど……え、どういうこと?君は善人じゃないの?」

彼は戸惑うそぶりをしながらそう言った。


何を言ってるんだこいつは。






「善人に決まってるだろうが。」


俺は笑顔でそう言った。

こんな素人の作品を最後まで読んで下さった皆様に御礼申し上げます。今後も投稿するつもりなんでよろしく‼︎

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