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サプライズゲーム  作者: 鈴木 吐夢
1/2

始まり

ある日、彼、神木シオンはふと疑問に思った。


「人間はなぜ生きるのか」と…


みんなだったらどう答えるだろうか?自分を必要としている人がいるから、まだやり残したことがあるから、恨んでる人に復讐ができていないから、と、まあこんなところだろうか。だが、彼が導き出した答えは違う。

「死ねないから」

それが彼の答えだった。

彼がなぜその答えにたどり着いたのか、それには理由がある。

彼は小さい頃からいじめられていた。事あるごとに仲間はずれにされ、全校生徒にありとあらゆるあるはずのない噂で吊し上げられた。そんな日々を送っていた。

苦しかった、寂しかった、家族には見捨てられ、友達もいない。そして俺………いや彼は壊れた。「自分」という人格を閉じ込め、今こうして心の中で自分の意思とは別に行動している体を見守っている。

別に俺は人間を憎んでいる訳ではない。もちろん良い人だっているはずだ。そう信じたい。だからこの結論にたどり着いた。俺はもう自分の意思で体が動かせないし、死ねない。だから「死にたくない」ではなく「死ねない」と答えたのだ。


だが、そんな日々もついに終わる。


現在、俺は50階建てのマンションの屋上にいる。恐らく俺は死ぬつもりなのだろう。別に怖くはない、悔いもない、けど、できれば早く死にたい。痛いのは嫌だからね。

柵を越え、手を広げる。俺がいなくなれば、また誰かがターゲットになりいじめられるだろう。だから俺はまだ存在しない次の犠牲者に向かってこう叫ひ飛び降りる。








「ザマアミロ」


約二年ぶりに自分の意思で声が出せた気がする。まあ、どうでも良いけどね。どうせ死ぬんだし。










2025年6月23日11時23分05秒、俺、神木シオンはマンションの屋上から転落し、死亡……………………するはずだった。





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