Ⅳ
そして、今居るカフェは俺の母さんの友達の店だ。すごく綺麗な店だから、俺は気に入っている。
「美紀、美紀。」
「ん?なぁに?十鶴」
「おれさ、行きたい所があっから、頼んだのが来たら先に食べていくから…。いいか?」
「うん。いいよ。行きたいところってどこ?」
「えーと、神社。」
「いいよぉー。いってらっしゃーい」
すんなりokしたな。ま、そっちのほうが都合がいいんだけどな。
「お待たせしました。」
「ありがとうございます。」
一気に飲み食いしたから少し苦しいけど、一刻も早く行きたかった。
「じゃ、行くわ。」
「じゃぁねー。十鶴」
listen5 神社への道のり
カフェから神社まで歩くのと走るの二つの手段がある。まぁ、どちらも変わらないんだけど…。俺は、あえて走る道を選んだ。
「はぁっ、はぁっ。」
息を切らしながら、走ると目の前に見えたのは木々で覆われた道。歩くとアスファルトでできた道とは違い土と木々、草。自然に囲まれている。
「おやおや、十鶴君ではないか。」
「あっ、こんにちは。」
この人は、神無月神社の神主。神無月楓〔かんなづき かえで〕さん。まぁ、言ってしまえば衣都のお祖父さんになる。
「あの、衣都いますか?」
「あぁ、また部屋に籠ってるけど…。行ってみるかい?」
「はい。よろしくお願いします。」