L'istesso tempo(同じ速さで)
先に動いたのは燕だった。
右肩を突き出し、鉄板を鞘に納めたかのような姿勢で疾駆する。
薄暗いせいで分かりづらいが、兄貴との距離は直線距離で二十から三十メートル。
什器と家具の散らばるフロアを、奴は限りなく直線に近い軌道で突っ走っていた。
オレンジ色の炎を思わせる髪が俺の網膜に残像を残す。
蹴られて転がる椅子、駆ける風にひらめく幟、靴に踏まれて埃の舞うデスク。
それらを目で追った先には、幅跳びさながらの低空飛行で巨躯に斬りかかる燕の姿。
振り抜かれる鉄板を大きくかわしつつ、兄貴は手近な椅子を掴んだ。
一回転した豪腕から放たれた飴色の椅子が着地する燕の足元へ飛ぶ。
黒スーツのホストは宙で身を捻り、僅かに着地のタイミングをずらした。
バラバラになる椅子の破片を浴びながら肩で受け身をとった燕が立ち上がる。
獲物の抵抗を喜ぶかのような兄貴の笑み。
ヴイ、ヴイイイ、と。
深夜の暴走バイクを思わせる不快な振動音が闇の中から響く。
と同時に、兄貴は身を翻してその一撃を回避する。
「わっ、とと」
真新しい黒刃のチェーンソーを手にした鶯が、勢い余って丸まった絨毯を輪切りにするところだった。
チクワのようにすっぱりと切断された絨毯が床を転がり、縮れた毛が辺りを舞う。
(電ノコ……!)
兄貴が苦々しい表情を浮かべるのを見、俺は事態の深刻さを思い知る。
あんなものに触れてしまったらどんなマッチョも輪切り確定だ。
「おー……そうだ、鶯」
燕は再度鉄板を構え、じりじりとすり足で歩を進める。
「ビビんな。二人ならやれるさ」
「分かってる、兄ちゃん!」
深く踏み込んだ燕の攻撃は鋭い。
逆袈裟の一閃。
返す刃で一閃。
両手持ちで更に一閃。
銀の軌跡が縦横無尽に暗闇を走る。
「ここか」
後退を強いられていた兄貴は絶妙のタイミングで一歩前へ。
燕の顔面に手のひらが迫る。
が、燕は後方へ跳躍しつつ爪先を狙って一閃を放った。
つぱっとブーツの先端が削ぎ取られ、兄貴がたたらを踏む。
そこへ鈍く、とろく、不安定な、必殺のチェーンソーが迫る。
どっどっどっとアイドリングするような音の後、ヴイイイイ、という強襲音。
「ぬっ」
闇から突進してくる鶯をすんでのところでかわし、兄貴は調度品売り場まで後退した。
追撃しないのは鶯が不安定過ぎるからだ。
現に奴は振り抜いたチェーンソーをうまく制御できず、テーブルに乗った電気スタンドを吹っ飛ばしている。
うっかり手を出して巻き込まれたら笑い事にもならない。
「便利な弟だな」
(誰かさんとは違ってな。悪かったな)
「あー……モノじゃねえよ」
姿勢を低くした燕はおそらく気づいている。
神に愛された体躯に外国人トレーナーを雇うほど濃密なトレーニングをこなしてきた兄貴は確かに強い。
今からでも遅くないからオリンピックを目指せ、という誘いもひっきりなしだった。ヤクザに口説かれることすら珍しくなかった。
――――だが人殺しなんかしたことがない。当たり前だ。
拳闘を主体とした兄貴の動きは殺人に最適化されたものではなかった。
「あー……そう、そういう感じか」
燕の目に獰猛な優越感が見え隠れする。
「鶯。回り込め。挟み撃ちだ」
「挟み撃ちは女の子としたいよ、燕兄ちゃん」
「おー……俺もだ。気が合うな」
ふっと鶯が闇に身を隠す。
が、どっどっどっという心音にも似た振動音は隠すことができない。
鶯の姿を目で追った兄貴は音で察知できると踏んだのか、意識を燕に向ける。
咆哮も雄たけびも聞こえない、静かな攻防だった。
俺の目に映るのは無骨な鉄板で描かれる様々な月齢の月。
三日月、弓張り月、居待ち月。
そしてそれをスウェイバックのみで器用にかわす兄貴の姿。
掴めば手首をへし折り、当たれば骨をも砕く必殺の拳も容易には振るえない。
それほどまでに燕の太刀筋は鋭く、攻撃の継ぎ目が見えない。
ヴイイイ、とどこからともなくチェーンソーの音がする。
攻防の最中、兄貴はちらりと一つの什器を見やり、また燕に視線を戻した。
そこから飛び出してきても平気だ。今度こそ迎撃してやる、と言わんばかりの邪悪な笑みを浮かべて。
だが俺の位置からは見えていた。
兄貴が見やった什器の裏にあるのは――――
動画を再生するタブレット端末。
「ヴぁにきぶしろ(兄貴後ろ)!!」
はっと呼吸のリズムを乱すや否や、兄貴は身を縮めた側転でごろごろっと床を転がる。
ヴイイイ、と飛び込んできた鶯の刃が直前まで兄貴の立っていた場所を斬りつけていた。
「おっしぃ!!」
床を手で押して立ち上がった兄貴のオールバックが、初めてばらりと乱れた。
「よくぞ役に立った、バン」
兄貴はストレートな称賛の言葉を浴びせてくれたが、俺は嫌な予感を覚えて硬直する。
案の定、ベッドに縛り付けられた俺の方へ兄貴が駆け寄り、僅かに遅れて兄弟が追いすがる。
兄貴は俺の真上を飛び越え、すとんと着地する。俺を挟んで反対側では既に燕が居合の体勢に入っている。
「……せっかくだから死ぬ前にもう一度」
がつっ、と。
兄貴がベッドの縁を両手で掴む。
鉄板がきらりと閃いた。
「俺の役に立て」
次の瞬間、天井と床が交互に俺の視界を奪っていた。
ちゃぶ台返しさながらに宙を舞ったベッドはコインのように回転し、縛りつけられた俺もまた吐き気を催す重力の横暴に晒される。
「だああああっっっ!!?」
これ、顔から落ちたら死ぬ。
――――顔から落ちたら死ぬ!!
「いやうおああああっっ!!!」
失禁寸前の恐慌の中、ばだん、と鉄板がベッドにめり込む。
ぶつりと手を縛る縄が切れるのと、ベッドの四本脚が着地するのが同時だった。
燕の唐竹割がベッドを地面に叩き付けるような格好だ。
「げふっ!!」
肺の中身を吐き出した俺の腹を燕が、顔を鶯が踏んで兄貴に飛びかかる。
「おぶえっ」
ヴイイイ、と唸ったチェーンソーが兄貴の投げた枕を引き裂き、羽毛が舞う。
振り抜かれた鉄板がサイドテーブルのシャンパングラスの上半分を切り取る。
身長が半分になったグラスは何事もなかったかのように佇んだままだ。
三人はそのままもつれ合うようにして二階の奥へと進んでいく。
(今だ……!)
手の戒めさえなければ。
俺は腹筋を使って上体を起こし、複雑に拘束された足首を見て絶望しかける。
裁ちバサミは鶯が持って行ってしまった。それにベッドから解放されたとは言え両腕は肘まで縛られたままだ。
このままではどうしようもない。
(っちくしょ……!? お)
ベッドの下にドライバーが落ちていた。
さっき死んだ女が持っていたものだ。燕か鶯が不用意にも持ち運んでいたのだろう。
素早く両手で拾い上げ、足首の結び目に突っ込む。
切断された指はずきずきするが、構ってはいられない。
むちゃくちゃにドライバーを引っ張ると結び目が僅かに緩み、片足が。続いてもう片方の足が自由になる。
「ヴぉっしゃ(よっしゃ)……!」
自由になった俺の脳裏に逃走の二文字が過ぎるも、すぐにそれを振り捨てる。
今逃げたら生き残った方に殺されてしまう。
――――生き残るためにはあの兄弟をぶち殺すしかない。
猿轡を噛み潰すようにして口元からずらし、俺は走る。
二階の最奥では銀色の扉が揺れていた。
まるで西部劇の酒場のように。
「兄貴!!」
扉の奥に突っ込んだ俺が見たのはトング片手に鉄板を凌ぎ、チェーンソーをかわす兄貴の姿だった。
広いスペースの中央には円筒状のバーベキューセットが鎮座しており、むっとするほど濃いタレの匂いが立ち込めていた。
窓は全開になっており、そこから外部へ匂いが漏れ出していたらしい。
床にはコンビニから調達したと思しき紙皿の山、デザート類、マンガ雑誌がある。
肉はまだ山積みで、フライパンに油といった料理道具も散乱していた。
黒炭はビニール袋に詰まったままで、固形燃料やチャッカマンと呼ばれるライターも落ちている。
奴らがどこかで調達し、持ち運んでいたのだろうか。
「! おー……ツイてるなアンタ」
「ちっ! 輪切りにしてやるよクソザコにーちゃん!」
兄貴だけは俺を一顧だにせず、バックハンドの拳を放っている。
ぶおん、と顔面を掠める拳をのけ反ってかわし、燕が剣客を思わせる構えを見せた。
「ほら来いよ!」
ヴイイイ、とチェーンソーを唸らせた鶯がバーベキューセット越しに俺を睨んでいる。
「嫌だよ行かねえ!」
バーベキューセットを挟んで睨み合う俺と鶯は互いに攻めあぐねていた。
鶯が回り込めば俺が逃げる。逆方向へ動こうとすれば更に逆へ。
かと言って機材越しにチェーンソーは届かない。
ゲームのCPUならこのままハメることもできるのだが、人間相手ではそうも行かない。
「おいおいビビってるのかよ小学生に!」
「ビビってるんだよ小学生に」
俺はソバットもムエタイも修めてはいない。
手首から肘まで荒縄で縛り付けられた状態でチェーンソーを持った狂人に勝てるとは思っていない。
「ほら来い! 来いよ!」
鶯の後ろでは兄貴と燕が一進一退の攻防を続けている。
俺は足元に散らばるペットボトルの水を見やり、一計を案じた。
「ほら、よ!」
素早く拾ったボトルを一投すると、奴は思った通りチェーンソーで弾いた。
「ほーら、よっ」
二投目。これもまた鶯は弾く。
ただし今度は刃がボトルに食い込み、ぶしゃりと飛沫が上がった。
「うぜっ! うぜえよザコ!」
奴は敵意をむき出しにしてバーベキューセットの周囲を回るが、俺はカバディでもやるように逃げ回る。
頭に血の昇ったガキは目の前の器具を蹴っ飛ばそうとしたが、網の上の肉を見てそれをやめた。
「おい来いよ! バラバラにしてやるっ!」
「その前にショートして死ぬぞお前」
「しねーよヴァーカ!」
「そうかな。ほらよ!」
俺は最後の水ボトルを手に奴へ放った。
ばしゃり、と両断されて飛沫が舞う。
俺は更に次のボトルを放る。
――――油の詰まったボトルを放る。
「うっ!?」
どぶりとボトルに刃を入れたまま鶯は硬直した。
奴の下半身は油に濡れ、刃にもべっとりと黄色い雫が落ちている。
素早くチャッカマンを拾い上げた俺はにやりと笑った。
「未来ある子供を殺すのは――――泣けるな」
かちん、と俺はチャッカマンを点火する。
――――かちん、と点火する。
――――かちん、かちん、と点火する。
「あ、あれ?」
かち、かち、とスイッチを入れるが一向に火が点かない。
まさか壊れているのか。
水か?
水に濡れたせいだろうか?
「へ、へへ。残念だったねクソザコ兄ちゃん」
はっと顔を上げると鶯はチェーンソーを手放し、例の裁ちバサミを握っていた。
使い勝手が良く、フットワークを最大限に活かせる強力な武器の存在にようやく気づいたのだ。
「もう肉なんかどうでもいいや」
鶯が脚を振り上げた。
バーベキューセットを失えば俺に逃げ場はない。
あっという間に穴だらけにされて殺される。
「ぁ。待て。待てやめろ」
「死ねよ、あんた」
サッカーボールキックを思わせる姿勢の鶯を前に、俺はただ立ち尽くす。
「バン」
数メートル向こうに見える兄貴は拳を振りかぶり、獰猛な笑みを浮かべていた。
「ご苦労」
ああ、と俺は頷く。
本当にご苦労だった。ずいぶん骨が折れた。
――――燕と鶯を「サンドイッチ」するのは。
俺の前に鶯、その向こうに燕、そしてその向こうに兄貴。
一直線上に並んでいることにサイコ兄弟は気付いていない。
そしてその兄貴の放った渾身のストレートを燕はかわしてしまった。
「えっ」
それが鶯の遺言となった。
拳の勢いそのままに突っ込んだ兄貴はタッチダウンでも決めるかのごとく子供の頬をしっかり掴むと、そのままごきりと頸椎をネジ折る。
「鶯!! ウグイスッッ!!」
めちゃくちゃに鉄板を振る燕が突っ込むも時すでに遅し。
兄貴はゴミでも捨てるかのように鶯を手放すと、すぐさま凶器を回避する。
「ああっ……ああああっっっ!!!!」
燕は鉄板を手放し、前後の入れ替わった鶯の体を抱き上げていた。
からんからん、とシャベルのように甲高い音がする。
「おい……おい起きろ! 起きろよ!」
奴の目に涙が浮かび、ボロボロとこぼれ落ちる。
中学生女子のような、ひどく情けない姿だった。
「兄弟になるんだろ!? 一緒に帰って遊ぶんだろ? 起きろ! おい起き――――」
俺は兄貴と違って優しい。
弱いから死ねだなんてことは言わない。
弱くても歪んでいても人間は生きていい。俺のように。
だからと言って殺さない理由にもならないが。
強かろうと弱かろうと、邪魔する奴は平等に死ね。
「!?」
中世の処刑人よろしく鉄板を振り上げた俺を見て、燕が凍り付いた。
生まれて初めての殺人の感想は、「思ったより硬い」だった。
息の根を止めるまでに随分時間がかかってしまった。
ぱち、ぱちりと炭火が爆ぜる。
かつて真っ黒な姿だったことが嘘のように赤熱する炭の上で、肉がじわじわと音を立てはじめる。
その赤い音はすっかり冷え切っていた俺の身体に染み込み、血管を伝って全身に熱を運ぶようにも感じられた。
先っちょを切断された中指はじくじくと痛むが、半年もすれば元通りになるだろう。
爪まで失くしたのは少しもったいないが、爪切りする指が一本減ったと思えば大したことじゃない。
タオルケットで体を拭いた俺は燕が隠していた予備の黒スーツを着込んでいた。
裾はちょん切らざるを得なかったが、上等なものらしく着心地は良い。
次に濡れたら脱がなければならないのが口惜しい。
「なあ、兄貴」
「何だ」
「……人、殺した気分はどーよ」
「最悪の気分だ。二度とやらん」
へえ、と殊勝な言葉に俺は眉を上げる。
「殺した後に食えない生き物は害悪だ。全人類は下半身を牛に変えるべきだな。そうしたら殺した後に食う喜びが生まれる」
心底不愉快そうに兄貴は唾を吐いていた。
俺は苦笑しか浮かばない。
「義姉さんもケンタウロスになった方がいーのか。今度言っといてやるよ」
「どんな姿になろうと俺は幸子を愛している」
短く断じた兄貴は鉄板に残った肉にクレイジーソルトをぶっかけ、もりもりと食い始めた。
燕と鶯の死体を一階の海に捨てたばかりだというのに大した食欲だ。
そこらにはまだ燕の血痕が残っている。
「ホバーなんてどこで見つけたの」
「『ハーバー』12だぞ。マリンスポーツが盛んなのは当たり前だ。きちんと探せば脱出方法はいくらでもある」
兄貴は肉を頬張ったまま続けた。
「バン」
「何だよ」
「船は二つも要らん。使うか?」
兄貴が投げたのは大きめの鍵だった。
おそらく燕が使っていたという水上バイクの鍵だろう。
「! ……兄貴、これからどうするの」
「さっき言っただろ。家に帰る。幸子が怯えているかも知れん」
もちゃもちゃと肉を咀嚼する兄貴の横顔を見ながら、俺は言葉を絞り出した。
「バイク、貰っていいの?」
「好きにしろ」
兄貴は突き放すでもなく、ただ淡々と答えた。
俺は思わず両手を天に突きあげてガッツポーズしそうになる。
(やった……!!!)
これで「保険」が手に入った。
いざという時に本土へ帰れるという「保険」。
――――いや。
「なあ、兄貴」
「何だ」
「このまま兄貴に付いていくってのは……」
「好きにしろ。いちいち俺に構うな」
よし。安全だ。
絶対に安全だ。
兄貴と一緒に行動すれば間違いなく海まで安全に出ることができる。
そこから先に障害物はない。本土にたどり着けばキリコはいない。水没の危険性もない。
和尚、鶚。
あの二人は生きているだろうか。
あの二人にバイクを見せたらどうなるだろう。
賭けてもいい。鶚は俺を殺してバイクを奪おうとする。
和尚はおそらく人命救助を優先させて足手まといになる。
(……)
俺の心中で鎌首をもたげたのは酷薄な感情だった。
本土へ帰る「足」が手に入った以上、あの二人は用済みなのではないか。
(成仏してくれよ二人とも……)
俺は慰霊碑を前にした観光客の気分で合掌する。
仕方ない。こればっかりは運の問題だ。
うまいこと兄貴を誘導して、帰り道で緋勾、鴨春、美羽のうち誰かを拾い上げることができれば。
俺の本懐は達せられる。
(あ、でも一度に何人も見つけちゃったら邪魔だな……。美羽と鴨春を一緒に見つけたりしたらどっちかを殺――――)
「あ」
そう言えば。
テーブルの上にあったホオズキの髪飾り。
あれは一体何だったのだろう。
そう思って振り向いた瞬間、何かの声が聞こえた。
「~~~~!!!」
麻袋だ。
確か燕が連れて来た新しい女の子。
おそらく肉の匂いに誘われてやってきたのだろう。
(……助けたら胸ぐらい揉ませてくれるかな)
兄貴は魔王を倒した勇者のごとく、些末な宝には目もくれない。
ならここは盗賊の俺がおこぼれに与っておくとしよう。
ひょこひょこと麻袋に近づいた俺は裁ちバサミで口を切ってやった。
燕と勘違いされたら面倒なので、スーツを脱いで白シャツ姿に。
「もう大丈夫! 俺があのレイプ魔から君を助けたから! いやあ、御礼なんてとんでもない! ところで俺の名前は――――」
もぞもぞとミノムシのように袋から顔を出したのは。
「……カラス?」
緩い栗色の髪と白いカーディガンを纏った、きつめの美貌を持つ女子高生。
ずぶ濡れになった十三鷹緋勾だった。