00;31「二人の秘密」
“?、あれ、あそこにいるのって。”
“あぁ、敦君じゃん。あれ?もう一人誰なんだろう?”
あれから二人で会うことが秘密なのだが………
「………」
「?、どうしたの?モジモジして、トイレ?」
「え!?いえ、その、ちょ、ちょっと」
「?」
秘密を話したい美奈子は我慢ができない子なので、
「(あぁ、すっごく話したい!!誰かに自慢したい!あぁ、暴露したい!!)」
口元がうずいています。サラサラっと絵にまで表われてきた。
「……美奈子さん。」
「はぃい!?」
思わず声が裏返ってしまった。
「話したいのはわかるけどもう少し落ち着いてね。」
「え?ど、どうして」
「いや、絵」
敦は美奈子の絵を見て少し注意するが、美奈子は「なんでわかったの?テレパシー?」と思うが絵にも顔にも出ていたことは内緒だが、
「え?あ、す、すみません。」
「いや、それにしても君は僕の友人にそっくりだね。」
「?」
「友人っていうのもおかしいかな。昔もそいう事があってね。<秘密だよ>っていつも言ってるのに必ず誰かに話ちゃってね。僕は正直困っていたんだ。まぁそれが彼らしくてね、時々自分が馬鹿らしいって感じがしてね。」
「………(あや………)」
「本当なんで懐かしく思えるんだろうね。」
「………それは」
敦は昔の事を話す。やはり前世の記憶があるらしい、<稔>としての時代、<あや>としての本音。前世の記憶が戻っているのだろうか、美奈子は。
「それは多分……」
どう答えればいいのかわからない……分らないが、
「多分、好きだからじゃないんですか?」
「好き……そうなのかな。………俺が知っている奴は男だった………!?、あれ、稔!!?」
「・・・思い出したのか、綾?」
「あぁ、って、それよりもさっきの言葉!!」
「え?、さっきの……なんでっしたけー?」
「とぼけるな!!つーか忘れろ!今すぐに!!」
「嫌だ。別にいいだろう?綾としての告白だし。」
「ふざけんな!絶対に忘れろ!!」
「ブーっ」
小声で話す。せっかくの愛の告白を受けたのに忘れてたまるかと拒否する。(とはいってもケータイに録音してありますけどね。テヘペロ。)
「つーか思い出すの遅い!!」
「うるさい!お前だって!!」
「俺は前世の記憶は全部覚えてるぜ?」
「ヴっ」
「つーことでまたよろしくな。相棒。」
「……はいはい。相棒なら相棒の言う事聞いてくれよ。」
「悪かったな、相棒。」
二人で帰る道
手をつないで 夕暮れの桜並木。
またここから 再スタートしますか
「つーことでまた二人の秘密が増えたな。敦。」
「ヴっ、………なるべくなら秘密は少ない方が………」
「はいはい、悪かったって。」
まぁ、あんまり気にしない事がいいですよ。
お二人さん。
「ほっとけ!!」
「もうー、敦の照れ屋さん。」