00;29「スランプ」
「小説が書けないって。」
「そのままんま何も思い浮かばないのとだんだん、、」
「……敦!」
「は、え、あ、敦って」
「そーいう時は気分転換です!例えば、どこかに出かけてみるとか!」
「はぁ、はい。」
「そーだ!明日映画にでも観に行きませんか?」
「………え!」
「行きましょう!そして出かけましょう!敦!!」
「………」
「ダメですか?」
美奈子の迫力に敦は押されて飲まれて何も言えない……
美奈子は慌てて相手の許可を忘れるとことだった。
「……いや、大丈夫だけど、、その。」
「?」
「俺、人見知りでというよりも人が怖いんだ。」
「え!?」
人が怖い!?多分こいつが綾のはずなのに
「ごめん、心配をかけるようなことじゃあ……」
「いえ!私はできることをしたいんです!敦のために!」
「………っ」
「?、あつ」
「ごめん、何か書けそうなんだ。」
「はい、描きましょう!!」
「うん。」
敦は何かを感じたそれからかきづつけた。
一枚 二枚 三枚 一冊 二冊 三冊
「あぁ、よかった、何とかこれ出せそうだ。」
「え?」
「いや、そのある出版社に投稿をしようと思って」
「そうなんですか。」
一瞬愕然としたが気分になった。嫌というよりも
敦は行動生か?私の知っている<綾>は違う。<綾>だって変わっていく。
私も早く
「変わらなければ」とはやる気持ちと何とも言えない気持ちにかられた。
「あぁ、そうだ。」
「!?」
「もし挿絵の件、できたらお願してもいいかなぁ?」
「挿絵」 「絵師」そうだ、冬の期末テスト前にも言われた。
「いやなら……」
言葉も同じように繰り返すが美奈子は
「やります!」
「え?」
「やらせてください!絵師!私は敦さんの望む物を描いて見せます!だから、お願いします!!」
「……うん、こちらこそよろしく。」
「は、はい!!」
スランプを脱した敦。そして美奈子は敦の専属の絵師になった。
「ありがとう、美奈子。」
「いえ、これからもよろしく、敦。」
「おう。」
必然ともいえる出会いから一変。
美奈子はまだ彼が前世の記憶もない状態、
だからこそ、少しずつ少しずつ取り戻そうとしているのだろう。
これから先何があっても彼女は受け止められるだろう。