エピローグ
「敦―!」
「ん、どうした?」
「ここなんだけどさ、どーしてもダメみたいで。」
“ですから、ここをもう少し変えて”
敦と美奈子が話す中編集者も加わり話の声が大きくなる一方。
「わかってますって!だからこうして話しているんですから!!」
“……それでしたら”
作業風景は変わることなく、仕事を続ける。
“だーかーらー!!ここはこれじゃダメなの!!”
「だーかーらーね!こうじゃなくちゃダメなの!!」
「…………(こんな夫婦いらない。………つーか書きたいなぁ。)」
コーヒーを飲みながら敦はそんなことを考えていた。
そんな中、ピンポーン。
「「“!”」」
「こんにちはー!美奈子ちゃん!」
「ユウナさん!!」
来客はユウナさん。
「今日はね、シュークリームとね、息子を。」
「!、うわぁー可愛い! あ!そうだ聞いてくださいよ!!」
「ん?」
あれからユウナさんに子供が出来て夫婦円満。
「俺らもこどもほしいな。」
「それ、落ち着いてからでもいい?」
「………うん。」
なんて言葉を出したのが間違いだった。
しかも徹夜真っ最中の美奈子に………
というよりも子供は作らないようにしようと美奈子の提案だった。
俺らが死んだあと悲しむ姿を見たくないという事だった。
まぁ、こんな仕事してて何を言っているのだろうな。
それから
「敦。」
「ん?」
「妊娠した………」
「ふ~…………え!!?」
“それでは、この企画で通しておきますね。”
「はい。」
普通に仕事して
<“最近絵が可愛くてとってもはまりました。”>
“お母さん人気だね。”
「そう?でもごめんね。何もしてやっていないのに。」
“ううん、いいの。漫画家の先生のお母さんなんてめったにいないから。」
「………ありがとう。」
「うん。」
子供を育てるのには苦労したがいい子に育ってくれた。辛い思いをさせたこともあったが自分の意志を貫きとおす子になった。
「悪かったな、何もしてやれなくて」
「ううん、いいの。お母さん、お父さん生きてよ。」
「ごめんな。」
「あゆみ、貴女も精一杯生きてね。」
「………うん、生きるよ、生きるから。」
「………………ありがとう。」
生きてこれた、それこそが幸せで生きた時間が証でこれが私の人生で
次の人生を大いに楽しもう。
また友人との楽しい人生を
fin
ここまで読んで下さりありがとうございます。次回作をお楽しみに。




