00;38「ユウナさんが結婚?離婚?」
“「お前か!ユウナを誘惑した男は!!」”
「「…………はぁ!!!」」
前回ユウナさんが泣きながら、美奈子・敦の同棲部屋とやってきた。
“「ユウナー!俺が悪かった、だから帰ってきてくれ!!」”
「………」
バン!美奈子の部屋にいたユウナが扉を勢いよく開けた。
「「!」」
「そっちが悪いんでしょ!浮気なんかしてさ!!」
「「!!?」」
“「違う!あれは」”
「そうやって偽るから!浮気だと思われてもおかしくないでしょ!!」
バン!今度は玄関の扉を開ける。その修羅場に敦・美奈子は驚き壁にくっついた状態で二人を見ていた。
「「…………(………怖い)」」
「だから、あれは同級生でプレゼントを!」
「はぁ!?プレゼント?!」
「?、これって。」
「へ?」
「あぁ、そう!だったらその女と幸せにやってればいいじゃない!私なんてほっといてさ!!」
「違うって!あれはお前へのプレゼントで!」
「…………」
「あぁ、この場面……」
「うん、俺が描いた恋愛の。」
彼らが描いた作品の一つ。恋愛ものでこんなシチュエーションを描いたが現実でこんなことがおきるとは思いもよらなかった。リアルは怖い。
「う、うそよ!そんなの!」
「---っ!ほら!」
「え?」
未だ怒りが収まらないユウナ。旦那はポンとプレゼントを渡す。今話題のぬいぐるみ、リボンには何かが書かれている。
「“君を愛してる。これからも先いつまでも”って……これ」
「あぁ、変なかっこうでプロポーズしたから言葉で言えないから。」
「………」
「(うわぁー)」
「(……甘々、ごちそうさまです。)」
このプロポーズも描いたがぬいぐるみではなく指輪でそのシーンを描いた。
本当にごちそうさまです。
「ごめん、私」
「いや、俺が悪かった。ちゃんと報告しなかったから。」
「ううん、ごめん。ごめんね。」
「………うん、こっちこそごめんね。」
嬉しさのあまり涙を流すユウナ、旦那はユウナを慰めようと抱きしめ背中をッするように軽くたたく。
「……(描けそうか?)」
「(うん、描ける。でも前の作品だぜ?)」
「(今、描いている恋愛ものでこいう風に……)」
その二週間後、その小説・漫画は大ヒット。
ユウナさんの結婚式も無事終わりました。
「おめでとう、ユウナさん。」
「ありがとう、美奈子ちゃん。」
「…………」
帰り道、敦・美奈子は今日の結婚式を振り返っていた。
「よかったなー。今日の結婚式。」
「……。」
「俺らっていつも地味な結婚式だから。」
「やるか?」
「え?」
「結婚式。 今度は。」
「…………いいよ。」
「?!」
「俺ら一回やって恥ずかしくて顔真っ赤にして、そんな思いするくらいなら、、」
「………」
「やんなくても俺とお前の心はつながっているじゃないか。」
「……あぁ、そうだな。」
「……あーけど、ウェディングドレス着て写真撮りたいな。」
「はいはい。お前の夢は俺がかなえてやるから」
「おう。敦の夢は俺が叶えてやるからな!」
「はい。 よろしくな、美奈子。」
「うん。敦。」
いま、幸せだけど俺は後悔していない。
また次の人生、この幸せが続くことを願う。
「敦」
「うん?」
「何でもない。」
「変な奴。」
いつまでもこの幸せが続いてと願う。




