scenarioの始まり
恋愛ものは、二回目となります。どうぞよろしくお願いします。
「お母さ〜ん、この絵本読んでー」
私が5歳の時、母にいつもえほを読ませていた。
母が選ぶ本は、いつも同じだった。
「scenario」と書かれた本。その本に出てくる少女は
何処か母に似ている気がした。
それから5年がたった。私が10歳になった時 母は、
病気で死んでしまった。とても悲しくて泣き叫んだのを今でも覚えている。その時父が泣きながら私に真実を打ち明けた。一族の皆んなも父と一緒に泣いていた
「いいかよく聞けよ。この一族は、100年前にとある呪いにかけられてるんだ」
「貴方のお母さんが持っていた絵本有るでしょう」
「その本は、呪いの本でな」
「貴方は、その本の主人公に選ばれてしまったの」
「主人公に選ばれた者は、その本の通りに生きなければならない。その本の台本通りに」
最初は、何を言っているのか分からなかった。
けど、後から分かった時には、もう遅かった。
父も一族の皆も当時の流行り病で皆死んでしまった。
それから行く当てもない私をとある村の方が養子として引き取ってくれた。それから5年
今日で15歳になった。だが誰も祝ってくれない。養子として引き取られたもののその村の雑用をしてこの五年間過ごしてきた。台本通りに。他に行くとこも無いので辛かったけどいつも耐えていた。今日は、久しぶりに本を見てみた。この本に呪われて五年。自分の名前も自分の性格も忘れた。
「おい、セン。村長がお呼びだ。」
「…はい」
せっかく本を読もうとしていたのに
「お呼びでしょうか。」
「セン、明日から私の娘達と一緒に獣人の館に行って
こい。そして獣人を殺せ」
「分かりました。でも何故ミナ様達も?」
村長の3人娘は、とても美人だ。けれど好みの相手以外は、本性を表す。最悪な性格だ。
「獣人の祟りで作物が育たなくなったので生贄を出すと娘達に言ったら自分達が行きたいと言い出してな。
獣人にタイプの男性がいたから行きたいらしい。」
「はぁ。大体分かりました。ミヤ様達を守り獣人を殺してきます。」
帰って本を見た。空白だったページが文字で埋まっている。最初の書かれてあったのは、私の名前、性格といった物が書かれていた。
「…ついに…か…」
今始まった物語、end rollは、来るかも分からない。
全てはscenarioが決める。
偽りの自分を演じきる。
今、物語が動き出す。
いかがだったでしょうか?もっと工夫したらいいと思うところは、コメント下さい。感想でもオッケーです。