繰り返された世界~THE WORST ENDING~
今回から真剣な話です
思うなよ!が抜けるのは嫌ですが
やはり抜かないと・・・
最終章開幕
FROM 翔子
私は大好きだった一葉をずっと見守っていた
もう・・
見守るだけでよかったのに・・・
あの事故が私を大きく動かした
FROM 一葉
夏休みが終わった
しかし・・・
気がかりだった
あの翔子の言葉
俺はどうしても気になった
この世界に俺は
異変を感じだしたからだ
まず第一に
今の俺でもわからなかった翔子
だけど・・・
小3の頭になった俺がわかった
見た目はまるで違うのに
何故なんだ・・・
第二に
繰り返された世界・・・
それはどういう意味なんだ
翔子・・・
どうしちまったんだよ
そしてこれは・・・
直感なのだが
俺は夏休みのことも
星野とキスしたことも
全部知っている
気がする
遠いような記憶の中に
繰り返されたそれがある
変な話だ
「・・・わけわかんねぇ!!」
頭をかきむしる
それは今から起こることも分かっているようで
わかっていないから
・・・それは最悪の結果
遠足で
新幹線が脱線する
奇跡的に俺だけが助かる
しかし・・・俺は・・・
「あっ・・・あぁ・・・」
俺は涙が止まらない
クラスのみんなが俺を心配する
俺は保健室で休憩する
「どうしたの?」
俺にはなにも答えられない
バカげている話
俺は首を振って出ていく
そして生徒会室へ
足を運んだ
授業がもう終わっていたから
FROM 佳奈多
私は足りない力を
手伝った
翔子さんの願いを
翔子さんは・・・
だけど私も一葉くんが好きだから
願いは同じだから・・・
だから一葉くん・・・
FROM 一葉
生徒会の仕事を黙々とする
星野は何故か夕焼け空を見て
真剣な眼差しをしていた
それだけ明日の遠足が楽しみなのだろう
新幹線で
神奈川から東京へ
そして東京を観光する
俺も本心楽しみで仕方ない
周る班は自由だから俺は星野と翔子で組むことにした
2人は快い二つ返事であった
帰り道
いつもは話してくれる星野も
なにも言ってくれなかった
それは・・・
何故だろう?
そして遠足の日
晴れ渡る空どころか
曇天の空模様だ
「くそぉー」
俺は窓とニュースを見比べながらそう思った
そして6時に神奈川駅集合のため
俺は星野と5時に家をでた
星野は話さない
俺が話しかけても
はいしか言わない
どこか機嫌が悪い
その理由はわからない
だけど俺は星野の後ろ姿を見る事しかできなかった
そして俺たちは貸し切りの新幹線へ乗った
大きな振動大きな爆発音
俺は意識を失った
目が覚めると俺は頭部を強く打ったのか
血だらけだった
「どうなったんだ・・・」
俺は最悪の結末を目にした
新幹線が・・・
脱線したんだ!!
それはまさしく俺の予言通り
「あっあぁー・・・星野!!!翔子!!!!」
俺は二人を探した
歩きにくい通路
気を失っているクラスメイト
既に1組辺りの車両が燃えている
しかしそれは男子の車両だった
俺はそれを見て見ぬふりをした
女子の車両へ踏み込む
地獄絵図
みんな気を失っている
しかもいたる部分で燃えている
「星野ぉおお!!翔子ぉお!!!!!」
俺は必死で2人を探す
だけど見つからない
前は女子の車両なのだが
前へ行けばいくほど
地獄はひどくなっていた
「どうしてこんなことに・・・」
俺は泣き言を言っていた
今は2人を助けるんだ
俺は助けられた命を見捨てる
それは本当につらいことであった
しかし・・・
終わった
次の車両へ行こうとした時だった
それは最後の車両
おそらく翔子と星野が乗っていた
車両だった
それは爆発した
俺の目の前で
俺は爆風で吹き飛ばされる
俺はただ魂が抜けた状態で
その光景をみていた
俺は立ち尽くしていた
そして強く自分を憎んだ
なにもできなかった自分自身を
こんな結末が
こんな結末でいいわけないだろう!!!
「うわぁああああああああああああああああぁあ!!!!!!!!!」
その叫びはこの世を呪った声であった
助かったのは俺だけだった
それが幸運なのかわからない
だけど俺にはもう
生きる活力がなかった
やせ細っていく毎日
もう・・・
だめだ
俺には何も救えなかった
「ごめん」
俺は小さくそう呟いて
この世との切片を切った
「その結末はゆるされない」
誰かが俺に言う
「だから繰り返す」
誰なんだ
だけど2人とも
知っている
それは星野と翔子だ
だけど俺は声がだせない
「この結末は本来のものではない」
「あなたは一人でも強く生き抜かなければならない」
そんなことできない
「あのね一葉私はね・・・」
「それを伝えるのは早すぎます」
なんなんだよ
俺だけを除け者にして
教えろよ!!!
「繰り返します」
「それがどれだけ辛い結末でも」
「「あなたはそれを受け入れなければいけない」」
そういい眩い光に包み込まれる・・・
「一葉起きた?」
それは母さんだ
「ついたわよ」
そこは東京から離れて
神奈川へ来ていた
俺は小3の頃にここ
つまり神奈川を離れて・・・
「翔子・・・」
その名前はひどく
悲しいものな気がした