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SUMMER VACATIONはリア充だけのイベントと思うなよ! 3

一葉の妹優香の乱入により

夏休みは波乱を呼ぶ

さらに三日目!

最悪の危機が生じる!

痛い

全身が悲鳴をあげている

頭もくらくらする

どうなっちまったんだ

俺は

そうだ、思い出せ

俺は考える

そして痛む脳の中

必死に記憶を蘇らせた

「そうだ・・・」


俺は・・・

落ちたんだ


妹の優香のせいで

俺は三日目も朝も

最悪のはじまりだった

「くそ・・・」

俺は優香を起こし

朝ごはんに向かった

朝ごはんの会場には

なぜか俺以外の人も来ていた

「何故!?」

ここは俺たちだけでは・・・?

俺は星野に理由を聞く

「言ってなかったかしら?

7月23日から一般公開もされるのよ

でも安心して私たちの部屋がもっともグレードが高いわ」

そんなこと聞いてねぇーよ

「それなら俺と優香を離そうぜ」

「もう部屋が満室なの

そこまで一人がよかったのかしら?」

当たり前だ

俺は寝起きの優香を見て

深くため息を吐いた

そこに翔子も現れる

「おはよう翔子」

「おはよう」

ちょっと寝むそうだ

オーラが

「それじゃあ食おうぜ

俺は腹が減ってんだ」

4人でテーブル席へ向かう

「今日のプランは?」

俺が星野にそんなことを聞く

「今日は展望台へ向かいましょう」


そうだ・・・

展望台で

なにかあったんだ

俺はゆっくりと思いだした


「展望台?どこにあるんだ?」

「崖の上です」

すげぇ危険だな

「そこは危なくないのか?」

「もちろんです星野の家の力で

99%安全です」

残りはどうした

「1%は?」

「それは自ら落ちに行く場合です」

「なるほどねぇー」

簡単にいえば

自ら危険な行為をするってことだろうか

「よしじゃあいこうよ、一葉」

「うん!お兄ちゃんと残りの1%を楽しみたいわ」

「何を言ってるかわからんぞ優香」

「言わせないでよ♡」

「言わせるわ!」

こうして賑やかになった朝食を終えた

とりあえず12時に向かうそうだ

俺はゆっくり昼寝をして12時前になるのを待った


目を開くと11時40分

1時間くらい寝たかな

おなかが重たい

腹に目をやると

優香がおなかの上に顔おいて寝てた

「おいぃいいい!!」

全力で起こす

「心臓の鼓動が聴けて幸せだったわ」

「変態だぁああ!!!」

そんな叫びが目覚めを悪くした


既に全員待ち合わせ場所に待っていた

「よっ」

「それじゃあいこう!」

翔子の掛け声とともに俺たちは展望台へ向かった

そして山頂いや展望台へ辿り着いた


くそっ!

ここから先が肝心なのに・・・

俺は薄らとしてきた

意識に鞭を打って

必死に思い出した

すると耳に一つの声が

「だいじょうぶ?お兄ちゃん」

誰か認識はできなかった

お兄ちゃんと呼ぶのは優香だが

優香のあの

聞き覚えのある声ではなかった

誰だ・・・

・・・・・・

思い出した

この後だ


「やっぱりあれだな

ここにも人がいるな」

展望台にはすでに海ほどではないが

人がいた

海は待ち合わせ場所に行く前に見てきた

すごい人の数だった

改めてこの二日間の自由さを思う

「それにしてもここに来るときの橋がすごかったね」

崖と崖の間に架かっていた橋

そこから見える景色は絶景だった

あの光景はもう忘れられそうにない

俺たちは展望台レストランでお昼を早々と済ませる


ここじゃない

もう少しで辿り着くぞ

俺の身になにがあったのかを

体のどこからかなにかが流れ出す

それは血だと

確実に思えた

「お兄ちゃんしっかりして!!」

必死に呼びかけてくれる声

もう泣いている

この声が俺を起こしてくれる支えだ

そしてゴールへ辿り着く

そうだったな・・・


時間はもう3時

「そろそろ帰ろうぜ」

俺はそう切り出した

「そうですね」

「今帰ったら5時位でちょうどお風呂位だもんね」

「お兄ちゃん一緒に」

「今日はやめろ!!!」

優香が混じるだけで本当ににぎやかだ

それはとてもいいことだ

賑やかすぎるがな

この展望台行き帰りでは帰りの方が時間がかかってしまう

それは行きはリフトがあるが

帰りは歩きだからだ

もちろん俺たちはリフトに乗ってきた

リフトに乗ると一時間は短縮できる

そのおかげで展望台へ着いたのは1時位だった

そして俺たちは展望台をでた

帰りもあの絶景が拝める

俺はそれを少し楽しみにしていた


だけどそれは血の色に姿を変えた


帰りの橋

人が大勢いて

困惑していた

「なにかあったのか?」

「見てきましょう」

俺たちは走って向かった

それは子供が

小さい子供が橋から落ちかけていた

橋の板が2枚か3枚外れたのだ

それは大人でも余裕で落ちるスペースだった

「星野!!!!」

俺がそう呼んだ時には星野は携帯で連絡していた

しかし待っていては子供が落ちてしまう

その子供の母親が泣いていた

「ちっ!!!」

俺は走り出した

周りのギャラリーがあぁー!!

とかそんなこと言ってたな

翔子や優香も

待ってとかなんとか

たくよう!!

傍観するだけとか母親がすることかよ!!

泣くくらいなら助けろや!!!

しかし俺が手を差し伸ばした時

子供が掴んでいた

板が外れた

それは俺のせいだった

俺はその子に助けることに夢中で

俺も落ちたんだ

その子を抱き抱えて

そして今に当たる

・・・馬鹿な話だ


俺はもうダメな気がした

ここで死ぬ

そんな気がした

だって今は夏なのに

寒いんだ

俺は必死でカスカスな声をだす

「おい・・無事か・・・」

目はもうピンとが合わない

だけど傷はなかった

「お兄ちゃん!!しっかりして!!」

俺はもう諦めようとしていた

一人なら諦めて死を選んだだろう

だけどそこには

俺の支えがいた

誰かがいるなら惨めな姿はさらしたくない

俺は悲鳴をあげる全身に鞭を打って

立ち上がった

「くそぉ・・・いてぇーな」

腹部から血がでているのか

俺のTシャツは赤く染まっていた

「あれ・・・?」

俺はまた座り込む

足が折れている

そりゃあ立てないわ

「お兄ちゃん!!!!」

涙声の子供がいるのに

「大丈夫だ・・・・・」

俺は這いつくばりながら言った

大丈夫じゃねぇーな

「お前・・・名前は・・・?」

こんな逆境の中俺は不便に思えた名前を聞いた

「杏奈・・・ 縁弩ふちど 杏奈あんな

涙をすする声

俺はその名前を呼んだ

「杏奈・・・俺が死んでもお前は諦めるなっ

それだけだ!!約束しろ!!!」

俺は目のピンとを合わせ

カスカスな声でもできる限り大きな叫びをだした

「うぅうう」

泣いていた

こんな小学生に言ってもな

はは

でも俺は動けない

ここで死ぬか

助けを待つか

俺の体のタイムリミットは徐々にせまっていた

持って1時間

それ以上は絶望的だ

ピントがまた合わなくなった目を開くと

杏奈が消えていた

「・・・あいつ・・・どこに・・・」

しかし考えることはやめた

それは死を促進させていた気がするからだ

俺は死にたくない

そう選択したのだ

だからだ

俺はもっと星野や翔子、優香と笑いたい

「こんなところでぇ死ねるがあぁあああ!!!!!」

それは生きるための執念

俺は自分の声が泣いていることに気づく

「ぢぐじょうぅうう!!!」

体は凍てつくだけだ

予想よりも死が近づいてる

死にたくない

死にたくないんだよ!!!

そう必死に体へ訴えるが

体はもう死のうとしていた

全身の感覚がなくなった

「星野・・ごめん

彼氏らしいことができなくて・・・」

頬に何かが伝う

それは涙だと確信できた

「翔子・・・思い出せなくてごめん

可愛くなっててわからなかったぜ」

謝る

「優香正直お前のこと可愛いって感じてた

それといろんなことで負けたことが悔しかった

もしも従兄妹だったり血がつながってなかったら

結婚してたかもな」

家族だったから

思い入れは強かった

俺は静かに目を閉じた

その時耳に微かに声が

皆の声と杏奈の声と

聞き覚えのない声

「こっちです!!」

「一葉!!」

「一葉くん!!」

「お兄ちゃん!!!!」

みんな涙声だ

それは救いの手なのか

俺を生かしてくれるのか

「だめだ!!死レベルセブン!!

もっとも危険な状態だ!!!

すぐに運べ!!!」

俺の体は持ち上げられる

その後はなにがあったのか

俺は知らない

楽しい夏休み

終了?

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