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学生が誰でも青春送れると思うなよ!  作者: 文乃 拓夢
THE REPEATED WORLD
10/10

学生が誰でも青春送れると思うなよ!

運命を変えることはできず

世界はまた繰り返される

恐れていた事態

繰り返された世界の運命を変えることはできるのか

クライマックス開幕

翔子という少女は

俺が神奈川を離れる前

仲が良かった女の子だ

学校でいじめられていた俺が

辛い時公園で夕焼けの空を眺めていた時

「あなたは・・・」

俺に話しかけてくれた

それはとっても嬉しくて

俺はいろんなことを話した

だけど

幸せな時間は終わった

俺は父の仕事の影響で

東京へ引っ越すことになった

俺はその少女に転校を伝えることはできず

未練を残しながら神奈川を去った

そして今

高校生になって神奈川ここに帰ってきたのだ

「・・・翔子」

東京ではうまくやれた

そのせいで俺は翔子のことを忘れていた

俺はなによりも翔子に会いたい

そして謝ろう

何も言わず去ったことを

そして忘れていたことを


神奈川へきてすぐに

長崎へ行くと言われた

だけど俺はそれを拒否した

俺は1人

神奈川へ残った

俺は自宅で独り暮らしを始めた

「明日は翔子の家いけるかな」

そんなことを考えながら


FROM 翔子

「・・・っ!!!!」

私は大きなミスをしてしまった

運命を変えてしまった

そのせいで私の真実を伝えなければいけなくなった


FROM 一葉

俺はなんとなく覚えている

この角を曲がれば

翔子の家だ

俺はその角を曲がる

運命は残酷だ

「・・・なんでだよ」

怒りがこみ上げてくる

売り地

家はなく既にそこは空き地だった

「だって翔子は存在して・・・」

なんでそんなこと知ってるんだ?

おかしいぞ

記憶がおかしくなってきてる

いやもう・・・

世界がおかしい

俺は世界の異常さを覚え始めた

徐々にあふれだす

謎の記憶

こんなのまだ・・・

だけどその記憶には

翔子がいた

「いるじゃないか・・・」

でも今はいない

なぜ?


FROM 星野

翔子さんは運命を変えましたか

しかしそれでも

事故は変えられない

あなたがこの繰り返された世界で消えようと

運命は変わらない

あるのは地獄だけです

翔子さん

終わらせるのですね

この長い長い世界を

何百年と繰り返されたこの世界を

これで彼は選ぶことはなく

私を選択するでしょう

今は過酷でも

それは祝福される運命です

しかしこの事実だけは

何度繰り返しても変えられない

あなたもわかってるでしょう


FROM 翔子

これであの子は佳奈多に一直線で走れる

運命が変えられる

私だって居たいよ

ずっとこの世界でいたかったよ

だけどそれはもう・・・無理なのよ

私の頬に涙が伝う

だって私は8年前に・・・

死んだんだから


FROM 一葉

家は二軒なくなっていた

俺は鮮明に覚えている

こんな運命・・・受け入れるか

翔子はいるんだ・・・!!

俺の記憶の中に

俺は知らない人に聞いた

その人は言った

「ここらでね

昔大火事があったんだよ

誰も助からなかった」

それだけ

単調に告げる

それはどれだけ俺を

苦しめただろう

「うわぁああ!!!!」

涙が止まらない

謝りたかった

もっと話したかった

「受け入れられるわけないだろぉ!!!」

こんな嘘だ!!

翔子はいるんだ

俺の見知らぬ記憶の中に

ずっといるじゃないか!!

運命は・・・残酷だ

「それでもあなたはこれからくる運命を受け入れなければいけない」

・・・星野!?

なぜその名前がわかったのか

俺が後ろを振り向いたとき

星野はいなかった

これから来る運命?

やはりこの見知らぬ記憶にいるのは星野だ

俺は確信した

そしてこの記憶はこれから来る運命

その運命によれば

大切なものを失った俺は生きる活力を失い死ぬ

「・・・これが」

俺は既に活力がなくなってきている


FROM 翔子

お願い

私に少しだけでいいから

一葉と話させて!!

私の体は消えようとしていた

せめて最後まで見守らせてよ!!

どうして私は

死んでしまったの!!

いやだ

受け入れたくない

それは事実

過ぎたことだ

過ぎたことはもうどうしようもない

それは過ぎたことなのだから

「お願いだよぉ・・・」

私は消えゆく体の中

永遠に祈り続けた

体を消し去る冷たい光は

暖かくなる

「話させてくれるの?

・・・ありがとう」

私の体は転生した

そして繰り返された世界へ転生


FROM 一葉

俺は伝えたいことが伝えられなかった

これが運命・・・だったのか?

こんな運命俺は知らない

俺の記憶にない!!

「一葉」

優しい声が俺を呼ぶ

俺は後ろに振り向くと

翔子がいた

その姿は今にも消えそうで

「しょ・・・うこ?」

信じられない

なにが起きてるんだ

「私は一葉に伝えなければいけないことがあるのです」

そういつもの口調で話す

「知ってると思いますが私は・・・死にました」

そう言った時の翔子の顔は

とてもつらそうだった

笑顔なのに・・・

「俺もだ!!俺だって山ほどあるんだよ!!!!」

俺は伝えたい

しかし翔子は消えようとしていた

待てよ!!!

「俺は謝りたい!!!

勝手に引っ越したこと!!

お前のことを忘れてたこと!!!

大切な友達なのに!!!

俺はずっと忘れてたんだ!!!

それがずっと謝りたかった!!!

ごめん・・・だから!!!消えんなよ!!!!!!!!!!!」

俺の叫びはむなしく

翔子の体は光りだす

「これいじょうはだめみたい」

涙をこぼしながらも

涙をながす翔子

「あれ?おかしいな

嬉しいのに涙がでてるよ・・・」

「翔子ぉお!!!!」

俺は体を抱きしめる

離さないよう消えないよう強く

「私もずっと居たかったな」

「じゃあいればいい!!」

翔子は首を横に振る

「なんでだよぉ・・・」

「私が存在してる世界はおかしいの

今ここにいることも」

「いやだ!!俺は翔子がいないといやだ」

「私は死んでもずっと一葉のことを見てたんだよ

東京で新しい仲間ができたこと

それと笑い合ってたこと

私はずっと見てた

だからこれからも・・・

私はずっと一葉のことを見守ってるよ」

俺は涙が止まらない

そして翔子の消えゆく体も止まらない

それはどれだけ止めようとしても

止まらない

ひたすら強く抱きしめても止まらない

「だから・・・約束して

私が居ない世界でも強く生きると!!」

そう翔子は言った

「当たり前だ!!!

その約束絶対守りぬいてやる!!」

俺は止まらない涙を抑えて

そう告げる

「世界がどんな苦しい試練を与えても

あなたの強く生きる意思さえあれば

生きていける」

「・・・翔子好きだ」

「私も昔から大好きだった」

そういい唇を重ねる

ずっと

なにも言わないでもわかる

翔子はいなくなるんじゃない

ずっと俺の近くで

見守ってるんだ

そして気がつけば翔子は消えていた

最後の瞬間まで俺は翔子と唇を重ねていた

「くそぉ・・・翔子・・・」

抑えていた涙がでてくる

受け入れられない

しかしそれは事実だ

だけど生きないといけない

それが翔子との約束なんだから

世界がどれだけ俺に過酷な試練を与えても

それを乗り越えなくてはいけない

生きることに絶望してはいけない

それが翔子との約束だから

「・・・翔子、俺はもう迷わない」


そして起きた

遠足の新幹線は脱線した

俺は痛む体を起こし

星野に向かい全速力で走りだす

翔子は望んでたんだ

俺が強く生きることを

俺はぐったりしている星野を背負い走り出す

「俺はもうこの人を守りぬく

そして強く生きるそれが翔子の望んだ結末だろ」

俺が星野をかついで外に出たとき

星野が乗っていた車両が爆発する

俺は爆風から星野をかばう

そして意識を失った

星野をかばいながら

「これでもう・・・大切なものを守れた

俺はこれからも強く生きるよ・・・」

そういい暗黒の中へ


FROM 翔子

これでよかったんだ

一葉は私の願いどおり

強く生きることができるし

大切な人を守りぬく

これから起きることはわからないけど

見守ろう

「がんばってね一葉

ずっと大好きだったよ」


FROM 一葉

目が覚めたのは

病院のベッドだ

消毒液の匂いがする

そして・・・

俺の手は誰かに強く握られていた

星野だ

ずっといてくれたんだ

「ありがとう」

繰り返された世界は終わった

これから起こることは誰にもわからない

世界は進んだのだ

これから起こることは真新しい

新しい日常

これからどんなことが起こるなんて

誰にもわからない

それは辛いことばかりかもしれない

だけどそれでも

俺は大切な人を守り

強く生きると誓った

それは守らなければいけない約束

「翔子・・・」

俺は空を見てその決意を強くする

その新しい世界は本当にきれいだった

「翔子と見たかったな」

そうだ

これからが俺の青春なんだ

何物にも決められていない新しい世界

こんな青春が普通の学生なんかに送れると思うなよ!


なんかこの終わり方を願ってました


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