第43片 普通少年と混沌生徒会の海水浴 前編
海。海!海!!夏といえば。という代名詞にもなる海。太陽。夏は暑いものだと言われてもいまいち納得のいかなかったこのじりじりくる暑さだが今日という日は許せる。潮の匂いにまわりの音。他の人も今日ははめを外しているようだ。「お前、この砂一粒の大きさを計算してる場合じゃねぇだろ!」ほんと騒がしい。誰だろうか。そんなわけで桜浪高校生徒会は現在海に来ている。
「会長」
「ん?」
「1つ聞きたいんですけど」
「なに?」
「海に来てるのに誰も水着じゃないんですけど」
「それは全員がカナヅチだからじゃないかな」
こういう生徒会だった。
「大体伊藤先輩もなんでこんなところにきて漫画読んでるんですか」
「昨日新刊の発売日でな」
「本とか傷んじゃうんじゃないですか、海ですし」
「よくわからんが僕は同じ本を3冊買う癖がある」
「・・・そうですか」
「なぜそんな癖がついたかというと・・・」
「あーはいはい、そこは別に説明しなくてもいいですよ」
「・・・・・親友がな・・・死んだときに・・・」
「あれ?意外と重い?」
「なぜあんな宇宙戦争で死んでしまったのだ・・・」
「それはもしや漫画の話ではないでしょうか」
俺は伊藤先輩の話もそこそこに海に行こうとする。しかし俺自身もカナヅチなためまったく海へ行く気はない。ならばなぜ来たかというとそれは分からない。暇だったからと思っておく。
「成宮は・・・」
ちらっと隣を見ると簡易型の家というか車というか。車の中が家になっているようなものがあった。中に入ってみると成宮がクーラーをつけながら昼寝していた。
「どこから電気ひっぱってきてんだよ・・・」
「あら。愛実くん」
「おい、もう海についてるぞ」
「そうですの?なら早く言ってくれればよかったのに」
「悪いな。お前がまさかこんな移動方法をとってくるとは思ってなかったんだよ」
「では少し準備をしてくるので待っていてください」
「おう、俺は副会長の様子を見てくるわ」
そう言って車を出る。うーん、副会長は・・・と。・・・・・・・・・・・・・・・・ものすごく女の子の水着に食いついていた。質問とかしてる。あの人が男じゃなくて本当によかったと思ったまる
「じゃあ、成宮が来るまで何してようかなー・・・」
俺は砂浜を適当に歩くことにした。しかしほんとにいっぱいいるなー。みんな水着だよ。当たり前だけど。俺は水着を着ているものの上からパーカーをはおっている。ちなみに他のメンバーはマジな私服だったりもする。海になにしにきたんだ、あんたらは。
「ん?」
ビーチボールが足にあたる。どこからきたのだろうと拾い上げると・・・。
「おーい、すみません」
と声がきこえた。
「あ、えと、これ」
「どうも。すみません」
「いえ・・・」
相手は俺と同い年か一つ上ぐらいの男の人。髪は少し長め。もちろんのごとく水着を着ている。
「バレーをしていたんですか?」
「あぁ、うん。そんなところかな?だけど俺の連れに計算女がいてさ。まったくゲームにならなくて、他にも妄想女やら何やらがね・・・」
なぜだろう。楽しいはずの海なのにこの人はひどく疲れていた。大丈夫だろうか。
「えっと・・・あぁ、そうだ」
とパーカーの中から一応入れておいた花を取り出す。
「あの・・・疲れているようなのでこの花を」
「花?」
「実は前にある人からもらったものでして。もらいものでいいのなら受け取ってもらえませんか?」
「ふーん、花ねぇ・・・これ桜っぽいね」
と言って受け取ってくれる。なぜ俺は初対面の人に花をあげているのだろうと思ったが少し違う。俺はこの人を見たことがある。学校で。確か2年生だったはずだけど・・・。
「ありがとう大事にするよ」
と言ってすっとすぐ桜をしまってしまった。?なんか焦ってるのかな?
「では、また2年生さん」
「おう・・・ってあれ?俺自分の年言ったっけ?」
「七実くん!遅いよ遅い!私なら秒速5センチメートルであるけるね!」「ずいぶんとこまたで歩くな」
という声がきこえてきた。今さらだが俺はあの花をあげてよかったのだろうか。あの【色花】の花を。
「俺が持っていてもしょうがないし。色花(仮)さんは悩みがあったら相談しろっていうし・・・俺より今の人の方が悩みありそうだしね」
とさらっと失礼なことを言いながら元の場所に戻る。すると成宮も水着に着替えていた。よかった。心底よかった。俺以外みんな私服だったからこの空間だけだったら一人で浮かれてるみたいだったからなぁ。
成宮の水着はビキニだった。・・・・・落ちつけ相手は成宮だ。
「愛実くん、探したよ」
「探したって、会長、何かやるんですか?」
「生徒会の集まりとはいえ、普段のように真面目に活動するわけないだろ。もちろん遊ぶさ」
「すいませんけど普段から割とそんな感じですよ」
「というわけで海に入らずに遊ぶ遊びを募集しようと思う」
「まだ募集段階ですか」
「で、何かいい案ある人ー」
皮肉なことに今までで一番会議っぽくなっている。どういうことだこれは。
「んー、じゃあ、はい」
「お、伊藤君。何かいい案思いついたの?」
「みんなで刀持って斬り合うとかどうでしょうか。こう・・・散れ、【千〇桜】みたいな」
「・・・・・・・・・」
それは少し危険すぎます。色んな意味で。
「じゃ、それにしよう」
「えー!?」
「楽しそうですわ」
「伊藤君」
「なんですか副会長」
「こう・・・死ぬ〇弾みたいなのもありかい?」
「ありです!」
「ありじゃねぇえええええ!有名所全部まとめてるだけですよ、それ」
「じゃあ、俺は念を使うね」
「会長!?使えるの?念使えるの!?」
なんとこのまま後半に続きます。はい。
というわけで後半に続きます。
この作品には直接関係ないですが、前に書いた、天使の挑戦~3つのセカイ~を大幅書きなおししました。
前に見てくれた方ももう1度見ていただければ幸いです。
ちなみに天使の挑戦。考えることが多すぎて大変です・・・。
でわ。