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第33片 文系少年と妄想少女の改変③

「全部・・・妄想?」

「説明はするわ。だから座って」

「お、おう」


俺がくることを分かっていたのかすでに座布団が容易されていた。・・・・・こいつこんな格好してるから勘違いしやすいが趣味が意外と可愛らしいんだよな。この座布団もハートのピンククッションだしな。

というかこいつの部屋に初めて入ったが、アニメ、漫画関連のものがもちろん全体の8割を占めているが他の2割はピンクだった。あとはクマの人形とか。普通の女の子みたいだな・・・。


「何をじろじろ見てるの・・・?」

「い、いや、なんでも」

「・・・・・まぁ、いいわ。じゃあ説明するわよ。ドアは閉めたわね」

「ああ」

「じゃあ、まずこの異常な世界について」

「驚いたぜ、数夏が死んだことになってるんだもんな」

「えぇ、でもこのまま汚染が続けば死んだぐらいじゃすまないけれど」

「?」

「存在の消滅」

「存在の・・・」

「生まれなかったことになるの。存在ごと消える」

「そんなことってできるのかよ」

「できるわ、彼女の『妄想』なら」

「そこがよく分からない・・・」


俺は質問することにした。そう、『妄想』。山梨がだす妄想はこんなに色々な人を巻き込む程のものではないはずだ。もしできたとしてもなぜ山梨は数夏を消そうとしているんだろうか・・・。


「今、あなたが思っている通り、普段の戸張さんなら人を巻き込むような妄想はしないわ。それにこの現象のように日本中、世界中に広まるような感染力もない」

「じゃあ・・・どうして」

「あなたが一番知ってるじゃない」

「え?」

「私は言ったでしょう、普段の戸張さんなら・・・と」

「普段の・・・?」


普段の?というといつも通りのだよな。山梨は今日も普通だった。普通に学校にきていたはずだ。どこもおかしいところは・・・いや、それか。普通に学校にきていたこと自体異常なんだ。だってあいつは・・・。


「夏風邪・・・か」

「その通り。今、戸張さんは夏風邪を引いている」

「でも学校にきてたときは熱なんてなさそうだったけれど・・・」

「あれも妄想よ。妄想で熱を感じさせないようにしているだけ。一時しのぎよ」

「ってことは夏風邪のせいで暴走してるってことか」

「そう。夏風邪というイレギュラーな要素によって戸張さん自信が混乱し、その妄想がどんどん広まるような妄想をしているの」

「じゃあ、どうすればこの妄想は終わるんだ?」

「熱が下がるまでよ」

「そうか・・・」


俺は安心していた。もう一生このままかと思ってしまったがもし解決策がなくてもいずれもとに戻るということに。しかしそれは間違っていた。


「でも、もしね。その熱が下がらないうちに数夏さんを知っている全員が妄想にかかってしまったら元には戻らない」

「!!」

「ちなみに今のところ彼女を覚えているのは私とあなたよ」

「2人・・・だけ・・・」

「ちなみに私はもう駄目ね。時間の問題。私は妄想に対抗する術を少し心得ているのだけれど、それでもこの感染力には無理よ。耐えられない。でもあなたはどう?」

「どうって・・・」

「あなたはそんな術などないのになぜ今、妄想にかかってないの?彼女と親密じゃないものから記憶は消えていく。でもいくら親密でも普通ならもう感染してても普通だわ」

「そんなこと言われても俺は何も・・・」

「別に答えろと言ってるわけではないわ。あなたが妄想に対抗できるのならそれでいいじゃない」

「は?」

「あなたが妄想を食い止めるのよ」

「・・・・・・・まぁ、ここで無理なんて言うつもりはねぇ。で、どうすればいい?」

「分からないわ」

「・・・・・・」

「具体的な方法なんてない。あなたが探すの」

「いや、果てしなさすぎんだろ」

「でもやるの。私には何も言えないわ」

「はぁ・・・やっぱりなぁ・・・ま、そう都合よくはいかねぇよな」

「ごめんなさい・・・役に立てなくて・・・私はいつもそう・・・結局こうなの・・・」

「いいんだよ。お前は十分だ。だからもう頑張らなくていい」


俺は柏部の頭に手をおいて頭を撫でる。


「は・・・はぅ・・・」

「何を言っても信用されないかもしれない。この状況を打破できる解決策なんてないかもしれない。でも諦めるわけにはいかねぇだろうが。数夏が・・・みんなの記憶が・・・偽物の記憶で埋め尽くされた世界には俺はいたくねぇ。」

「七実・・・くん・・・」

「みんなも頑張ってくれたんだよな」

「えぇ、私だけじゃなく、緋色さんも小鳥さんも必死で抵抗してたわ」

「じゃあ、俺がそんなみんなを助けるためには1つしかねぇだろ」

「でもあなたは何をするの?時間なんてない。あなたが感染するまであとどのぐらいの時間があるか分からないのよ」

「大丈夫なんて俺は言えない。はっきりと助けるなんて言えない」

「ならあなたはどうして諦めてないの?」

「諦めるなんてできねぇだろうが。苦しんでるのは俺らだけじゃない。山梨もなんだ」

「・・・・・できるの?」

「だからできるなんて言えない。頼りないかもしれないけれど・・・言わせてくれ」









「任せろ!」








俺は柏部の頭から手を離すと立ち上がり部屋を出る。あじさい荘を出て解決策を探す。終業式も夏休みも無視する。みんなですごさねぇと俺は夏休みなんて認めない。俺は走り出す。我武者羅に闇雲に。

どうも。


お久しぶりです。


なかなか更新ペースが上がりません・・・。


まだ改変編が終わっていないのでなんとも言えませんがよろしくお願いします。


でわ

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