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第29片 理系少女と文系少年の弁当②

「お弁当か・・・いいお嫁さんじゃないか」

「山梨。ふざけてるんだな?ふざけてるんだろ!」

「いやいや、本当に幸せな悩みごとだなぁって思っただけさ」

「確かに嬉しいことではあるが、俺はあまり無理をしたくない」

「相変わらずのドヘタレだね・・・」


山梨に話してみたがまぁ、考えてみればバカップルののろけにしか聞こえないだろう。これは俺だけの問題だしな。それに・・・少し信じてみようと思った。数夏の料理の腕を。







「さて、料理しますか」

「そんなノリでできる程うまくねぇだろうが」

「失礼ですね、七実さんは・・・」


そんなこんなで朝5時。なんか数夏に起こされて今に至るわけだが・・・寝させてほしい。


「ではまずはご飯を炊きましょう」

「おぉ、そこからか」

「では、隠し味に牛乳を・・・」

「待て」


これは止めるしかないだろう。俺に何を食わす気だ。


「なんですかいったい・・・」

「いや、そのご飯炊くだけで隠し味ってなんだよ」

「おいしそうじゃないですか」

「せめて事前に試せよ!おいしそうってなんだよ!」

「でもカレーにも隠し味が・・・」

「お前が作ろうとしてるのはご飯だ。カレーに牛乳みたいな感じではいけない」

「分かりましたよ」


そういって作業を再開する数夏。心配でしょうがない。


「じゃあ、フライパンに油をひいて・・・」

「待て。それは洗剤だ。んなベタな間違いをするな」

「塩を・・・」

「それは砂糖。ベタすぎんだろ」

「分かりましたからっ、後は私にやらせてください!」

「わかったよ・・・」


俺ももう疲れた。休ませてもらおう。


「わかりました!これすごいです!火を使ってないのに焼けてますよ!」


心配すぎる。


「お前、ほんとに大丈夫か?」

「今のところ順調ですよ、えっへん」


偉そうに胸をそる数夏。ない胸は強調されても変わらないな。


「何か言いました?」

「いや、お前の胸はすばらしいな」

「この合間に何考えてたんですか!」


誤魔化そうと思ってとっさに言った言葉も誤魔化せるものではなかった。


「またバカにしてたんでしょう」


涙目で見てくる数夏。・・・・・・・・・・うん、まぁ、そうっちゃそうだよね・・・・・。


「こ、これでも脱いだらすごいんですからっ!」

「・・・・・そうか」

「なんですかその慈愛に満ちた表情は!わ、分かりました。じゃあ脱ぎます!」

「おぉーい!ちょっと待て!どこの痴女だお前は!」

「で、でもそれじゃないと七実さんが信じてくれない・・・」

「分かったから泣くな!」


お前はたぶん脱いでもそんなに変わらないと思うぞ。


「お、俺は弁当を作ってほしいから」

「分かりました・・・。お弁当を作ります。胸の話はまたあとで」

「・・・・・」


忘れるつもりはないみたいだ。変なフラグ立てるなよ・・・。







そうして昼休み。俺は数夏が作業をしている間寝てしまったため料理の過程を見ていない。とても怖い。


「七実さん☆」

「そんなキャラじゃないだろう」

「お弁当ですよ」

「お、おぅ」


確かに怖い。しかし今、なんだかすごい恥ずかしい。女の子からお弁当ってどんな感じで受け取ればいいんだ?普通にもらえばいいのか?


「あぁ、ありがとうニカッ」

「そんなキャラじゃないでしょう」


ツッコミ返しだった。俺も思ったさ、おかしいって。


「で、開けていいか?」

「もちろんです!あ、その前に机の中にある、大量の飲み物を渡してください」

「・・・・・・・・はい」


もしものための流しこみ作戦はなくなった。信じようとか言ってたのにね。


「ではどうぞ!」

「・・・・・」


もう無言な俺。


カパッ


「ん?おぉおおおおおおおお!」

「ふふっどうですか!」

「・・・・・・おいしそうだね・・・・・」

「そうでしょうそうでしょう!」


確かにおいしそうな目玉焼きだった。・・・・・まぁ、よかったさ!おいしそうだもの!誰も失敗しないもの!いやぁ、よかったよかった。


「じゃあ、いただきます」

「わくわくわくわくわく」

「あむ・・・・・」


んぐんぐんぐんぐ・・・・・。


「どうですか?」

「これ材料は何?」

「えと、緑の野菜にあと、近くにあった赤いものに、あとはそうだ!クラゲ!」

「目玉焼きの要素が1つもねぇ!」

「目玉焼き?」

「違うんかい!この白と黄色はどうやってだしてるんだよ!」

「・・・・・・分かりません\(^o^)/」

「作ったのお前!そして顔文字を活用すんな!」

「それでおいしいですか」


そういえばまずいわけではないな・・・。


「あぁ、まずくはない。おいしいよ」

「本当ですか!」

「うん」

「隠し味のおかげでしょうか?」

「隠し味?」

「戸張さんに言われた隠し味なんですよ」

「嫌な予感しかしないが一応きこう。それはなんだ?」

「はい!愛です!」

「ブフーッ!」


あの野郎!変な知恵いれやがって!


「お、おぉ、そうか」

「うん!」


無邪気!実に目が無邪気!これじゃあ変なことを考えてる俺がバカみたいだ。


「そうかそうか。偉い偉い」

「えへへー。うん?」


頭をなでる。子供みたいだな、こいつ。よしこのまま流そう。いきなりはずかしいわ!


「ありがとうな、数夏」

「いえいえ、そんな」

「おやーっ!お2人さんあつあつだねー」

「うぜぇ!その煽りやめろ!」

「戸張さんのおかげでおいしくできました!」

「それはモ〇ハンのあれかい?」

「やめろ」








「ふぅん。元気になったんだ・・・未空」


廊下。笑いあう3人を見ている人がいた。


「あー、駄目だなー。これは駄目だ」


その場から立ち去ろうとする。


「これは潰したくなる・・・ふふふ」


男は去っていった。

どうも、お久しぶりです。


全然更新できてませんでした・・・すみません・・・。


これからは頑張ろうと思います。


でわ

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