第2片 理系少女とダニエルの悪夢
爽やかな朝!気持ちのいい風!どうもこんにちわ!七実未空です!さぁて今日はどんな楽しいことがおこるのかな?
「んーっ」
と漫画のようにのびをする俺。あれから2日。俺はクラスにあまり馴染んでいなかった。というかまわりのやつらもそうらしくいくつかのグループができてしまっている。そんな教室の中俺は窓際の席で空を見ていた。
「小鳥のさえずりが俺の心をいやすよ」
「何気持ち悪いこといってんですか・・・・・」
「おうあっ!」
俺に辛辣な一言を送ってきた見た目中学1年生の高校2年生、岸島数夏。理系の中の理系である理系少女。なんか出会ってからよくからんでくる。この2日間はこいつと話してばっかだったな。付き合ってるわけじゃない。好きでもないし。でもなんか俺と似てる。こう・・・オーラがね。
「お前・・・・!驚かすなよ!」
「いえ、七実さんの目がキラキラしてたもので阻止させていただきました」
そのまま輝かせて!お願いだから俺の一等星に手をださないでっ!
「ていうかどうしたんですか?春だから頭がおかしくなったんですか?」
「違うわ!だからそんな哀れみの目で見ないで!」
「まぁ、いいですけど。ほんとうにどうしたんですか?」
「いや、なんか起きた時すごい清々しかった時ってないか?理由もなく」
「ラリってんですか?」
「つめてぇな!」
本当に失礼なやつだった。ていうかあるよね!そういう時!
「確かに目ざましよりもパッて目が覚める時ってありますよね。そういう時は確かに清々しいです」
「だろう。今日がその日だったんだよ」
「それで少女マンガの目みたいになってたんですね」
「そうだよ。いいか岸島。世の中には理由というものがある。だがそれを超越するのがこの『なんか起きた時清々しいな現象』だっ!」
「略して『ナンシー(なんしい)』ですね」
「外国人の名前みたいだな」
しかも大事な部分まるまるカットだった。清々しいとか重要なんだけどな。
「いいんですよ、世の中には『はが〇い』やら『と〇モノ』とかっていう略し方もあるんですから」
「お前自由だな」
伏字使うような例え方するなよ。どっちも有名だけどさ。ていうか地の文読まないでくれる?恥ずかしいから。
「ところでナンシーさん」
「俺の名前は七実だ。だれがナンシーだ」
「七実さんは『ナンシー』になることによって大分テンションが違いますね。私は『ナンシー』になってもテンション自体はたいして変わらないですよ」
「そうか?気づいてないだけだって」
「いえ、七実さんの『ナンシー』は異常です。きっと寝てる間になんかあるんじゃないですか?」
「例えば?」
「エロい夢見たりとか」
「俺のことなんだと思ってるの!?」
それを『なんか起きた時清々しいな現象』とかって名付けて恥ずかしいだろっ!
「じゃあ、お前も『ナンシー』になったら教えてくれ」
「分かりました」
というと1時間目担当の教師がきた。さーて、今日はいい日だなー。
〇
「おはようございます・・・・・・・・・」
「あぁ・・・お、おはよう・・・・・・・」
次の日。岸島はよっれよれだった。弱っていた。昨日と同じ俺の窓際の席の近くで岸島はやる気のなさそうなあいさつをした。
「えぇと・・・どうしたんだ・・・・・・・?今日は早いじゃないか」
「なんか・・・・起きた時すんごいやる気がでない時ってありません?」
ああ・・・・・朝に宿題やってないこと思いだしたり、ちゃんと起きれなかったり、時間なくて朝ごはん食べれない時とかね。朝から失敗続きだとなんか今日死ぬんじゃないかって思うよね。
「で、それが今日だったと・・・・」
「はい・・・。『だってなんにもしてないのにえらいやる気でぇへん現象』です」
「略して『ダニエル』だな」
そしてなんで大阪弁?
「『ダニエル』なんて失礼な・・・。ふざけてないでください。深刻なんです」
「その失礼なことをお前は前日俺にやっているんだ、気づいてた?」
自分のことを棚にあげやがって。
「棚に上げる?」
「お前は早急に国語の勉強をしろ」
急激に心配になりました。
「で、どうしたんだ?」
「いえ、宿題を忘れ、寝坊して朝ごはんが食べられず、朝ベッドから落ちました」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「はい、私なら大丈夫なんで・・・」
「典型的な『ダニエル』だな」
「典型的な『堕天使』です」
「中2病!?」
なんで自分だけかっこよくしてるの!?ずるい!こっちは『ナンシー』なのに!
「くぅ・・・・計算で今日だと昨日分かっていたんですけれど・・・無念。回避不可能でした」
「それも計算でだしたのかよ!」
「簡単な計算ですよ。ただ鼻血とか出ましたが」
「サ〇ーウォーズ!?」
どっかの映画で見たことあるやつを昨日ちょっとしたことでやりやがった。せめて世界を救うとかでやって欲しかったよ。
「で、今日はそんなテンションだったと」
「はい・・・・」
「俺は1年生の最後からテンションそれほど高くないからなぁ・・・そんなにテンション変わらないと思うぞ」
「なんかさらっと悲しいこと言いましたね」
「だって友達が全員理系だったしな」
「さらっと涙ぐむこと言いましたね」
「でも結果文系と理系が混ざったクラスだったからな」
「じゃあ、お友達もいるんじゃないですか?」
「一人もいない」
「さらっと泣いていいですか?」
といって岸島は泣きマネをし始めた。そんなに悲しいことなのか?
「でも男友達はいないが同じ寮のやつならいるぞ」
「ってことは女の子ですか、このハーレム野郎」
「さらっと暴言吐くな。そしてどこがハーレムだ」
「その子と私」
「さらっとお前も入ってるんだな」
ずうずうしかった。ていうかお前ふざけてるだろう。
「なぁ、ダニエル」
「ダニエルじゃないです。岸島です」
「じゃあ堕天使」
「中2病!?いやです!恥ずかしいです!・・・・くっ!やめろ・・・疼くな・・・右腕」
「中2病じゃねぇか!ていうか疼いてるってことは俺を殺そうとしてるよね!?」
「で、なんですか?」
「さらっと流すな。お前、俺と一緒にいるが、お前もこのクラスに友達がいないのか?」
「学年にもいませんよ?」
「大号泣なんだが!」
俺よりひどかった。
「私はこれでも数学、理科系などで学年1位ですからね!近寄りがたいんでしょう」
「自慢かよ」
「お嬢様っぽい高飛車な人に近寄りがたいのと似ています」
「『うわ、やべぇこいつと関わるとめんどくせぇ』のと同じだと思う」
「それもしかして七実さんの感想じゃないですか!?」
「もしくは『イカれてやがる・・・こいつ仲間を喰って進化しやがった・・・』と同じ」
「化け物に対する感想ですね!近寄りがたいというか近づきたくないですよ、そんな化け物」
「だからそれと同じだって」
「近寄りたくないと!そういうことですか!」
いや・・・・まぁ・・・・・そういうことだよね、基本。なんでも計算ですまそうとするやつにはちょっとね・・・・。
「あー、傷つきました。今日はもう最悪な日です・・・・」
「いや、すまんすまん。ボケだボケ」
「ザ〇」
「死の呪文!?怒ってらっしゃる!」
「ザ〇キ」
「呪文のレべルが上がった!?」
死ねということですか!?ねぇ!岸島さん!
「もうMPがやばいですね。席につきましょう」
「ゲームと現実を一緒にするな」
「ギャルゲやエロゲと現実を一緒にしてる人に言われたくないです」
「俺最低じゃんっ!」
「出会いがしらにえっちぃこと。あいさつがわりにえっちぃこと」
「本格的に俺、末期だな」
「やめてください。見ないでください。妊娠します」
「節操ねぇな!俺!」
そこまでじゃねぇよ・・・。というか一緒にしてねぇわ!
「ところで『ダニエル』はなおったか?」
「え・・・・・?あ・・・」
そう俺はだてにふざけてたわけじゃない。こいつが本当に辛そうだったので元気づけようとしていたのだ。ふふ!どうだ、このかっこいい作戦は!
「あ、ありがとうございます・・・・」
「気にすんなよ。もう授業始まるぜ」
「はい!ザラ〇ーマ!ザラ〇ーマ!」
「死の呪文連発!?しかも全体にきくんだけれど!」
クラスメイト大ピンチだった。そうして元気にスキップしながら席に戻っていく岸島。
「死の呪文で照れ隠ししたのか。素直じゃないな」
といいながら元気が戻った岸島を見て俺は安心していた。ていうか死の呪文で照れ隠しって普通じゃないだろ。
「さーっ!授業始めるぞー」
と言いながら古典の教師が入ってきた。さてと・・・授業授業・・・・?あれ?なぜだろう岸島から恨みの視線を感じる。
「あ・・・・!」
そこで思いだした。今日、こいつは朝早めにきていたんだ。俺は寮から近いので早めに行こうと思えば簡単に行ける。しかしこいつは違うはずだ・・・。じゃあなんでわざわざ早めに来たか・・・・。
「はいはい!宿題集めるから列の後ろのやつが列のやつ集めてこいよー」
宿題しようと思ってたんすねー・・・・。忘れたっていってたもんな、宿題やるの。でも俺がふざけたせいでそのことを忘れていたと。俺はこの授業が終わったら男子トイレに逃げようと思った。
「岸島、宿題忘れたのか!?今日はお前にみんなの倍の宿題だすからな!」
ごめん・・・。でもさ、俺は元気づけたぜ。そう!いいことをしたはずなんだ!でも俺はその助けた奴から逃げなければいけない。死の呪文をかけられないように。運命ってのは残酷だね!
というわけで日常色でお送りいたしました。
なんか長くなってしまいましたがどうでしょうか?
すらすらいくのでどうしても長くなってしまいました。
でわ