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第28片 理系少女と文系少年の弁当

「私がお弁当を作ってあげますよ」

「え・・・?」


おかしいな。七実未空。16歳にしてとうとう耳がやられたか。それとも空耳かな?そういえば数夏がなんか言ってたような気がするけど・・・。


「ごめん、もう1度言ってくんないかな?」

「だから、お弁当を作ってきてあげますって」

「誰が?」

「私が」

「・・・・・」

「・・・・・」


これは一大事じゃないのかい?誰か説明してほしい。でも説明できる人間など俺しかいないんだけど。しょうがない。ここに至るまでの経緯を話そう。


「いやー、最近はパンばっかだよな」

「はむ?」


俺の言葉に数夏がパンをくわえたまま振り向いた。それまでこいつは俺と昼食を食べているにも関わらず空を見てやがった・・・。俺との会話はそんなに楽しくないか・・・。


「ふぉういへはふぉうへふほね」

「ごめん。食べるかしゃべるかどっちかにしてくれ」

「もぐもぐもぐ」

「・・・・・」

「もぐもぐもぐ」

「食べる方を選ぶなよ!いいたいことがあるならしゃべるを選べ!」

「ごくん。いえ、そういえばそうですね、と」


普段はパンなのだが香織さんの調子がいいときは弁当の時があるのだ。それは週1ぐらいのはずなのだが・・・。


「最近、香織さん忙しそうだもんな」

「そうですよね・・・」


忙しい。理由は分かっている。それは住人が増えたからだ。数夏ももちろんだが柏部も戻ってきたからな。たぶんそれが関係しているんだと思う。


「お前が気にすることはないさ」

「・・・・・」

「数夏?」

「パンばかりじゃ栄養が偏りますよね」

「え?・・・あぁ、まぁそうだよな」

「わかりました」

「?」

「私がお弁当を作ってあげますよ」


ということだ。諸君。詳しい人なら分かると思うがこういう時弁当はほとんどの確率でまずい。いや、そこらへんの物語基準で考えちゃって申し訳ないんだけど。


「お前、料理できるの?」

「いえ、これからやってみます」


これを避ける方法はなものだろうか。頑張れ未空!こいつを止めれるのはお前しかいないぞ!


「いや、でも俺パン好きだしさ」

「好き嫌いは駄目ですよ、めっ!」


ごめん、食べれる物ならいいんだけどさ。好き嫌いとかじゃなくてね。もう展開が予想できるぞこれは・・・。


「でもさ、ほら、・・・・・」

「なんですか?」


・・・・・・・・・・理由が思い浮かばない・・・。その気持ちは嬉しいんだけどさ!でも俺も腹を壊したくないっていうかなんというか・・・。


「なんでもない」

「そうですか」


俺、弱すぎる!口げんかで勝ったことがないんだよな。日本語が難しいとはきくが、難しいと思う前に使えないという恥ずかしい感じだよね、これ。


「期待しててくださいね!」

「わかった。ハンター☓ハン〇ーが来月で完結するぐらい期待してる」

「それは期待してるんですか!?」


そんなこんなで放課後。俺は一番最初に寮に着いた。香織さんもいないみたいだし、行動をおこすのは今しかない・・・か・・・。


「ふふふ・・・食料全部消滅作戦!これで明日弁当は作れなくなる!」

「んにゃぁ?なにしてーんの?」

「・・・・・」

「・・・・・」

「やぁ、山梨。俺は忙しいんだ。今すぐ寮から出て行ってくれないか?」

「そんな大々的なことで忙しいんだ。何やるの?何やるの?」


ちくしょう!これしきで下がる山梨じゃなかったか!ちぃ!俺の作戦が・・・ハッ!


「山梨。これから俺は大変なことをしようとしてる。それを女子のお前に見られたくないんだ」

「え?それってなになに?」

「エロ本の隠し場所」

「・・・・・・・・・」


無言で去っていく山梨。これで俺の作戦は完成する!フハハハハハハハ!!


「って緋色に高松まで!?ちょ!冗談だって!冗談だよぉおおおおおおお!」


そんな様子を香織さんが何をしているの?という様子で見ていたが気にならないぐらい弁明していた。これで作戦はパァだ。





どうもお久しぶりです。


ようやく骨折が治ったのでバンバン更新していきます!


あと、新作の天使の挑戦~3つのセカイ~をよろしくです。初SFファンタジー!


ちなみに推測屋は終わりましたが短編でやっていこうと思いますので


でわ

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