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第26片 文系少年と暗黒少女の最終住人

「あー、次頑張ったら講習か」


と言いつつ机に突っ伏す俺。七実未空ななみみそら。今日は講習があるため授業が終わっても残らなきゃいけないのだ。


「だりー」


めんどくさくてめんどくさくてしょうがない時。ふと教室の生徒の話し声を聞いた。盗み聞きじゃないんだからねっ!


「知ってるか?今日、2年の3組・・・隣の教室か。そこに黒い衣装のやつがいたんだと」

「はぁ?なんだそれ?制服じゃないってことか?」

「そうなんだよ。世間で言うゴスロリ?とかいうやつらしい」

「先生注意しないのか?」

「してるらしいけどまるできかないらしい」

「変わったやつもいたもんだな」


それを聞いて俺は青ざめた。まさか・・・あいつが帰ってきてるのか?








「さてと」


放課後。講習まで時間があるため、やつを探しにいこうと思う。数夏と山梨は図書館の方へいったような気がするが・・・。何しに行くんだろうか?そうは思いながらも俺は隣の教室3組へと行くことにした。


「いるかなー・・・っと」


異質。その2文字が限りなく似合うゴスロリ。髪は黒くストレート。顔は可愛いが誰も寄せ付けないような圧迫。そして子供みたいな背丈。数夏といい勝負だ。


「おーい、そこの喪服」


そうふざけて呼ぶとそいつはピクッと反応して席から立ちこちらへと向かってくる。懐かしいな。1か月2か月ぶりだ。でも背は伸びてないんだな。


「誰かしら。今、この服のことを喪服と呼んだのは」

「お、きたきた。久しぶり」

「あなたは誰?私の知っている七実未空ではないわね」

「いや、俺だから」

「これは人格転移かしら。なかなかすごい術式を使っているようね」

「おい、落ちつけそこの邪気眼」


こいつの名前は柏部未海かしわべみみ。中2病の邪気眼持ち。なんだろうこの感じ。俺の妹〇こんなに可愛いわけがないの黒〇さんに似ている。まぁ、でも決定的に違うところがあるんだが・・・。


「柏部。お前いつ学校に復帰した?」

「私はいつもいたわよ」

「なんだその軽いホラー」

「私は見てたもの。監視用の術式ぐらい簡単にたてられるわ」

「いや、お前ただひきこもってただけだろうに・・・」


こいつは部屋にひきこもっていたのだ。2次元の世界へと旅立っていった者。だからみんな日本にはいないとか言ってたんだよね。


「で、あじさい荘に新住人がきたんだけど」

「そう」

「そう、じゃなくてだな。お前を紹介したいからついてこいよ」

「嫌。私はあまり人と関わりたくないの」

「ほう、でもいい機会だ。紹介したい」

「嫌。私はヒトに触れられると魔の力に目覚めて・・・」

「うるせぇよ!ひきこもり!」

「・・・・・なによ・・・そこまで言わなくてもいいじゃない・・・」

「あ、いや、すまん」

「何動揺してるの?」

「このやろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


ただでさえめんどくさいあじさい荘の住人の中でも群を抜いている。それがこいつ。そして異常に疲れる。それが欠点だな。


「まぁ、いい。図書館にこい」

「何をするつもり・・・?」

「そこでそんな反応するなや!邪気眼はどうした!なんでおそわれると思ってんだよ!」


心外だった。


「冗談よ。でもごめんなさい。私はもう行かなければならないの」

「どこにだ?」

「悪魔の神城によ」

「お前ひきこもるつもりだろ。引きこもるつもりだろぉおおおおおおおおおおおおお!!」

「では」

「ではじゃねぇよ!お前講習はどうした!」

「あんなもの受けても受けなくても同じよ。それぐらいあなたも分かっているでしょう」

「ぐ・・・」


そう、こいつは学年トップの成績を持っている。頭がいいというレベルじゃない。次元が違うと思わされてしまうのだ。確かにいろんな意味で次元が違うが・・・。


「まぁ、でも紹介ぐらいいいじゃねぇか」

「嫌よ」

「まぁそう言わずに」

「嫌」

「そんなかたいこというなって」

「嫌」

「すぐに終わるからさ」

「嫌」

「げへへーまぁ、いいじゃねぇかねぇちゃん・・・・・はっ!」


変態になっていた。駅とかでいそうなやつだった。


「ボケはおいといて」

「勝手にボケにしないでいただけるかしら」

「ボケだよ!本気なわけねぇだろうが!勘違いするようなこというなや!」

「私はもう疲れたわ」

「奇遇だな。俺もだよ」

「じゃあ、帰らせてもらうわね」

「いや、だから図書室にだなぁ・・・」


おっと、ここでこんな話しこんでたら時間がなくなっちまうなぁ・・・。てっとりばやくいきたい。でも・・・あんま使いたくない手なんだが。


「お願いだからきてくれ!」

「いやよ」

「むぅ・・・」


やるしかないようだな。これしか手段はない。


「柏部」

「なに?行かないといっているでしょう。しつこいわね。何度誘ったって同じ事・・・」


俺はまわりに誰もいないことを確認し、そして・・・・・・・・・・・・・・・・・スカートをめくった。


「ひゃ、ひゃわっ!」

「・・・・・・・・・」


俺はひたすら無言。


「な、何するのよぅ!」

「お、でたでた」


THE二重人格みたいなもの。昔から邪気眼だったわけじゃない。だから突然驚くことをさせて素に戻せば話は簡単だ。それにしても・・・


「お前って意外と子どもっぽいパンツはくんだな」

「!!」

「いや、背丈はぴったりだがいつもの性格とは・・・・・ってわかったわかったから!攻撃するな!」

「うぅ・・・恥ずかしい」


顔を赤くして涙目になる柏部。これはSに目覚めてしまいそうだ・・・。いつもは冷静なやつがこうね。取り乱したりすると萌える!これが萌えか!


「なんでスカートめくったの?」

「パンツが見たかったから」

「なっ!・・・・・・・・・そんな理由で・・・」


俺は小学生か。好きな子をいじめるっていう例のあれか。でも好きというか面白いという感情が強いんだがな。この時の柏部は可愛い!


「ていうかキャラが崩れてるぞ」

「はわっ・・・あなたのせいじゃない!」

「減るもんじゃないし」

「考え方が変態のそれになってるわよ!」

「そうかなぁ」

「は、恥ずかしいことしないでよぉ・・・・・」

「うん、もっとしたくなった」

「ドS!?」


この時の柏部はツッコミにまわる。いいなぁ・・・。なんかこういいね!


「・・・・・・・・・・・ふん、私は帰るわね」

「あ、戻った」

「私はいつも冷静なの」

「図書館の話だが」

「嫌」


もとに戻るのはやすぎ。素のお前と会話しないと意味ないのに。素のこいつは素直だからなぁ。


「じゃあ、また会いましょう」

「あ、そうだ。さすがにくまのプリントパンツは高2にもなって・・・」

「う、うるさーーーーーーーーーーーーーーい!」


走って去っていく。なんか変態という名が染みついてきたなぁ。







「お、ここにいたか」


俺は図書館にきていた。そして山梨と数夏を見つけ、中に入っていく。数夏寝ているようだ。・・・・・え?どうして?なんで寝てるの?


「どうしたのなんか疲れてない?」

「あいつと会ってきた」

「あいつって?」

「黒だ」

「あぁー・・・日本にきてたんだ」


あいつは『暗黒少女あんこくしょうじょ』と呼ばれている。文系で妄想力も長けているが邪気眼まじりになる。文章の状況把握が得意。


「で、数夏に紹介しようと思ったんだが」

「寝ちゃってるんだ」

「どうやらそのようだな」


誤魔化した。スカートめくりして帰っちゃったとはいえない。


「本を読んだら寝たなんて子供みたいなやつだな」

「そうだよね。でも可愛いよ」

「・・・・・・・・・・・・絵本?」

「うん。これ読んでほしいって」

「期待を裏切らないな」


想像通りのやつだった。そしてチャイムもなる。講習に間に合わなくなるので急いで数夏を起こす。


「もう行くぞ、授業に遅れる」

「はい・・・むにゃむにゃ」

「おい・・・・・・・・」


あれ?・・・・・・・・・・・・名前が・・・・・あ。


「山梨も行くぞ」

「うん」


なんで山梨の名前を忘れたんだろう。もう歳だといいてぇのか。まだ16歳です!そして気になることがあったので聞いてみる。


「お前ら変な話してねぇだろうな」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「なんでだんまり!?」


しかし俺もそれ以上追及しなかった。だって俺もやっちまってたこと思い出した。スカートめくり。


「ま、たまにはいいよな。そういう話も」

『あれ!?』


というわけで3話連続でおかしい感じになってしまった。次は・・・分からないや。

というわけでまたまたこんな内容。

若干反省しつつ、半分開き直ってます。


次こそは!でもたぶん・・・・?


今回は前回と日にちがかぶってます。前回は山梨視点。今回は七実視点。

一方そのころ・・・のサイドストーリーです。


次回は普通にバカ騒ぎということで、でわ。

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