第25片 理系少女と妄想少女の大小
「聞きたいことがあるんですけど」
「ん?」
私はこれから寝ようと思ったところに数夏ちゃんがきた。ここは図書室の放課後。んー、なんだろ。お、そうだそうだ。語り部は今回、山梨戸張だよーん。驚いたっしょ?そんなわけでどんな質問だろう?
「あの・・・・私に胸を大きくする方法を教えてください!」
うん。これこの前変な話したからピュアでいこうということにならなかったっけ?七実くんに怒られそうだなー・・・。でもま、今七実くんいないし、ていうかどこに行ったんだろう・・・。
「いや、でも数夏ちゃん。そういう胸の需要もあるんだよ」
「そういうってなんですか!?」
「控えめな?」
「控えめにしてるんじゃないんですよ!もっとボイーンと!」
「むー、そのままでもいいと思うんだけどな」
「そ、そうでしょうか?でも男の子は大きい方がいいんですよね?」
「そんなことないと思うけど・・・」
まさかまさかの質問だよ・・・。私はこれでも巨乳キャラだからね!ふふん!・・・・・まぁ、でも七実くん若干ロリコンだし。私の予想だけど。
「七実くんは小さい方がいいんじゃない?」
「だ、誰が七実さんのことだと言ったんですか!男の子って言ったんですよ!」
あー、顔を赤くして可愛いなー。でもこれはまだ自分の気持ちに気付いてないねー・・・。
「数夏ちゃん。女の子に胸の話をするということは・・・お約束わかるね?」
「え・・・。なんでそんな笑っているんでしょうか・・・」
「うへへへへー!揉ませろー」
「うあー!ちょっと!戸張さん!自分のほうが大きいじゃないですか!」
「小さいのも可愛いんだよ」
「うわっ!」
「ふふふ、捕まえたぜー」
「あっ!ちょっと!・・・んっ!あぁ!」
「これ声だけでも規制されちゃいそうだね」
「じゃあやめてくださいよ!」
ちっちゃい体を頑張って動かして抜け出す数夏ちゃん。私はロリコンに目覚めたんじゃなかろうか・・・。いや、数夏ちゃんに失礼だね。
「じゃあ、ロリー」
「ロリー!?」
「あ、考えてたこと口に出ちゃった」
「いやいやいや!失礼ですよ!」
「まだ何考えてたか言ってないよー」
「大体わかりますよ。まだ子供はどこから生まれるかも教えてもらってないのに・・・」
「それは知らない方がいいね」
「むー」
不機嫌になっちゃったなー。ここは話をそらそう。
「ところでさっきの質問の回答だけど」
「な、何でしょうか!やはり牛乳でしょうか?」
「いや、私は特に何もやってないんだ」
「え?その持ち主でですか?」
「その持ち主って・・・。うん、ほんとほんと」
「そうなんですか・・・」
「でも七実くんはロリコンだし」
「七実さんの話はしていませんよ!そしてロリコンってどういうことですか!」
「うん・・・ごめんね」
「そこで謝られても!」
「そうだ本読んであげる」
「なんかもう完全に子供扱いですね!」
「ほら、本持っておいで」
「・・・・・・・・分かりましたよ」
そう言って本を持ってくる。ここは図書館なので小説あたりかな?
「はい、これ」
「おぉ、なんだいなんだい?」
絵本だった。まさかの期待通り!かわええなー。めっちゃ笑顔だよ。ロリに目覚めちゃいそうだよ!
「うん、偉いね」
「何がですか!頭撫でないでください!」
「ほらほら、読むよー」
「むぅ・・・」
文句を言いながらも黙る数夏ちゃん。素直な子だ。
「えーとなになに」
読み進めていく私。いやー読みきかせなんていつぶりだろうか。いつぶり・・・。いや、いいや。振りかえらないよー!私は前を向いて歩く女だからね!
「あれ?」
「すぅすぅ」
数夏ちゃんは寝ていた。ほんと可愛い子だなー。微笑ましいや。
「羨ましいや・・・」
私はそんな本心を言葉にしていた。私はなぜその言葉を言ったのか理解できない。でもどこかで分かっているような気がする。
「お、お前らここにいたんか」
すると図書室に七実くんがきた。なんか疲れてない?
「どうしたの?なんか疲れてない?」
「あぁ・・・あいつと会ってきた?」
「あいつって?」
「例の黒だよ」
「あぁー・・・って日本にきてたんだ」
「ようやくむこうの世界から帰ってきたんだ。出席日数の関係でね」
「そうなんだ。じゃ、もう学校きてるの?」
「おう。で、数夏に紹介しようかと思ったんだが・・・」
「寝ちゃってるんだ」
「どうやらそのようだな」
「本を読ませてたらね」
「ん?どんな本なんだ?」
そういって私の持っている本に目をむける。
「・・・・・・・・・うんまぁ、絵本か」
「可愛いでしょ」
「期待を裏切らないな」
「怒られるよー」
「まぁ、ここで騒がれても困るしな」
「図書館は静かにだしね」
「高松にも怒られそうだ」
「うん、じゃあ私はしばらくここにいるよ」
「俺もいるさ」
「でも次移動教室だよ」
「お前もだろ。同じクラスだし」
「いいよ」
「いや、いるっての。さぁて暇だし本でも持ってこようかな」
「エロ本はやめてねー」
「おまえ!やめろ、普段からエロ本しか読んでないやつみたいじゃないか」
「そうでしょ」
「違うわ!見ろ!なんか注目浴びてんじゃねぇか!」
「それは七実くんのせいだと思うよ・・・」
その時チャイムがなった。今日は講習が放課後にあるのだ。
「あ、数夏もう起きろ」
「ん・・・むにゃむにゃ。あー、七実さんじゃないですか」
「そうだ。もう行くぞ。授業に遅れる」
「はい」
「おい、・・・・・・・・・山梨も行くぞ」
「うん」
今の間はなんだろうか?まぁ、いいや。
「おい急げ」
「分かってますよ」
「うん」
私は妄想少女。私の妄想はいいことばかりじゃないんだ。でもでも。そんなの気にしないでもいい場所がここにあった。
「お前ら、変な話してねぇだろうな」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「なんでだんまり!?」
シリアスにはむいてないね。これ。
今回は少しバカ騒ぎ成分を抜きました。
次はかなりやばいことになると思いますが・・・。
かなりバカ騒ぎです。
それどころかついに・・・
でわ次回