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第20片 理系少女と文系少年の7月7日 残り1日①

7月6日。作戦決行日。放課後俺らはあの豪邸の門の前まできていた。


「というか七実くん、この前から元気がないよねー?」

「そ、そうか?」

「・・・・・・・・・・・・・・うん」

「数夏ちゃんなら大丈夫だよ・・・」

「いや、誰も岸島のことだなんて言ってないけどな」


でも、ま図星でしたよ。さて、と。じゃあやりますか。俺はインターホンをならす。こんな遠い位置にインターホンがあっても通じるのだろうか?


『はい』


たぶん黒スーツの声だろう。俺はインターホンのカメラ部分からかくれて、バレないように声を変える。


「すみません。宅配便なんですけど」

「・・・・・・・・・・・七実くんって古風だね」

「うん・・・ちょっとありきたりかな?」


うるせぇよ!今、真剣なんだから!


『あぁ、はい。じゃあ今、門を開けますね』


ウィーンという音がしたと思うと門があいていた。さぁて、ここからがかっこいいぞ。みんなこの七実未空の活躍を見ろ!さぁ!パーティーの始まりだ!・・・・・前もこんなのなかったか?


「じゃあ、失礼しまーす」

『あ、いえ。今私がそこまで行きますので』

「あー、いいですよいいですよ。危ないですよ、近づいたら」

『危ない?』

「怒りをもった人間は爆弾にも匹敵する。というわけで・・・・・」






「爆弾のお届け物でーす」





『なっ!おい!』


ブツッ


「さぁ、こっからだな!みんな作戦はおぼえているか?」

「うぉい!インターホンで正体バラしてどうすんの!」

「・・・・・・・・・バカ」

「でも・・・その・・・相手をひきつけられるよ」

「うん。慰めはいいからいっそ罵倒してくれ!」


爆弾というよりドMの変態男のお届け物だった。


「まぁ、ちょっとはやくなっちゃったけれどここでドンパチだね!」

「・・・・・・・・・・庭の方が広くていい」

「じゃあ行くよ・・・」


ここから俺は全力疾走で家まで行かなきゃいけない。家まで遠いな!息が続かねぇよ!


「おい!いたぞー!」

「ほら!きちゃったよ!七実くんのせいだよ!」

「しょうがねぇじゃん!いいたいセリフいっぱいあんだもん!」

「そんな理由!?」


そう言ってる間に黒スーツのやつらが集まってくる。


「・・・・・・・・・ここは私」


そう言って緋色はハンドベルをとりだす。


「・・・・・・・・・・・・・・・いつもより長め。凍れ」


パリィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン


変な音が長めに鳴り響く。脳の一時停止だ。しかしそれはハンドベルを見ているか振っているものを見ないと意味はない。だから俺らの一番うしろに緋色を配置し、俺らは一時停止されないようにしたのだ。そのおかげで黒スーツどもは動かなくなる。


「じゃあ・・・私ね」


そこに高松の雷瞬。すごいスピードで動きが止まった黒スーツどもをなぎ倒す。しかもほうきで。それはゴミを掃除するっていう高松ドS都市伝説に新たな名前を刻むという意味かな?黒スーツをゴミと見立てるとは・・・実力者だな。でもそうしないと委員長能力である雷瞬はでないんだよな。あくまで規則を守ってないやつを救うためのものだし。


「うっし!快調!」

「・・・・・・・・・・・・未空なにもしてない」

「そうだよー、なんでそんな主人公面?」


俺はなんでここにいるんだろうかね。いやいや!やれることはまだあるはず!だっしゃらー!


「ほら!ふざけてる場合じゃないよー!次がきてるー」

「おし!任せたお前ら!」

「ヘタレ!」

「うるせぇ!」

「もう甲斐性なしに頼れない!ここは私の妄想だね!」

「おい!いつ甲斐性なしになったの!?さっきまでヘタレじゃなかったっけ!」


いつもと変わらないような気がするがまぁ、いい。作戦は順調だ。







お父さんにぶたれた頬のはれがひどかったのでガーゼとか自分でやってみたけど上手くいかないです!なんでこんな難しいことみんなはできるんでしょうか!


「外が騒がしいな」

「え?そういえばそうですね・・・」


確かに騒がしいです。どこのどいつがそんなことを・・・。騒音だって立派な公害ですよ!まぁ、きっとどこかの子供でも騒いでいるのでしょう。明日、私はたぶんアメリカに飛び立つことになります。覚悟はまだ決まらないですけど・・・でも・・・もう・・・。


「たっ!大変です!」

「どうした?」


黒スーツの人があわてて部屋に入ってきました。ここはリビングみたいなものですが広すぎて落ちつきません。金持ちの家は苦手ですね。


「人が・・・人が入ってきて今、乱戦状態です!」


乱戦?どういうことでしょうか?子供の遊びに付き合ってあげてるんでしょうかね?しかしお父さんはニヤッと笑いました。


「そうか・・・侵入者の特徴は?」

「全員高校生みたいです!制服を着用しています!」


ん?高校生?子供の遊びじゃないんですか?


「他には?」

「一人はハンドベルを持っており、もう一人は妄想とか言って仮説を話しています。さらにもう一人はほうきでまわりに雷を纏ったようになぎ倒しています」


あれ?どっかできいたような特徴ですね・・・。


「もう一人・・・いるんだろう?」

「はい!何もしていない男が一名おります!」

「そうか・・・私がでよう」

「は!しかし・・・」

「いい、大丈夫だ。数夏、お前はここから絶対に出るな」

「はい・・・」


それにしてもなんか気になりますね・・・。ハンドベルに妄想。雷に役立たず・・・。あれ?えっと・・・そんなわけないですよね。私は平気と言いましたし・・・その・・・そんなわけ・・・。


「・・・・・・・・」


そんな・・・。そんなはずは・・・。でも私はどこか喜んでいました。理由は明白。私はまだ未練が残っているようです。









「はーはははは!どうだ!私の妄想は!」

「怖いよお前!なんだぬるぬるの気持ち悪い影に捉えられるって!黒スーツの動きは止まったけれど!かわいそうでしょうがないわ!」

「いいじゃんいいじゃん。目的は足どめだしー」

「そうだけども!でもお前ぬるぬるの影ってなんだよ!」

「いや、触手みたいな感じだよ」

「最悪!そしてどこかエロチック!」


そんな感じで俺らは庭を走っていた。もちろん動きが止まった黒スーツは高松に殴られてる。ほうきで。一番怖いのは高松かもしれない。


「で、もう奥のほうに家が見えてるわけだけど・・・。なんだあの豪邸!」

「いや、ほんとすごいよねー」

「・・・・・・・・・・・私、ちょっと持って帰る」

「何を!?家を!?一部分だけ持って帰ってどうすんだ!」

「その・・・七実くん、前」

「へ?」


すると目の前に黒スーツの男がいた。こいつ高校生相手に容赦するつもりないよな!もうサングラスが怖いもの!


「ちっ!ここは俺に任せろ!」

「おぉ!急に男らしい!」

「・・・・・・・・・・・・・・未空やっちゃえ」

「うん・・・。頑張れ!」

「いっくぜー!」


俺は右手を握りしめる。まるでそこに異能の能力を全て消す能力があるかのように。実際は喧嘩慣れしてないただの握りこぶしだけどね!幻〇殺しじゃなくて悪かったね、ちくしょう!


「くらえ!」


パシ!簡単に黒スーツに受け止められる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「打つ手なしだ」

「弱い!みんなー!ここの人は使えないよー」

「お前!だって無理だろ!渾身の一撃だよ!?それが受け止められたときの絶望感!少年漫画の人達はこんな辛いことを乗り切って強くなってるのかよ」

「・・・・・・・・・・・残念」

「うん・・・」

「おぉっと!俺を傷つけるなよ、やけどするぜ」

「それは七実くんの心がじゃないかな?」

「じゃあどうしろと!俺には何もできないよ!」

「あ!これがポケットの中に!これ使って!」

「さんきゅ!山梨!」


そして俺はそれを見る。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「え?これ手榴弾なんすけど・・・」

「そうだよ!ピンをとって使ってね」

「俺を人殺しに仕立て上げるつもりか!」

「だって今しか使うところないじゃん」

「今だって使わねぇよ!目的は人殺しじゃないからね!?」

「じゃあ私のポケットには1回叩くと2枚になるビスケットしかないよ」

「緋色ー!お前は何かないかー!?」

「・・・・・・・・・あった」

「おし!ナイスだ!」


そして俺はそれを見る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「なんでアニメ〇トのポイントカード!?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・相手の目を」

「目をどうしろと!?そんな惨いことしないよ!」

「・・・・・・・・・・・・・他に私のポケットには竹刀しかない」

「もうそれでいいよ!おい!というかお前のポケットに入るの!?」

「・・・・・・・・・・見栄張った」

「ここでか!高松お前なんかあるか?」

「ごめん・・・スラ〇ムしかないよ」

「なんでまだ持ってるんだよ!もういいだろうが!」

「でもね。なんか可愛いよ」

「可愛いよ。可愛いけどさ。ルー〇で返してこいよ・・・・・」


そんなわけで打つ手はなし。しかし・・・・・。


「隙あり!」

「ごふぅ・・・・・!」


俺は隙をついて相手を殴り倒した。しかも顔面。


「よし!いくぞ!」

「だからなんで主人公面!?不意打ちだよ、不意打ち!」

「勝負にはな、汚いなんてないんだよ。あるのは勝ちと負けだけだ」

「汚いもあるよ!なにこの主人公は!」


いつも通りとか思わないでね。これでもここシリアスパートだから!うん、グダグダなのは認めるけど。愚だ愚だ。こっちのほうがあってるかもしれない。漢字的に。


「よし、家につっこむぞー」

「おー!」


しかし家の玄関近くなったころそこに人影が立っているのを見つけた。それは俺がもっとも怒るべき存在で。もっとも憎む存在で。もっとも怖い存在だった。


「てめぇ・・・・岸島父!」

「ようこそ、岸島家へ」

「何が岸島家だ!お前の名前、表札に傷ついてんだろうが」

「ほう、あれは君がやったのか」

「・・・・・・・・・・・・・」


うん、言うんじゃなかった。


「まぁいい。何をしにきたのかな?」

「岸島をとりもどしにきた」

「私も岸島だが」

「・・・・・・・・・・・・」

「七実くん男でしょ。どどーんと!」

「いや・・・緋色が言えばいいだろ」

「・・・・・・・・・私大きい声だせないからここからじゃ聞こえない」

「じゃあ高松が・・・」

「私・・・戦闘で疲れて・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」


なんだこいつら。ここぞとばかりに息があってやがる。


「・・・・・・・・す、・・・・・・・・・・・うか」

「は?聞こえないな」

「・・・・・・・すう・・・・・・・・・か」

「日本語も話せないような知能のやつには興味がない。され」

「あぁもう!分かったよ!・・・・・・・・・・・・・・」


そして俺は叫ぶ。









「数夏を助けにきた!」







ここからが本当の本番だ。











というわけでまだ続きます。


次あたりにまた挿絵をいれようと思っているので更新は遅れるかもしれません。


またいつもの日常が書きたいと思いつつも誕生日編楽しくやらせていただいてます。


でわ

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