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第18片 理系少女と文系少女の7月7日 残り5日

「1分たったので解放させてもらいます」


黒スーツどもはそう言ってあじさい荘からでていった。


「ちくしょう!岸島!」


俺はすぐさまあじさい荘を飛び出す。しかし岸島の姿はなかった。車か何かで移動しているのだろうか。まわりを見てもそれらしい人はいない。


「な、七実くん・・・」

「くそ!くそ!くそ!」


俺は何もできなかった。泣いていたのに。震えていたのに。なのにどうして・・・。無力。その2文字が俺をおいつめる。しかしそれに構ってる暇はない。俺は岸島を追わなくちゃいけない!


「ちょっと出かけるぞ」

「ななみん・・・。一回落ちつこうよ」

「落ちついてなんかられねぇ。そんな時間もねぇんだ」

「・・・・・・・・・・・・未空」


パリィイイイイイイイイイイイイイイイイイイン


ハンドベルの音がした。それは俺の脳内に響き同時に落ち着きを取り戻す。


「・・・・・・・・・・焦りすぎ」

「緋色・・・」


緋色のハンドベルは脳を停止させる。そこから復活した脳はすっきりとしているのだ。こいつのおかげで俺は落ちついた。


「すまん・・・」

「・・・・・・・・・大丈夫。あの人5日、6日はこっちにいると言っていた」

「でも・・・」

「だいじょうぶだよーん。あの人嘘が嫌いなんでしょ?」

「その・・・それに6日あれば作戦とかもたてられる」

「そうだよな・・・気持ちばっかりが先にいっちまってた・・・」

「場所の特定もしなきゃいけないしねーん」

「・・・・・・・・・・・・・・・だいたいは見当がついている。数夏の家」

「あいつの家?」


そういえば場所は知らなかった。家の場所も知らないけれど。


「じゃあ、あいつの家も探さないといけないのか」

「・・・・・・・・・・・・それも見当がついている」

「なんでだよ!」


異常なぐらいだった。こいつ見当でなんでも片づけられると思ってんのか。


「・・・・・・・・・・・大丈夫。ちゃんと後をつけただけ」

「それは大丈夫じゃねぇだろうが!」

「・・・・・・・・・・・でもそのおかげで行動に移せる」

「いやいやいや!そうだけどもね!」

「・・・・・・・・・・・分かった。次はちゃんと堂々とやる」

「最初からそうしてくれませんかねぇ!」

「・・・・・・・・・・・わがまま」

「俺が悪いのかぁあああああああああああああああああああああああ!!」


落ちついていたのになんかまたおかしくなってきた。しかも原因が落ちつかせた人だよ。これには参るね。


「まだ5日ぐらいはあるんだしー。あじさい荘で作戦会議!」

「そうだな・・・明日リビングでどうだ?」

「・・・・・・・・・・・・・いいよ。話し合う議題は?」

「あの黒スーツの対処法。それと岸島を助け出す!」

「アバウトー。でもそれぐらいが私にはちょうどいいよ!」

「・・・・・・・・・・今日はもう部屋に戻る」

「私も・・・」

「おう。またあとでな・・・・・」


グーギュルルルルー


「うん。高松。お昼ご飯作ってくんね?」


どんな状況でもお腹は減るものだな。これはしょうがないよね。緊張感が足りないとかじゃないよ!








というのが昨日決めたこと。今日は7月2日。学校だ。岸島はやはりこなかった。学校休ませるとか言ってたもんな、あのクソ親父。


「はー・・・授業が全然はいらねー」


そんなつぶやきをもらしても誰も反応しない。いつもなら岸島が反応してくれるのに。俺はこの3カ月ぐらいの間、岸島に依存していたんだな・・・と思う。今、とてもさみしかった。


「岸島・・・」

「おやおやー。ななみんは数夏ちゃんが恋しいのかい?」


ニヤニヤして近づいてきたのは山梨。それにしてもすげぇ胸。いや、違う違う。


「そんなんじゃねぇよ・・・」

「ん?なんで元気がないのかなー?」

「だからそれに岸島は関係ないって!」

「さびしいんでしょ?」

「なわけあるか」

「寂しいんでしょ」

「違うっての」

「さびしいんだね」

「はい・・・・・・・」


なんでそんな責めてくるの!?3回もきかれたらうなずくしかねぇじゃねぇか!


「そうかそうか。可愛いところがあるんだねー」

「その可愛いところを無理やり発掘したのがお前だぞ」

「可愛くないところも多いね」

「うるせぇよ!」

「まぁ、いいや。でも数夏ちゃんも今、君と同じ気持ちなんだろうよ」

「え?あぁ、確かにみんなと会えないのはさびしいよな」

「いや、そうなんだけども!鈍感男はこれだから困るんだよー」

「俺ほど人の恋愛に機敏なやつはいないぞ」

「嘘をつかないで。まったくどこの修行僧だよっていうぐらい疎いくせに」

「煩悩がないと!?そういいたいのか!」

「いや、修行僧だから煩悩はまだあるんじゃないかな?」

「残念ながら俺の脳の中は煩悩だらけだ。脳内メ〇カーで俺の名前をやったら金やらHやらでうまってると思え」

「それは逆にききたくなかったね」

「ほら、もう次の授業始まるぞ」

「ほいほーい。あっそうだ」

「ん?」

「作戦絶対成功させようね!」

「ははっまだ作戦も決まってないのにか」

「うん!どんな作戦でもこなす自信があるよ!核爆弾を防ぐことも!」

「急に規模がでかいな」

「おっぱいもでかいけどね」

「余計なこと言うんじゃねぇ!」

「むむ。煩悩だらけの七実くんは喜ぶと思ったのに」

「いや、普通の会話にはさまれたら誰でもよろこばねぇよ!」

「じゃあ、座るねー」

「おう・・・なんで最後に俺を疲れさせたんだ・・・」


岸島のいない学校生活。あまり楽しくないけれど元気はでてきた。やっぱりみんなそろって学校に行きたいよ。一人でも欠けたら意味がねぇんだよ。






「作戦会議ー」

「いえーい」

「さーてまずは黒スーツの男だね。あいつらどうしようか・・・・・」

「戸張ちゃん」

「お、どうした小鳥少佐」

「こ、小鳥少佐!?あ、あの・・・私がなんとかできるかもしれません」

「ほほう。確かに君の身体能力はすばらしいからね」

「でもその動きを少し止めていただかないと。速さだけなんでパワーは・・・」

「・・・・・・・・・・それなら私のハンドベルで」

「ひいろーん軍曹!さすがですよ!脳を停止させちゃうわけですか!」

「・・・・・・・・・・でも一時的」

「では、そのあとはこの戸張中尉が引き受けよう」

「すいませーん。戸張中尉ー」

「なんだい?七実・マルコ・未空」

「なんで俺だけミドルネーム!?」

「どうしたんだい?マルコ」

「マルコじゃねぇよ!」

「どうしたんだい? ・ 」

「 ・ を読んじゃった!」


あじさい荘1階。最近みんなが集まる場所に俺らはいた。残念ながらみんな全員そろったわけではないけれど。そのみんなを取り戻すため会議していた。


「まぁ、いい。それで俺は何をすればいいんだ?」

「あ・・・・・その・・・石ころ攻撃だ!」

「邪魔なら邪魔って言ってください!」


俺だけ規模がおかしかった。子供の遊びレベルじゃねぇか!いや、子供でも危ないか・・・。


「で、次は数夏ちゃんだね」

「それは俺がやる」

「おーかっくいー」

「みんなが作った道を俺は行くことにする」

「要するに足手まといだね!」

「なんで悪く言ったの!?」


気にしてるんだから!ふれないでほしいんだけども!


「まぁ、大まかにならそんな感じだね」

「簡単に決まっちまったな」

「・・・・・・・・・・・・・うん」

「今にも行動できるよね・・・」


『・・・・・・・』


やることがなくなった。と思っていたら・・・


「おい、みんな忘れてないか?黒スーツをこえた先には・・・」

『数夏父か!』

「そうだ」

「じゃあ、それ任せる」

「・・・・・・・・・・適任」

「その・・・頑張って」

「お前らめんどくさいからって押しつけるなよ!」

「足手まとい・・・」

「やってやろーじゃねぇか!」

「扱いやすいな、ななみんは」


そんなこんなで会議は終わった。あとは個人で計画を立てそれをみんなで合わせるだけ。


「必ず助け出す・・・」


俺らの思いは1つになり、そしてそれを行動に移るときがやってくる。

というわけでまだまだ続きます、誕生日編!


そして挿絵をつけた話もあるのでぜひ、見ていただきたいです。


絵は下手くそなのでその雰囲気だけでもつかんでくれればと思います。


作品のイメージが!という人は見ない方がいいです!ええ。


でわ

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